この記事は2年近く前の古いものです。
車検制度は細部のルールが頻繁に変更になるので、以下最新記事2点をおススメします。
このお知らせを見せてもらって衝撃を受けました。これって、この業界にかなり大きな影響でるんじゃなかろうか?のちほどその影響についてはお話いたします。
クルマには車検があります。車検に通らないクルマは違法改造車。
ダメ、ゼッタイ。
もちろん、クローズされたサーキット、私有地、イベント会場内などはそれに限りませんが。
車検時、ノーマル車両であり、かつ劣化した部品やタイヤなどを純正部品交換してあるものは、当然車検OK。当社のベストセラー商品、アルトワークス(HA36)用オーバーフェンダー、もといフェンダーエクステンションはどうなるのでしょうか?
これは指定部品に該当します。指定部品とは、国が、「軽微な変更」に該当する部品と認定しているもので、定められた基準の元であれば、手続き等不要で装着が合法とされるものです。
http://www.mlit.go.jp/jidosha/kensatoroku/kensa/kns05.htm
グリル、ガード、ルーフキャリア、ショックアブソーバーなども該当します。
継続車検はボディサイズが全幅±20mm以内であれば、軽微な変更として、基本なんの対応も変更も不要でOK。ですからこのフェンダーも合法です。なお、取り付けにリベットや溶接などをすると、NG。意外ですが、むしろ脱着ができるものでないと指定部品とは認められません。
いずれにしても、こんなワイルドな商品も、基準に準じていれば指定部品になるのです! 手続き不要で装着が合法!
http://silkroad-jp.com/portfolio-2/ha36s/ext_fex_ha36s
そして、この指定部品以外のパーツは原則違法となります。
が、いわゆる構造変更、改造車検という制度があります。当社が販売するサスペンションアーム類は、原則交換禁止ですが、その強度を証明する破壊検査を行い、なおかつ材質証明、クルマの車重やアームのレバー比などさまざまな計算を陸運局の方と協議し、書類として提出、安全性が認められれば、記載変更、もしくは構造変更を受けたクルマとして正式に許可をしてもらえます。
当社はなおかつ、さらに厳しい条件での使用の強度を陸運局に証明し、登録をしていただくことで、「事前申請済書類」を発行できます。当社のアームの強度には再現性があると認めていただき、当社の商品であることを証明した書類一式を、お客さまの車検証と一緒に提出すると、一切の書類作成などをせずとも、当社製品は構造変更に対応した強度があると事前に認定してもらうことができ、スムーズに車検を受けられます。
たった¥3,000-。
大半の海外製のアーム類は、少なくとも日本国内の公認された場所で破壊テストを受けていませんので、過去はともかく、この最近は改造車検の通過も厳しくなっていると思われます。また、ショップさまに書類を制作してもらうと、かなり手間がかかりますので、その費用はおそらく¥3,000ですむことは無いと思われます。
とまあ、これが現時点の状態。本題にはいりましょう。
この書類を入手したところなので、陸運局さんの見解は来週教えてもらう予定です。ただ、文面から読み解くと、
①補修部品の交換、修理を除くすべての変更において、なんらかの証明書類を要求することがある
②その対象は、新規検査、継続検査、構造変更、すべてにおいてとなる
③目視でその安全性や問題性が確認できるものは良いが、それが確認の難しいものは、その安全性を自ら証明できる書類を準備する必要がある
と推測されます。
例えば、当社のアルトワークスのフェンダーは、目で見て、計測すれば問題になるかどうかは明快にわかりますので、書類は今までどおり不要。
ところが、例えばシートレールやシートを交換した場合、そのシートが難燃性の生地を使っているのか、衝突したときに強度がしっかりでているのかは、証明書が無いと認めない、という場合が発生するということです。
当社が販売をさせていただいているカワイ製作所様は… 以下の過去ブログを読んでくと…
OK! こちらのシートレールはちゃんと筑波の試験所で衝突実験をしたうえで、その強度を証明する書類を¥1,000で発行してくれます!(ただし、現時点ではレカロシートとのセットに限る)。
指定部品でもなく、交換してはいけないといわれているわけでもない、いわゆるグレーゾーンのパーツがあります。たとえば、サスペンションアームでも、純正の品名が「アーム」という名称ではない、テンションロッドなどは、あまり入力がかからない部分ということで、書類不要で合法扱いでした。これが今後厳しくなる可能性があります。また、流行のキャリパーキットもブレーキ関係は基本的に審査基準がなかったことからグレーでしたが、こちらにも影響するのか気になるところ。
当社としては、基本的にこういった国の動きは大歓迎です。「より速く、より安全に」が会社のスローガンですから。ただ、お客さまが困惑されないように、できるだけ正確にどの商品に今後こういった対応が必要かを見極めていく必要があります。
約20年ほど前でしょうか、道交法が大きく改正されました。それ以前はダウンサスすら違法だったのです。クルマ文化も人間の趣味の一環であり、人間社会が衣食住に困ることがなくなるだけでなく、そういった趣味や文化が自由に楽しめる社会こそ、人間の進歩を証明するものであり、精神的にも豊かな社会といえます。文化の発展の一助として当社も社会に貢献してきたつもりですが、同時にルールというのも大切。安全を守るためのルールはやはり必要だなと思います。
今後も、お客さまが楽しく、安全にカーライフを愉しんでいただくためにも、どんどんこういったルール、商品の安全性向上のための試験、技術の向上に努めてまいります!
とはいえ、やっぱりちょっと面倒臭いこともふえるなあ(苦笑)