ビッグローターキット スズキジムニー JB23用 お見せします! (JIMNY BIG ROTOR KIT)

企画から約1年。ようやくスズキジムニーJB23用のビッグローターキットの量産に入りました。


とにかく嬉しいの一言。生まれるまでに苦難に満ち溢れた商品だったからです。同時に「シルクロードらしい」とお客さまにいっていただけるコンセプトの商品だからということもあります。


困難であった理由は、まず流用できるサイズのローターが無かったことです。そのため、ローターは完全新設計でのオリジナルサイズ。開発費も製造ロットも当然ため息がでます。そしてこの純正ブレーキキャリパーをオフセットするためのステーにも泣かされました。下記の当社が従来販売している、AE86用、シルビア用のビッグローターキットはとてもシンプルなステーで作れました。

http://silkroad-jp.com/portfolio-2/brake


ところが、ジムニーはこういった形状では制作不可能で、最終的にこのように非常に複雑な形状となりました。鉄のブロックの塊から削り出して作るので、設計も、加工も非常に負担が大きく、当然コストにも跳ね返ってきます。しかし、高額になってしまうと意味がありませんので、何度も製造方法などを見直し、最終的に完成しました。

もともとジムニーや軽自動車、一部の乗用車は構造上、ブレーキキャリパーが方押しといって、両方から均一にではなく片方のみが強く押さえつけられ、反対側はあまり力がかかりにくい構造です。もちろん純正ですから、通常使用においては十二分に制動力が働くように計算されて作られているのは間違いありませんが、大径ホイルを装着したり、レジャーなどで重量物を積んだり、牽引したり、サーキットやハードな走行をする場面になると制動力不足が露呈してきます。

このアダプターがその偏った力のかかり方を均一にする効果があり、ローターサイズが大きくなったこととの相乗効果でより制動力を上げてくれます。自転車のブレーキを思い出していただくとわかりやすいですが、左右からゴムのような黒いものがホイルを挟み込んでブレーキをかけるわけですが、あれが片方しか動かなかったら、という大げさな表現をすればこのキャリパーアダプターの効果がご理解していただきやすいと思います。

京都のお客様にお借りしたテスト車両です。ありがとうございます。

ちらりとキャリパーアダプターとローターが見えています。テスト結果は上々。

16インチの純正アルミホイルにしっかりと収まっています。ここが重要。ジムニーのレースでご活躍されているガレージモンチさんから、商品企画段階で本当に作るかどうか悩んでいる当社に面白いヒントを提供してくださりました。

https://ja-jp.facebook.com/GarageMonchi/

「この商品は絶対に最後まで開発してください。私たちはレースに出ていて、やはりジムニーの制動力に困っています。しかし。アフターの協力なブレーキキャリパーやローターは装着すると純正16インチには収まらないので、ホイルが17インチ以上になってしまいます。そうなると制動力は上がるものの、今度はホイルにパワーが喰われてしまい馬力が落ちてしまうのです。このジレンマを解消する方法はたった一つ。シルクロードさんが企画されているビッグローターキットを16インチサイズ装着可能にすることです」

これが最終的にこの企画の原動力になりました。やはり機能パーツというのは「これが無ければ困る」という機能性がなければお客様に必要とされません。試作テストが十分におわったので、初回ロットをモンチさんに装着していただき、レースで暴れた感想を早くいただきたいものです。楽しみです。

このアダプターのメッキはカッコいいのですが、量産品は錆や腐食を考慮してより強固な電着塗装のブラックになります。ローターが少し大きくなるだけで、ホイルの中をパツパツにしてくれるローターのおかげで、なんだか「強そう」に見えます。ドレスアップ効果も期待できます。

予定定価は¥39,800-。車検対応品。

装着に当たっては、当該商品以外は不要です。ブレーキホースやアダプター、そういったものはいりません。しかも純正キャリパーとブレーキパッドをそのまま使っているので、ブレーキパッドも純正でOKです。

発売予定は3月末~4月ですが、初回ロットはもう完売しました。驚きです。慌てて追加をいれました。実は当社の取引先のショップ様を中心に口頭で案内させていただいたのですが、ご理解をいただいたところから注文がすぐに決まってしまいました。それだけ制動力向上を望んでいたお客様が多かったのです。

今回、この商品の画像が今になるまで公開されていなかったのは、意匠登録の出願期間だったからです。

当社は過去数多くの意匠登録や実用新案、特許などを申請や取得をしてきました。もともとは当社の技術向上、知識向上が理由でしたが、最近は自衛のために取得しております。何か新商品を発売したあとに類似品がでることは仕方のないことです。しかし、時にはあとからこういったものを取得して、当社に販売停止を求められたケースが過去あり、大切な商品を守るために取得することが増えました。

いよいよ販売が迫り、ぜひ皆様にご購入していただきたいので、公開することになりました。当社社員みんなが悩んで、苦しんで、そしてショップ様やお客様からのアドバイスをいただき、当社の工場の人たち、外注の方たちの努力と技術でようやくここまでたどり着きました。

長々と説明が多くなって読みにくい紹介ブログとなりましたので、以下に非常に端的にまとめられた記事を紹介しておきます。

これは当社だけでなく、自動車アフターパーツ業界のメーカー様が多数所属するNAPACという団体が発行予定する冊子の記事です。

2018年に各メーカーさんが発売予定する入魂のヒトシナを掲載する冊子とのことで、さっそく原稿があがってきました。他社の記事が気になって仕方ありません。どんな商品が発売されるのか、今からその冊子が待ち遠しいです。