大阪オートメッセ2018 レポート No.2 (OSAKA AUTO MESSE 2018)

No.1からの続きです。

今回、個人的に気になったブースをご紹介させていただきます。まずはSUZUKIブース。

とんでもない人混み。近づくことすら困難。東京オートサロンでも非常に人気のあったブースと車種です。魚釣り仕様のキャリー、冬レジャー仕様のXBEE、キャンピング仕様のスペーシア、どれも大人気!

東京オートサロン2018レポート & 食レポ(笑) No2 (TOKYO AUTO SALON2018)

ダイハツブースも非常に面白い車がでていました。コンセプトはSUZUKI同様、アウトドアです。

奇しくも、こちらも魚釣り仕様!

それよりももっと興味をひかれたのは、こちら!

ジャンボにトノカバー!

これは市販化してほしい!!!

東京オートサロン、大阪メッセ、どちらの会場でもこういったレジャーユースの車に非常に人気が集まっていました。決して斬新なものではなく、昔からこういったクルマはありましたし、一つのジャンルとして定着はしていました。けれど、時代がこちらを向き始めたという感じです。クルマを単なる自分のステータスを誇示するという、成金思考ではなく、自分のライフスタイルの象徴として、そして明確な目的のためにクルマを所有したい、そんな日本のユーザーの思考の変化を感じました。私はスーパーカーブームの世代ですから、やはりイカツイ、スーパースポーツカーにあこがれをもっていますが、こういう車に子どもから大人まで群がる様子を見ると、時代の変化を感じずにはいれませんでした。

ただ、大阪オートメッセを今年ほど良いと感じれたことはなかった理由は、単なる過去の否定ではないということです。こういった新たに注目されるジャンルが現れるからといって、全員が流行に流されて右へ倣えで、レジャー車両一色になるのではなく、過去から人気であったミニバン、スポーツカー、旧車、新車、スーパーカー、軽自動車、VIPセダン、どれもがバランス良く、その個性を新たなテイストを加えて進化していたことです。

その代表的なものの一つが、オージーワークスさん!!!

なんとなく無難な実用的なクルマを求める雰囲気に、良い意味で大逆行!ド派手という言葉が陳腐に感じる迫力です。

ごちゃごちゃ説明文章を書くのがはばかれるほど、一目でわかる圧倒力!

この車の周囲は凄い人だかりでした。写真より実車は100倍カッコいいです。シンプルが定番になりつつある中、これはそんな考えを吹き飛ばす破壊力と魅力があります。なんというんでしょう、単純にウキウキするのです。おそらくこれに乗ると、普段の悩みやウジウジ考えていたことが吹き飛ぶ楽しさがあるんだと思うのです。

驚きなのはこのタイヤとホイル。

加藤社長さまにお話しをお伺いできました。

「18x11Jを履かせた上で、しっかり走行できうるための方法を毎日毎日なやみ、試行錯誤を続けてきました。僕自身が装着して走りたいと思ったんです。思ってしまうとそれが実現するまで自分を抑えることができなくて(笑)」

お話を伺っていてとてもうれしくなりました。ショップ業だって、私たちメーカーだって、仕事です。いくら夢があっても採算度外視でなんてことはなかなかできないことです。それを地でいく熱い社長さんにお会いして、思わず長話になりました。

http://www.og-works.com/about.html

今度はガラッと変わって、KCテクニカさん。社長さんにもお会いできました。

実はカワイ製作所の川居相談役、当社の代表、小河とももう何十年ものお付き合いをさせていただいているようです。おそらくラリー、ダートトライアル仲間だったと思われます。何十年も前から軽自動車のスポーツチューニングを続けてこられている老舗。

全国的に有名なショップ&メーカーですから、説明は不要でしょう。

HA36アルトワークスでは抜群の知名度を誇り、その牽引役を担っているのがこのクルマ。

最近のイベントではボンネットを閉めたクルマが多い中、堂々とボンネットを開けていることからも、いかにエンジンと速さに誇りをと情熱を持っているかがうかがえます。これも非常にうれしいことです。

このダクト、純正かと思いきや、KCテクニカさんのオリジナル。超、ハイクオリティ。大人気で常に品薄状態とのこと。

ワイドボディにホイルのセッティングがすごく渋い。ドレスアップ車両じゃないのに、にじみ出るカッコよさはやはり機能美。今後もどんなチューニングでアッといわせてくれるのか楽しみです。

http://www.kc-technica.com/

さて、一番驚いたのは日正タイヤさん。ブース出展をされていたのです。今回が初出展だそうです。

当社では設定していない特殊な長さやレートの直巻きスプリングをお持ちなので、取り扱いをさせていただいております。って、こんなとんでもないスプリングもあったんだ(汗)

長さ150mmのレート120kg!!?? 手で押しても当然びくともしないだけでなく、片手で持ち上げるのが困難なほど重い!こんなスプリング売れるんですか!?

「お客さんからほしいといわれたことがあったから作ったよ。うちは、ドレスアップで困ったお客さんの要望をできるだけ対応したいんよ。自分自身が昔からドレスアップをしていて、メーカーさんの標準品ではどうにもならなくて困った経験があるからね。お客さんのユーザーとしてのもどかしさは、自分も良くわかるから」

その言葉通り、本当に細かな部分に気を使った部品が多かったです。この白いスペーサーは何だろう?と思っていたら、「リアアクスル車にパツパツのホイルを入れていると、車線変更の際などにアクスルが動いてホイルヒットをするのを防ぐ」ためのものだそうです。そこまで対応するの!?

当社もアームの製造メーカーですが、日正さんのアームには驚かされました。ドレスアップでローダウンした車両に適正になるように作られているのです。普通、私たちメーカーはノーマル車高を標準で製造するので、それだと使いづらいお客さん用に作っているそうです。とことんお客さんにより沿って設計されています。

ドレスアップ出身だからこそ提案できるパーツの数々です。

ステッカーが大人気で、お話を聞いている最中もドンドン売れていました。

日正タイヤは実は本業は何十年も続く老舗タイヤショップ。2店舗ある広大なピットに、朝から晩まで一般車両から大型トラックまでひっきりなしに作業が続く大きな会社です。その2代目のまーにーさんが夕方からの時間をメインに行っているのが日正タイヤブランド。アメブロが大人気で、自動車部門では常にトップに20位あたりに常駐しています。つまり最初のページに大抵でてきているのです。驚き。ドレスアップユーザーたちの駆け込み寺として、まーにーさんがこれからもアッと驚くパーツを展開してくれそうです。

https://ameblo.jp/nisshotire/

今回、目立ったクルマにはSUVがやはり多かったように感じました。一つの流れとして、SUVが今までのマイナーなジャンルからメジャージャンルに昇格する雰囲気がありました。今までのハードチューニングされたスポーツカー、ミニバンを中心とした車高を下げるドレスアップという単純な公式が崩れつつある感じがしました。

でも、もっといえることは、過去のように日本のユーザーが単純に流行にのせられて、猫も杓子も同じ車にのって同じドレスアップをするという洗脳から覚めたように思うのです。私も記憶がありますが、この業界にはいってFF車のエクリプスを購入した時、「変なクルマ購入したな~。FRじゃないじゃん。FRじゃないなんてクルマじゃないよ」といわれたことを。

ようやく、流行という洗脳から解放され、VIPも、バニングも、リフトアップも、シャコタンも、ゴテゴテも、シンプルも、SUVも軽もトラックも、スーパーカーも、日本車も外車も、どれでもいいじゃないか、自分が良いと思ったら、という雰囲気が最近のユーザーさんの動きから感じることができるようになってきました。

それこそが本当の自動車文化の発展の幕開けではなかろうかと思うのです。

普段、東京オートサロンと比較されると大阪メッセは、地元関西のメーカーやショップさんでさえ、「しょせん、大阪だから」とその内容を酷評することが多いのですが、私自身は今年は大阪に軍配を上げます。一つ一つの車に個性があり、お客さんも自分の好みの車に出会いやすかったと思うのです。

今回ピックアップさせていただいたショップさんからもそれを感じることができました。それぞれが、それぞれのジャンルの魅力をどんどん進化させておられました。それが増えれば増えるほど、日本のクルマは楽しく、個性的になると思うのです。

なんだかちょっと熱くなってしまいましたが、今後の商品開発や方向性を考えるうえで大きなヒントを得れました。これから開催されるたくさんのイベントも要チェックです。