輸入車、外車の商品開発

先週末、バランスオートを訪問。入庫している車は相変わらずどれもカッコよすぎ…

https://ameblo.jp/balance-ap/

久しぶりに見たエボ。エボはガンダム好き、スポーツカー好きの私には一番ドストライクなクルマ。特にエボ4をはじめてみたときは衝撃的でした。

とはいえ、どちらかといえば土臭いクルマ。それがバランスさんの手にかかれば超都会チックに変身(表現が古いですね)。いわゆるアーバン仕様。ドイツのアウトバーンが似合う仕上がり!

山崎さんは某超大手サスペンションメーカーに20年以上在籍していた元技術者。現在はショップ業を営み、現場と製造の両方の立場を知るヒトであり、シルクロードとしても色々足廻りのパーツでは色んなヒントや、テストにご協力をいただいております。今回も面白い提案をいただきました。

「AUDIのアーム作ったらどうですか?」

外車かあ… 正直気にしてなかったなあ…

最近のドレスアップ、特に若いヒトの外車率は急増中とのことでした。中でも洗練されたデザインで人気のAUDIが人気とのこと。バランスではホイルと車高の相談が非常に多いそうです。私が若い頃は外車はノーマルが大半で、ドレスアップの対象ではなかったのですが、最近はそういうジャンルの壁はあまり無いようです。

また、面白い話が、日本のクルマである程度ドレスアップを経験したヒトが乗り換えで外車に乗ることも増えていて、ドレスアップ手法やパーツを日本車感覚でやることも多く、ただ車高を下げるだけでなく、アームなどを使ってトータル的にドレスアップするそうです。昔ならベンツならAMG一色だったのに。

純正の加工アームなども、当然お手の物であるバランスさんです。工場機材さえあれば山崎さんなら、調整式のアームも作ってしまうことは余裕でしょうけれど、そこは当社の出番。もちはもち屋!

当社では、ただ製造するだけでなく、ちゃんと工業試験場で破壊検査をし、純正同等以上の強度を確認したうえ、車検の際の事前申請不要の書類の発行までさせていただき、お客様に安心していただける商品の製造を心がけています。

http://silkroad-jp.com/portfolio-2/footwork/foot_arm

アームというのは、破損すると危険な部分ですから、アームという部分の交換は車検ではアウトです。ただし、構造変更(改造)申請すれば認めてもらえます。

その方法は、


①強度証明: 当社の場合は純正とアフター品を工業試験所などで破壊し、その結果を書類発行していただき、純正同等以上であることを証明します。

②強度計算: 上記の結果に加えて、実際のクルマの車重や動き、負荷の架かり方から計算式を使って、更にその安全性を証明する書類を作ります。なお、この計算式や計算方法、書式については最寄の陸運局に確認が必要です

③完成した上記2点の書類を、陸運局に、車検とは別に予約をして事前申請と呼ばれる改造部品の証明を認めるかどうかの判定を受けます。

④合格をもらったら、その書類を実際の車検時に一緒に持っていき、改造車検として合格判定をしてもらい、車検通過となります。


いや、これかなり大変です。腕利きのショップさんなら実際こういったことができますが、手間が半端ありません。お店としても技術レベルの高いヒトがたくさんいたらともかく、数人でやっていて忙しいと、儲からないのに手間がかかる上、お客さんにはそれなりの請求をしないといけなくなります。

当社としてもアームの破壊検査は安全に関わる部品として以前から強度は試験し続けてきましたが、数年前からショップ様のご要望を受けて、当社が発行する書類を、車検時にもっていけばその商品はすんなり通るという④の状態にまで準備しようということにしたのです。¥3,000-は安いと思います。書類を陸自と打ち合わせして作り、車検いくだけでも半日仕事なのに、そこに別の日に申請するとなると、移動交通費だけでも大変です。

当社も、儲かるわけではなく、アームを新設定するたびに、破壊試験、陸自と打ち合わせ、なんども指摘を受けて変更。OKになっても類別やマイチェンのたびに再度書類を提出し、お客様へ発行した書類や詳細を長年、当社で控えておくという義務も発生しています。それでも、安全に取り組んでいる姿勢を理解してもらうためにも、続けています。

ということで手前味噌になりましたが(笑)、外車のアームの開発、トライすることにいたしました!

バランスさんからわずか5分ほどのフラットウェルさんは、今日も忙しそうです。

http://www.flatwell.jp/

ショップでありながら、多数のオリジナルパーツをお持ちで、実はメーカーといっても過言ではありません。海外の有名な工場ともお付き合いがあります。そんなフラットウェルさんによってしまうと、そこから10分のイーカスタムさんには自然に向かってしまいます。

http://www.eeecustom.co.jp/86/shop.htm

でっかい敷地に一般整備業務の作業待ちがやまもり。ここもショップではなくメーカーのようなものです。サニトラから始まり、FT86ではマニフォールドが空前のヒット。エキマニといえばステンレスしかほぼ無くなった時代に、昔のレース時代の経験からスチール製も発売し、これも大人気。さらにはチタンまで手がけており、材質だけでも3種類選べるというとんでもないラインナップ。

開発がいよいよ大詰めなのは新型ロードスター用エキマニ。こちらも、通常タイプとロングの2種類。しかもそれぞれメインパイプの太さを2種類の合計4種類がテスト段階。

音もいいし、ポンヅケマニだとパワーがあがらないので、コンピューターとセットにする必要があるといわれている新型ロードスターにおいて、馬力アップのレイアウトに成功したようです。

なんせ、答えをだすまで何回もやり直すヒト。長さやレイアウトや太さをなんどもシャシ台で確認して、いよいよ製品化が近づいています。

大阪のこういったショップさんたちは、自分たちが仕事柄得てきたノウハウがあり、それは幅広い車種を対応しているメーカーでは手が届かないような部分を改善したり、向上させたりする方法をしっており、気付けばオリジナル商品と呼ばれるものに成長しているという共通点があります。

そうなのです、営業マンのふりをしながら、私はそういった人たちからいろんなノウハウやパーツアイデアを盗んで廻っている、悪徳営業マンなのです(笑)

最近では日本各地の営業先のショップ様の要望を受けて、いわゆるOEM製品なども供給しています。今回紹介させていただいた3ショップのように、独自でパーツを作り出す力があるところは別ですが、日々、お客様と直接接するショップさまはパーツを作る機械や工場が無くても、無数のアイデアをお持ちです。当社がそういうお店さまの商品をOEM供給することで、大手メーカーには無い魅力的な部品が多数生まれているのです。

最近では、OEMだけでなく、コラボレーションモデルにも力を入れています。

もう発売5年以上になったのは、ドリフト専門ショップ3UPさんとのコラボ車高調です。

http://silkroad-jp.com/html/pdf/rm.s8.pdf

当社はショックアブソーバーを自由に変更できる機材はありましたが、車両を購入し、ドリフトを毎日のようにテストなぞ出来るわけが無いので、最新のドリフト車両にマッチする減衰力はもちろん無かったのです。逆に三上さんにはその情報とテストする機会はあったのに、自分でショックをつくることはできない…

そんなことから始まった企画でした。5年以上前の当時は、価格破壊的な車高調が急増しており、安ければ売れる、高ければ売れない風潮でした。そんな中でも、「結果を出す」商品として、予想に反して売れてくれて、やはり良いものは認めてもらえると感動しました。今でこそ「コラボ」企画は当たり前になりつつありますが、当時、特にこの業界では互いの名前を出し合って発売する商品は、ほとんどありませんでした。

その後、当社では現在進行中ですが、RASTYさんをはじめ、いくつかのコラボ企画が動いています。

今回のAUDIアームの提案もそうですが、ショップ様、そして専門店様は現場直結ですから、非常に面白いアイデアをお持ちです。一つでも多く、そういう商品を増やしていけば、お客様のクルマのチューニングやドレスアップの選択肢が増え、その内容も深化してくれます。

「商いは飽きない」を実践しているショップ様がたくさんいて心強い今日この頃です。