AE86用パーツ 衰え知らずの勢い

「まんさくさん、スゲエなぁ!」と、当社の中部東海地方の営業マンが当社に届いたチラシをみながら感心しています。

直接の取引はありませんが、長年東海エリアを廻っているので、色んなショップさんを通じてのお知り合いで、FT86のレースなどでの活躍は知っていたそうですが、レストアパーツ.COMという名前でレストア用の色んな部品の販売を開始したことは知らなかったようで、驚いていました。

https://www.restore-parts.com/

こういったパネル類などは簡単に作れるものではないし、大きさや重さなどから販売用の商品在庫をするだけでもトンでもないことです。ましてやAE86だけでなく、他の旧車、外車も取り扱いされているようで、驚きの一言。でもお客様の立場に立てばこんなにありがたい話はありません!特にAE86のバックパネルやクォーターパネルなどがあれば、万が一の事故でも愛車が復活できますし、修理不能で放置されているAE86を蘇らせることも可能になります。

(いつ訪問してもAE86作業待ちてんこもりの浮谷商会さん)

それにしてもAE86の人気はとどまることを知りません。当社ではAE86が現役の時代から色んなパーツを製造販売してきて、この20年くらいは、在庫が欠品したAE86商品が出るたびに、「もうさすがに次に100セットも作ったら、売れないから廃盤にしよう」と決定させるのに、一ヵ月後には「お客さんから注文が入ってきている、無いと困るといっている」と再開するというループを延々と繰り返しています。

http://silkroad-jp.com/portfolio-2/ae86

改めてそんな商品たちの中で、私が個人的に気になるものをピックアップ紹介させていただきます。

まず、コレ! リアスプリングスペーサー! 私が入社した20年ほど前には余裕でありましたから、恐らく30年以上は販売され続けている商品。

http://silkroad-jp.com/portfolio-2/footwork/foot_ae86rsp

厚みは10mm~35mmまで5mm刻みで存在しています。謎です。コレを入れるくらいなら、世の中にたくさんあるレートや長さ違いのスプリングにすれば良いのにと思うのです。もっと言えば、リアにスプリングをネジで調整するアダプターを入れたほうが便利だとも思うのです。にもかかわらず、当社が6種類も用意して在庫していても、定期的に在庫が無くっています。AE86に乗っていない私からすれば不思議。バイト時代によくこの商品の真空パック作業をやっていて思いいれが深い商品です。

これも20年前の私にはナゾ商品でした。ミッションブッシュセット。AE86に乗ったことが無く、ましてや部品交換をしたことの無いワタシは、こいつが目の前で装着されている様子を見たことがありません。けれど、バイト時代から、数え切れない個数をパック詰めしました。今なお売れている商品。

http://silkroad-jp.com/portfolio-2/ae86/rein_mb

これも超懐かしい。AE86リアコントロールアームブッシュ。業界用語が分からないバイト時代に「リアコン」と呼ばれていて、困った記憶があります。こんにゃくの一種のようなイメージで無理やり記憶していました。当社では珍しい異業種からの転向組みの私は、当時「トーコンキャンセラー」を、お客様の伝票に「闘魂キャンセラー」と書いて酷く叱られたものです。とにかく英語を日本語風に短縮する言葉は混乱します。今思えば、大半の商品は「コントロール」は「コン」になっていることが多いんですよね~。

この商品については、リアコントロールアームそのものを製造販売開始したので、需要なくなるだろうとおもっていましたが、不思議なことにブッシュも今まで通り売れているのです。

http://silkroad-jp.com/portfolio-2/footwork/foot_arm/arm_toyota/arm-ae86

売れた数量がずば抜けているのは、強化ロアアーム。

http://silkroad-jp.com/portfolio-2/footwork/foot_arm/arm_toyota/arm-ae86

販売開始は確か、1998年ごろだったはずです。ドリフトやサーキットや峠などで激しい扱いを受けていたAE86はこういった部分の破損が多く、当社としては板を追加溶接し、純正よりも強度アップした商品として販売を開始しました。最近では純正が高額になったり入手困難になっての再度需要が出ているようです。

上記商品をキャンバー調整用にピロボール化したものは、比較すると純正形状7割で、こちらは3割ほどの売れ行きですが、最近、新たに注目を浴びているようです。理由は、車検時の書類が発行可能になったからです。

オリジナル商品で、よく純正を加工して延長しているアームがありますが、あれは車検NGです。車検を通すためには改造申請を受ける必要がありますが、溶接延長の場合は、その溶接を施した人間の溶接レベルを証明する必要や、どういう方向や方法で溶接されたかを数値などを用いて書類で説明し、検査を通すので、なかなかハードルが高いのです。

当社のピロタイプなら、他のアーム類同様、事前審査不要、車検当日に別途¥3,000で発行可能な当社の書類を一緒にもっていくだけで、このアームは改造車検OKになるのです。そういう意味で最近少し売れ行きが伸びているのでしょう。

これらのアームと一緒に売れているのは、タイロッドエンド。

http://silkroad-jp.com/portfolio-2/footwork/foot_arm/arm_toyota/arm-ae86

今までの標準品とは別に、延長ロアアーム対応のロングを販売開始したところ、ロングのほうが圧倒的に売れています。ただ、これらのアーム類とタイロッドエンドは、ご覧の通り一部純正品に準じた製造方法になり、当社ではなく純正アフターの専門工場にお願いしており、ワンロットの製造数量も、それにかかる製造時間もかなりかかります。欠品すると次の入荷まで相当かかるのをご了承ください。

当社で販売しているKYB様OEMのショックアブソーバーも同様の理由で、長期欠品することがあります。今日注文して、来月には納品、なんてお気軽対応は大企業さまではできません。年間生産計画などが設定されている会社なので、突然大量に売れたから急いでお願いしますといっても、実際の納品は軽く数ヶ月先になります。

このショックアブソーバーをベースにしている商品で人気なのは、スピンドル対応車高調キット。

http://silkroad-jp.com/portfolio-2/suspension/project-suskit-uni

これを使えば、AE86のフロントがKYBベースの全長調整式車高調になり、セッティングもとりやすく、乗り心地もネジ式とは違い底付きしにくくなるので、かなり良くなります。

上記と同様にリアショックも全長調整式を販売しています。

http://silkroad-jp.com/portfolio-2/suspension/sus_1ab-d02

AE86のリアは好みによってリアスプリングの長さやレートを変えたり、それこそ当社の販売するスペーサーなどをいれて変更しますが、スプリングの長さが一定量を超えて変化すると、ショックの長さが短すぎて底付きしたり、逆に長すぎてスプリングが遊んで危ないといったことがおきます。その都度、そのために違う長さのショックを購入するのは大変です。こいつがあれば、そういった悩みは一撃で解消。

そうそう、これも良く売れています、ビッグローターキット。

AE86用には前後ともに、色んなショップ様からさまざまな提案があります。ブレーキキャリパーの流用なども熱いですね。当社は、商品販売という視点から、どうしても中古キャリパーの流用に関わることは難しいため、再現性の高いキットとして、シルビアの純正ローターを装着し、キャリパーはAE86のものをそのまま使うキットを販売しています。

旧車化しつつあり、サーキットやドリフトなどではその姿がめっきり減っているAE86ですが、ストリート用として愛用している方でも、気持ちよく乗るためのチューニングという意識は高いクルマなので、このブレーキキットも、一旦廃盤にしたのですが、要望におこたえしての復刻商品となりました。

純正のシルビアローターは中古でも良いですし、新品よりも安く質の高いローターを販売されているディクセル様の商品などが選べ、ブレーキパッドなどはAE86のまま。しかも車検対応品ですから、ブレーキパッドだけでは制動力アップの限界を感じている、けれど、ビッグキャリパー&ローターにまでは手を出したく無い、オリジナルの部分は残しておきたい、という方にストライクな商品です。

(バンコクのモーターショーで見かけたAE86)

それにしてもAE86というのはトンでもない魅力を持った車ですね。最近は日本のスポーツカーも欧州車のように、大型化、ハイパワー化、そして非常に高価になっていますが、私はAE86のような大衆車が世界的に有名になったことこそ、日本車の本来の魅力が認められたようで嬉しいのです。値段が高いクルマがカッコよくて、速くて、わかりやすいことは認めますが、ハチロクのように、こんな庶民的なクルマが世界で愛されている事例なんてほとんどありません。

シルクロードとしても、正直、迷いが無いとは言いませんが(苦笑)、出来る限りAE86の部品は廃盤せず、ファンの方の一助となるよう努力していきます。

今回、紹介仕切れなかったAE86パーツ、また改めて後日紹介いたしま~す。