DR30 スカイラインの聖地 ジェネシスオート

鉄仮面の愛称でしたしまれているDR30スカイライン。ハコスカ、ケンメリ、ジャパンの次に発売された車。私が小学生のときに販売されていたクルマが、今なお名車として普通にショップに入庫し、チューニングされ、愛されているということ自体が驚きです。

そんなDR30の関西の聖地といっても過言ではないのがジェネシスオート。これだけのDR30が常時ストックされているのは、見るだけでも爽快!

http://www.r30.co.jp/

 

そのジェネシスオートの代表である新出さんは、大阪岸和田のだんじり漢(オトコ)。と、言うと少々怖そうで、乱暴な人かなと思ってしまいますが、なんと「人見知り」するタイプ(爆笑)! 私も長年のお付き合いをさせていただいておりますが、恥かしがり屋で人見知りで引きこもりがち、そして非常に几帳面です。整備、部品の手配、クルマの並べ方、仕事の仕方、お客様とのやりとり、接客などすべてが丁寧、優しく、繊細。そして、この新店舗に引っ越しされたということで、当社から贈呈させていただいた記念樹にも、毎日かかさず水やりをしてくださっています(笑)

この写真も非常に貴重です。なぜならホームページを見ても、本人の名前すら登場しません。写真なんてほぼ無し。

元々、レースやイベントとは無縁なワタシ。クルマそのものにも、そんなに興味が無いワタシは、最近までは、歴代スカイライン、どれもカッコイイと思ったことはありませんでした。見た目のデザインで言えば、Zのほうが明らかにカッコよいと思っていました。ただ、「速い」ということでチヤホヤされてきたクルマだと思っていました。

でも、最近、なぜかカッコよく見えるのです。しかも一番無骨なデザインのこの鉄仮面。歳をとったからノスタルジーなのかのかなあ、と思っていましたが、実はこういうデザインのクルマを特に好むのが、20代の若者だそうです。驚きです。もちろん、私の年代から上の方々は当然好きな人は多いですが、若い人にも好まれるというのは意外でした。改めて、今日入庫している整備中のお客様のクルマを見て、カッコイイナアと思ってしまいました。

クルマは、自動車メーカーの努力で、新型になるほどドンドン進化しています。それは間違いの無い事実。デザインも、コンピューター技術で、3Dモデリングなども駆使され、エンジンなどのメカ部分と、人間のための居住エリアを、最高の効率で計算されてデザインされているようです。もちろん空力も職人の経験と勘にたよるのではなく、数値を計算し、しっかりと効果もでているはずです。

けれど、それが味気ないと感じる部分なのかもしれません。無駄が無いことはいいのかもしれませんが、計算されつくして、遊びや余裕が無いように思うのです。「キチキチ、目一杯」というのはどこかさもしいのです。だから、一見無駄に見えるロングノーズや長いオーバーハング部分から、リッチな、豊かな雰囲気というのを無意識に感じているのかもしれません。

私が好きなクルマ、初代ダッジバイパーなんか無駄の塊(笑)。

そうそう、あまり世間的には知られていませんが、ジェネシスオートは、グランドスラムGTRラバーソウルさんと同じ敷地にあります。だからハコスカや30Zなどのレース車両もウロウロしています。

http://www.rubber-soul.net/index.htm

グランドスラムGTRラバーソウルは、ハコスカ、ケンメリ、ジャパン、30Zを中心に取り扱いされておられます。去る2月には、ジェネシスとラバーソウルさんで、横浜で開催された、ノスタルジック2デイズにも参加されておられました。

http://www.rubber-soul.net/kannrininn5.htm

今日、久しぶりに訪問させていただいた理由は、エキマニの相談にお伺いしたのです。というのも、DR30はFJ20なので関係ありませんが、ラバーソウルさんはハコスカからジャパンまでの旧車のスカイラインに対し、ジェネシスさんはネオ旧車のスカイラインを取り扱う立ち位置で、R32あたりも最近は対応をされておられます。なので、当社が現在3UP三上さんから提案されて、開発を考慮している、RB20/25用マニフォールドを開発すべきかどうかの相談をさせていただいたのです。

「せやなあ、RB20/25用のエキマニは正直あまり販売されていないなあ。R31は確かにRBだけど、エキマニはパワーアップする際に、ビッグタービンを積むための材料として存在するのみで、純正に近いタービンサイズ用の、いわゆるポン付けマニというのは、無いといってもいいかもしれない」

とのことでした。

「純正マニは鋳物だから長持ちはしているけど、中には流石に交換時期に入っているような朽ち果てかけているものもあるので、補修部品としての純正交換タイプはいいかもしれないね。マフラーも大音量を嫌って敬遠されているけれど、音量はともかく、音質はやはり気持ちが高ぶるようなものが欲しいと思えば、純正や静かなマフラーに、マニはありかもなあ」

さすが的確なアドバイス。やる方向で考えてみよう!

ジェネシスさんは、R30だけでなく、Z31、F31、S12、S130、GC210などのネオ旧車も取り扱いをされています。どちらからというとマイナー車両になり、パーツが不足しがちな車たち。こういったクルマの色んなパーツから、車両販売まで手がける専門店さんというのは、こういうクルマに乗りたい人には非常に強い味方です。

旧車、ネオ旧車というのは、専門店以外では正直対応しづらいものです。というのも、クルマが非常に古いため、不調だからと一般整備工場に持ち込んでも、原因の特定のためにちょっと部品をはずすと、ネジが折れたり、パッキング死んだり、あげくさらに不調になったり。しかもそういうちょっとした部品ですら、廃盤であったり、高額になったりするので、そもそもお断りされることが多いのです。

同じ車種を何度も経験している専門店であれば、そういったことは熟知しているし、車のクセも、不調の原因もだいたい特定しやすく、壊れやすい部分も分かっています。だからこそ対応できるし、あらかじめどれくらいの費用がかかるかも良く分かっているので、敷居が高く、高額費用を請求されそうなイメージをお持ちの方も居るかもしれませんが、業界の裏側から見ている私からすれば、無理に近所の一般整備工場やディーラーに持ち込むほうが、あとからトラブルがでたり、結局対応できずに、こういった専門店に下請けとして出されていたりということもありえます。専門店はおススメです。

http://www.rasty.tv/

S15、R34、S2000、80スープラなんてクルマは、この業界で働いていると、まだまだ最新のクルマのように感じるのですが、これらのクルマも20年前後は経っており、明確な定義はないですが、十分ネオ旧車、旧車と呼べるものです。今後、ますます、ジェネシスさんのような専門店の存在というのは、カーライフを愉しむ上では重要になっていくと感じます。

こういうセリフをいうと、歳をとったといわれそうですが、この業界のヒトたちがよく言う「最近はええクルマがないわ~」というのが分かるようになってきました(苦笑)。

ワクワクするクルマ、発売して欲しいなあ、メーカーさん、高級スポーツカーばかり作らずに…