XBEE リフトアップキット 1.5inch 完成&試乗! (MN71S 2WD)

試作品完成! XBEEのリフトアップキット。 

思いの他、良く上がっています。 1.5インチ、約40mm。 構造変更などもまったく不要。 装着したその日から手続き不要で、完全車検対応のギリギリのアップ量。 最高です! 値段は、まだ確定はできておりませんが、¥30,000前後定価を予定しています。 同じタイプのハスラー用が¥20,000なのですが、値段はあがります。 後ほど軽く触れますが、リアのアダプターが専用品になること、またハスラーはリアのみ車高を調整できましたが、今回はフロントも調整式にしたいからです。

クロスオーバーと謳っておられますし、スタイル的にも本当はスズキさんはこれくらいの車高で販売したかったのではないかと思うほど、ノーマル状態よりもしっくりきます。 車高の高さを抑えているのは幅広い年齢層の乗り降りなども考えた結果なのでしょうね。

一つ懸念されるのはホイルとタイヤ。 この車高にマッチするのがあまり無いとツライところ。 なので、その道のプロフェッショナルにSOS! それはモチロンKLC様!

KLC K-CARエアロ専門店 × L880コペン(オートサロン最優秀賞 受賞車)

XBEE、車高あげてみたんですが、なかなかタイヤハウスきついです。 カッコ良いタイヤとホイル、マッチングサイズなんて取れてますか?

「もちろん確認済みっすよ~。 ホイルは15インチの〇〇〇で、うちのホイルもOKです。 タイヤは〇〇〇〇さんの、〇〇〇-〇〇-〇〇でばっちり!」

サスガです。 だって前回訪問したときに、もう型取りすんでいたような感じでしたモン。 上げはまたあの超評判の良いアップサスが来るんだろうなあ。 ホイルとタイヤ、欲しい方がKLCさんにお電話を!

さて、こいつは、ミックコーポレーションさんにお借りしてリフトアップキットを作ったハスラーの画像。

ハスラーも良いクルマです! ただ、今の私なら、XBEE買っちゃいます。 理由は広くて速い。 ハスラーも軽自動車では破格の広さを持ちますが、当然XBEEは別次元。後ろの席、のったらヘタなセダンより絶対広い。 そして動力性能が恐ろしい。 軽く踏んでいても、1Lターボは恐ろしい加速を、静かにやってのけるので、気付けばトンでもないスピードになっています。 そして、デザインにも伸びやかな余裕があります。 本当はXBEEを最初にデザイナーが描き、ハスラーはそれを軽の枠におさめるように圧縮したのではないかと、感じずには居られない雰囲気がXBEEにはあります。 でも、軽自動車だからこその魅力もあるので、やはり単純比較は出来ない! どっちも欲しい…

XBEE開発中 & J’S RACINGでみかけたハスラー!

どちらにしてもスズキ、凄いです。 最近は、多くのメーカーがほとんどの車種の特に顔のデザインを統一する傾向があり、似たような車が多いのですが、スズキは個性があり、ワクワクするデザインのクルマが多い。

さて、リフトアップキット本体は、ハスラーと同じ方式を採用しました。

前後純正スプリングのまま、スペーサーでリフトアップします。

当社はスプリングでのリフトアップはしておりません。 理由は乗り心地と車高バランス。 スプリングを作る場合、当社の設計士が前後の車重と車高などから計算し、おおよその図面を工場に送り、試作品を作ってもらうのですが、乗り心地などの感性も含めたテストをし、ダメならまた試作をつくり…を繰り返すとかなり時間がかかってしまいます。

その上、乗り心地などを含めノーマルスプリングはさすが自動車メーカー。 凄まじい開発費をかけられており、良く出来ているんです(汗)。 ならば開発時間短縮をかねて純正スプリングをそのまま使えばいいんじゃないか!、ということで、スペーサー方式を採用しています。 決して他社のリフトアップスプリングを否定をするわけではないんです。 良い乗り心地とアップ量にたどり着くまでの問題を考えての判断。

しかも、この方式は思わぬ別の副作用があり、リアは車高調整が出来ます。 実はグレードによって車重が異なる場合、同じスプリングを装着すると、前後バランスが想定とは違うことになる場合があります。 それに、常に荷物を積んでいる人、また前上がり、後ろ上がりなどの好みが異なる人にも、リアが車高調整できるので、幅広い状況に対応出来ます。

XBEEのフロントのアップスペーサー。 どこまで上げれるか検証するのに調整スペーサー式にしました。 40mmスペーサーは一つの塊で作ろうと思っていましたが、30、35、40mmのスペーサー式、三段階調整にしても面白いかも(コストあがるけど)。

40mmスペーサーかませると、こんな感じです…

やりすぎたかな…(汗) 私がお客さんから「30mmアップはスプリングで飽和状態だから、もう少しあげれないかな?」という要望を、開発担当のマッドI氏に伝えたところ、車の構造に詳しい人の当然の意見として、

「自分の職業上、絶対にやらん数値だけどなあ… だって、ストローク殺すことになるわけやろ… みてみろよ、このマシマシ状態… スズキにこの純正ショックを何度も試行錯誤して納入しているKYBさんがコレ見たら、泣き出すで(笑)」

そうなんですよね、開発の人は論理的に考えますから。 でもその意見の究極の先には、「純正がベスト」=シルクロード廃業が待っていますよ(笑)。 サーキット、ドリフト、ラリー、ジムカーナなどの特定の環境で最高のパフォーマンスをだしたい、カスタマイズして個性を持たせたい、という声に応えるのがアフターパーツ業界の使命! こんな会話は日常茶飯事。 開発の現場や開発会議で、営業マンVS開発工場のバトルは日々続いています。

こちらがリア用のスペーサー。 純正スプリングに入れるだけ。 ネジを回せば車高が変わります。 装着時、私、トイレにこもっていて撮影チャンスを逃しました。 といってもフロントより簡単ですからね。 今回は、完全XBEE純正スプリング専用品。 ちょっとコストが上がります。

で、取り付け終了するや否や、試運転に。

理論派、純正部品擁護派の開発マッドI氏と、売れるものなら何でも良い、死の商人の私とで試乗ドライブにでました。

この道以外にも、高速で走れるところなどあったのですが、二人の会話がバトル状態になり掲載断念しました… ピー音だらけになっちゃったので。

40mmはやりすぎ、とっていたマッドI氏も、実際の走行では非常に快適だったようで、素直に、「アリだな」とのこと。 ただし、リフトアップはショックを伸ばさずに行う場合は、どんな方法であれストローク量が減っていますから、底付きまでの距離が速くなります。 今後、オプションでショートバンプラバーも作ろうかというところ。

その穴ぼこや段差にその速度でつっこんじゃだめでしょ、的なところでなけば、ノーマルと変わらない印象。 音なども皆無です。 前日、ノーマル状態で2時間くらい移動したときは、平坦な道でも妙にフワフワで、コーナリング時はちょっと怖い印象だったのが、しゃきっとしました。 素人推測ですが、純正スプリングは直巻きと違って、初期はやわらかく、徐々に固くなっていくレート設定だと思うのですが、その初期を圧縮することで殺すため、いきなり純正スプリングのマックスレートが発生している印象です。 でも、純正スプリングは決して悪いという意味ではありません。 万人受けを狙っていますから。 私のように、この素晴らしい1Lとは思えないエンジンパワーをどうしてもコーナーでも活かしたい、なんて思う人間には柔らかすぎるということです。 今回、スペーサーを入れたことで、ノーマルスプリングの快適性を、少しハードチューニングしたような良い感触となりました。

帰りに、マッドI氏の知り合いが勤める近所のスズキディーラーにお邪魔し、比較撮影させていただきました。

比較のため、タイヤ留めまでぴったり同じ距離突っ込んだ状態です。 同じようにみえますが、ミラーの位置を見ると変化がわかります。

フロントフェンダーのクリアランスを比較すると、やはりかなり変わっています。

後ろもかなり変わっています。

コレくらいかわると、ナカナカ迫力でます。 クルマが少し大きくなった感じがします。

さて、この型取り用のクルマを提供してくれた、イーカスタムさんにクルマ返却。 中央のロードスターは現在、発売前からロングエキマニが話題沸騰中のND5RCのデモカー。

「やっとおわったわ…」

え? 新型ロードスターのマニの量産!? 

「違う。コンテナの塗装や」

へ? もしかしてこれ全部自分で塗ったの?

「そらそうや、出来ることは自分でやらんと、お金いくらあっても足らん」

最近、突然広い敷地を活かして貸し倉庫業をはじめるといっていたけど、あのコンテナ全部ぬったんかい… 絶句… カフェテラスも作ってしまうし… 

「ちょっとこっちきて!」

こんな高いところ登ったの久しぶりだ。 落ちたら死ぬよ。 で?ナニ?

「いやあ、うちの敷地まだあるからさ、貸し倉庫に加えて他にも何かしたいから、アイデアない?」

ってか、登ってからこの屋根も全部自分でペンキ塗ったことのほうが驚き… コンテナ10台分… 駐車場軽く10台分以上だぜ…

そんなこと、貧乏人のサラリーマンに聞かれてもナァ。 ゴルフ好きだから、ゴルフの診断機入れて、ミニパターコース作って、会員制にでもしたら?

「ええな! オレ、ゴルフ好きやからやる気でるわ!! よし、名前をどうしよっかな~」

あかん、この人、やるっていったらホントにやってしまう。 頼むから新型ロードスターのエキマニの量産急いで… 注文もらってんねん… 最近、新商品の開発、なかなかの勢いだなと自社を自画自賛していましたが、この人に会うと、たいしたことじゃないように思えます… 気を取り直して頑張ろう…