S660エンジントルクダンパー 開発状況の紹介@SECTIONってどんな会社?

エンジントルクダンパーは、当社のイメージ商品の一つ。かれこれ20年ほど前に制作を開始し、2年後には実用新案を取得し、他社に類を観ない商品として、今なお販売しております。

年月の経つのは本当に早い… 当時私は20代半ばでした。今でもこの商品が生まれた瞬間の営業会議を鮮明に覚えています。当時、流行だったドラッグでFD3Sのシフトミスが多いということで、エンジンをリジッドにして装着していたショップが多かったのですが、当然ボディに大ダメージ。FD3Sはミッションとエンジンの構造が悪く、どうしようもなかったのですが、他のクルマもエンジンの動きのせいでシフトミスが発生していたことへの対策が求められていました。

つっかえ棒だとボディへのダメージが大きいので、ハッチバックなどのダンパー、産業用ダンパーを考えたのですが、減衰が弱い、熱に弱い、欲しい長さが無い。こりゃムリだな、って雰囲気の最中、社長が突然、

「ダンパー作ればええやないか。ダンパーやからといって中身がオイルで無いといけないことはない。ゴムでいける」

まさにコロンブスの卵。やってみればなんてことは無い構造。しかも耐久性も高い!

あれからもう20年です。今日は工場長がS660用の型取りに入っています。

この商品の型取りを出来るのは工場長のみ。当時、社長のアイデアを実際の形に起こした張本人。実用新案も工場長が独学で取得。この商品はただ装着するだけでなく、色んなノウハウが必要なので、この人しか作れません。

今でこそ工場長として技術も、知識も、貫禄もハンパ無いですが、すべて独学。入社当初は、自分の愛車のDR30の車高を下げたいからと、純正スプリングをサンダーで切り落とし、ドンドン車高をさげていって、気付いたらノーサス状態だったというおバカな若者だったんです。でも、持ち前の好奇心と研究熱心さで、当社の新製品の色んな新素材や商材を生み出す魔法使いのような存在。

位置決めをしたら…

コーナーシャーを使って器用に板を自分の欲しいサイズにカットしてきます。もちろんこの機械で指を挟むと、指がなくなります。

それを、あらかじめ提携先のレーザー工場でぬいておいたマウントに装着するフランジに溶接。

溶接も色んな資格を取得済み。工場は基本的にサンプルをワンオフし、それを一つ一つの部品にわけて、レーザー加工屋、溶接工場、ネジ工場、電着塗装工場など、地元の提携工場先で作ってもらい、当社で組み立てる、というアウトソーシング式です

でも、試作品を作るときだけでなく、提携先で制作されたものの品質確認をするためにも、自分たちの技術は磨いておくというスタンス。量産まで一括でできる能力はもった上で、普段は外注先で依頼という方法。

溶接が終わればバリ取りなどをします。

かと思えば、今度は旋盤で長いロッド状のステーを制作。その後も上記の工程で別のステーも制作。

タップを立て直し。

仮装着。

「あかん!エアクリボックスに接触してまう!やりなおしや!」

この後、延々上記作業を何度も繰り返します。特に最近のクルマはエンジンルームがぎっちり詰まっているので、数ミリの位置取りが重要。商品を生み出すって大変なんです。アメリカが、中国の知的財産権をめぐって怒っているのは、こういう製造現場を知っている人間からすれば当然のこと。量産よりも生み出すときが一番大変。

「一応、試作はできたけど、この角度がなあ… でもスペース上ここしか無い」

そうなんです。今回は車の構造の問題もあるうえに、シュピーゲルヘンミ部長から、

「そちらのトルクロッド(エンジンマウント)がエンジンの下側を強化しているので、トルクダンパーは逆に上に作るほうが、良い効果が発生するはずです」

とリクエストがあったうえ、ヨンヨンジーのヨシタクさんからは、

「やっぱ僕的にわァ、サーキットでの速さとおんなじくらいさァ、見た目のカッコ良さが無いとねェ。なので良く見えるところでシクヨロ!」

とワガママなリクエストをされていたのです。そんないろんな制約に応えた形として、ワタシからすりゃ超カッコイイですけど。

イイ!

凄くイイ!

!? ゲロ!? なんじゃこの汚れわ!? あ! そうだ、エンジンボンネットに純正で放熱用のルーバーの穴があいてるんだ… ホンダさん、これは無いわ… これって、超カワイイ女の子と初デートのときに、びっくりするくらい長い毛が、ノドに生えているのを観たような感じだわ。げんなり… ルーバー閉じるプレート装着しておいてください… 洗車するたびにこうなるんだ…

これからまだ走行テストなどがありますので、まだまだ完成には至りませんが、どうやら市販に向けてかなり前進。

左側の当社シルクロードに隣接する形のセクション。

シルクロードは今年創業44年ですが、セクションは詳しいことは忘れましたがその10年遅れぐらいだと思います。シルクロードの兄弟会社であり、社長は同じ。もともと、シルクロードはラリー、タートラショップとして産声を上げて間もなく、問屋業をはじめるのですが、問屋業をして色んなショップを訪問していると、「こんなパーツないかな」「このクルマの部品どこにも無くてこまっている」といった情報が集まり、それを製品化するために作られた会社。

シルクロードは問屋、つまり他社商品をおろし売りする会社なのですが、自社でオリジナル品を作るとなると、セクションで作るので、「セクション製」となるのです。

久しぶりに工場長の商品開発を見ましたが、魔法使いのようです。ワタシは特にシルクロードの中でも珍しく、クルマ好きではないので、普段から自分でクルマを弄ることはありません。そんなワタシから見れば、部品がゼロから生まれてくるなんてまさに錬金術。モノづくりって凄いな、と思います。

でも、そんな無能なワタシにも、立派な能力はあります。それはショップ様から色んな情報をいただく、という仕事。今回のS660のトルクダンパーもシュピーゲルさんとヨンヨンジーさんからのラブコール、具体的な商品内容、そして何より車両を貸していただくところまでお付き合いいただきました。

44G × 3UP × シュピーゲル S660と化学反応

こうやって商品が一つずつ、生み出されているのデス。っとカッコよく締めくくっている後ろで、社長が怒鳴っています。

「営業マンはとっとと外へ出て行け!いつまで社内にいるんじゃ!」

は~い…(´・д・`) 

 

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