色んな車種のバラエティに富んだパーツを製造販売しておりますが、当社のメインの一つはサスペンションとアーム。クルマの走行姿勢に関するハードパーツを主としています。
元々、ラリー、ダートトライアルで産声を上げた会社です。過酷な悪路で、クルマが飛んだり跳ねたりしますから、サスペンション周辺には高い強度、柔軟性、操作性が求められます。その経験を踏まえて車高調、アームを開発しています。
当社ではアーム類は原則すべて、公的な証明力を持つ工業試験所にて破壊検査をしていただき、純正品と比較し、当社製品の強度向上の参考にさせていただいております。
お客様に安心して当社製品をご利用いただくために無償添付させていただいています。なお、この破壊検査結果があれば、本来、車検ではNGとされているアームを交換したクルマの改造車検、公認車検の申請に使用することも可能。
クルマの部品は、車検においては原則、純正以外の交換は禁止されています(消耗品はOK)。ただし、例外があります。指定部品です。国交省が軽微な変更として一定の条件下において部品の交換を認めるものです。ルーフキャリア、エアロ、フェンダー、車高調などが指定部品に含まれます。車高調やダウンサスが車検を通るのも指定部品として認定されているから。
指定されていない部品は原則交換NGになる場合が大半。当社製品ではアーム類、リーフスプリングなどが該当します。(リフトアップ用の増しリーフについては基本的にお咎め無しで車検OK)
2012年の発売から好評が続くFT86のリアロアアーム。リアの懐が狭く、ホイル装着にはキャンバー調整が欠かせないFT86、BRZですが、アーム交換で車検アウト!
とはいえ、指定部品以外の部分でも、検査官に強度と安全性を証明できる場合は、構造変更という手順で例外的に改造を公認してもらえます。これが構造変更と呼ばれるものです。
手続きとしては車検とは別の日に陸運局に予約をとって、検査官と打ち合わせとなります。その際、破壊試験結果はもちろん、各種様々な書類と数値で、強度証明をすることになります。
そして不備があれば落第。車検は通りません。
経験豊富なショップさんなら対応できますが、書類作成に加えて、検査場に最低2回は行く事になるのですから、それは費用としてユーザー側に跳ね返ります。ショップ様も費用をもらっても、そのために半日から丸一日潰れるのは正直ツライ場合もあるでしょう。また、不備があって再審査なんてなれば最悪です。
そういったわずらわしい時間と不確定要素を一発で解決してくれるのが、この事前申請済み書類。
地元の陸運支局に、当社商品の強度を様々な書類とともに申請し、協議を重ね、問題が無いと判断していただきます(これが非常に厳しいんです、当たり前ですが)。すると、当社の書類が添付された商品については、他の陸運支局でも事前申請無しに、構造変更の対応をしてもらえるというものです。
(もちろん、車検においては最終判断は現場の検査官にゆだねられておりますので、100%保証はできません。現在のところ、問題も出ておりません。ただし、制度、ルールは突然の変更もありますので、その際にも対応出来ない可能性はあります)
当社のFT86用のロアアームの人気の秘密はコレ。ナックルの装着位置をずらす事が出来るんです!リアショックのストロークが不足しやすいFT86ですから、ほんの僅かなストロークアップが、乗り心地や、セッテイングに大きな影響を及ぼします。
千葉県でトヨタ系のチューニングで有名なカーメイクRASTYの有田社長との共同開発。開発した当時は、D-1で織戸選手も装着してくださっていたそうです。
http://www.rasty.tv/86brz/parts.html
そして、その後、さらに進化させた2種類のロアアームも追加しました。
http://silkroad-jp.com/portfolio-2/footwork/foot_arm/arm_toyota/arm-zn6
機能、強度は保ったまま、コストダウンに成功したTYPE-oとTYPE-oNです。性能もそのままですし、アーム類はすべて当社の工場セクションと近隣の協力工場様ですので、100%安心のメイドin日本!
ピロロッドエンドは消耗品として、単品補修交換も対応していますが、FT86発売当時の2012年後半から売り始めて、はや7年近いですが、補修依頼もほとんどありません。このロッドエンドも安心のメイドin大阪から供給してもらっています。
ゴムブーツを装着していることが重要。これが無いと、異物がかみこんで、寿命が著しく下がります。
トー調整のための、トーロッド。こちらも指定部品ではないので改造車検の申請が必要。もちろん、当社では事前申請済み書類をご購入いただけますので安心。
こちらは主にキャスター調整などが可能なテンションロッド。ただ、現在のところ、テンションロッドはアーム類よりは比較的、負担する過重が低いという認識のため、原則書類無しで車検を通ります。破壊試験は行っておりますので、破壊検査書は添付されています。
なおテンションロッドは2種類あり、ストレート形状は主に車高を下げた場合に最適化されており、この屈折タイプは車高をあまり下げずにストロークを重視したセッティング用として開発いたしました。
その他、車高調を装着すると大抵必要になるスタビリンク。片側はピロですが、反対側を強化ゴムブッシュにすることで、快適性にも配慮しました。
フロントのロアアームは設定していません。筑波でFT86の発売後、早々に57秒台をたたき出したRASTYの有田社長から、
「現時点では、個人的には必要を感じないな。アッパーマウント側でキャンバー、キャスターを微調整すればいける。」
と説明いただきました。
「ただし、純正だとサーキットで大きな衝撃が入ると曲がってしまう事があるから、強化プレートは欲しいね」
ということで、補強プレートを発売させていただきました。今後、FT86がサーキット上で更なる進化を遂げて、必要になったときには、フロントロアアームも開発するかもしれません。
構造変更の申請済み書類の販売を強く提案してくれたのが、3UPの三上さん。
「ドリフトでもちゃんと公認を取った車で走りたい人は多い時代です。それに、ショップ側だって、車検場に行って並んで帰ってくるだけで半日、最悪は丸一日喰われちゃうんです。そこに公認書類を取るために更に一日追加となると、お客さんにどうしてもコストを転嫁しなくちゃいけないんです。是非、作ってみてください。」
というアドバイスから始まりました。
メーカーという立場からだけでは見えないことあるんだ、と気付いた瞬間でした。
FT86、BRZは、現在新車で販売されている貴重なFR車。日本車のスポーツカーだとロードスターの2台のみ(と思います)。絶滅危惧種ともいえます。スープラがでますが、正直な気持ち、「ちょっと違う」んです。
FT86もギリギリアウトな価格ですが、それでも中古車がこなれてくると、若い人にもなんとか手が届くところが良い。
夢はあるけれど、35GTRやスープラでは高額すぎて、楽しめる人が少なくなってしまいます。
近年、軽自動車によるサーキット走行や耐久レースなどが大変盛り上がっているのは、参加者が気軽に参加でき、エントリーが増えたことで、競争相手が増えて、余計楽しくなるのです。そうなるとギャラリーも増えます。
超高性能な高級スポーツカーの争いももちろん魅力的ですが、参加台数は限られてきます。個人的に買えない、という妬みもありますが(笑)、イベントやレースでは、たくさんのライバルや友達と切磋琢磨するのが楽しいですし、ギャラリーも多いほうが嬉しいもの。
とはいえ、自動車メーカーはメリットの無いものは作りたくても作れないもの。FK8シビック、35GTR、スープラのほうが現実的なブランド価値の向上、商売としての利益があるのでしょう。
当社としてできることは、今、目の前にある貴重なFR車、そして、旧車、ネオ旧車として生き残っているスポーツカーたちが気持ちよく走れるパーツを一つでも多く生み出し、スポーツカーを愉しむ人たちが増えるための一助となり、最終的にメーカーさんたちにもこういう市場の重要さに気付いてもらえたら、とささやかに願っております。