スピンドル式車高調 制作キット with KYB 日本製への拘り

AE86、サニートラック、GX系、S30、歴代スカイライン、シーマ、セドリック、グロリアなどの名車たちが抱える問題。

それはスピンドル式ストラット。

この方式のサスペンションの場合は、基本的にはネジ式車高調にするしかありませんでした。当社も過去、純正ショックを加工した車高調キットを30年以上前から発売しておりました。

ネジ式車高調の弱点は車高を下げていくと、底付き問題が発生し、乗り心地と走行性に悪影響。また、車高の下げ幅も限定されます。

現在主流の全長調整式車高調にすれば、車高もしっかり落とした上で、底付きから開放されるのに!という要望にお答えしたのが当社の汎用RMキット。

http://silkroad-jp.com/portfolio-2/suspension/project-suskit-uni

これを使えば、旧車のスピンドルストラットも…

じゃ、じゃーん!美しく全長調整式車高調に変換!20年近く販売が続くベストセラー商品。

色んな工具が必要ではあるので、基本的にショップ様に依頼すべきですが、加工内容は複雑ではありません。

これはAE86フロントの施工例。

当社にも施工依頼はあります。基本的にはお取引の長いショップ様のみ、営業マンを通じての限定的な対応をさせていただいております。

どのようなスペックにするかは、ショップ様から数字などでリクエストしていただいております。

また、その他必要となるアッパーマウント類もご購入可能。大半の車種データは持っており、ご注文いただいてから1セットずつ、制作しています。つまり、完全にメイドINセクション(当社の工場)。

これは、車高調の部品の一つ、スプリングを受けるネジの皿。

こういった細部にいたる、ほとんどすべての部品を自社生産。

旧車に人気の、上ダイヤルでストラットに使用可能なショックアブソーバーは、お付き合いが40年以上となるKYB様のものを使っております。

けれど、KYB様でのOEMショックにはいくつかの限界があります。一つは長さとストロークのバリエーションが限定されること。異なる要求に対応すべく、当社のオリジナル品には上記以外にも様々な長さや形状のものが揃えられています。

また、KYB様のOEMショックは、オーバーホールや減衰力変更ができません。KYB製は中の構造やパーツに秘匿義務があり、バラでのパーツ供給が不可。

当社は、ショップ様からの減衰変更を含めた様々な要望に対応するためにも、KYB様のOEMショックだけでなく、自社製を多数そろえ、日々、オーバーホールや減衰変更の依頼に対応をしています。ショックアブソーバーは複雑な構造ですので、すべての部品を内製はできませんので、一部、外部からの供給を受けています。

コストを考えると、正直、やりすぎです。正直なところ、海外製の品質の高さと値段を考えると、自社製、内製にこだわりすぎるのは懸命ではありません。

ただ、不器用な当社としては、他社から丸ごと購入したものを販売すると、中身に責任が持てないし、お客様の様々な異なる要望に応えるのに不自由を感じ、自社製を続けています。

発売当時の20年前は、全長調整式はレース関係者のみが使用する程度で非常に高額だったそうで、当時¥159,800~¥198,000で発売したときは、安い!という印象さえあったそうです。

時が経ち、現在ではその価格は超高額。5~9万円というのが実勢価格。

市場価格にそぐわず、どんどん売れ行きが悪くなっている車高調を売り続ける事に社内では廃盤の話もありました。そんな時に、当社代表がこういいました。

「出来ないことの言い訳は、人間、いくらでも沸いてくる。それは営業マンが売れない時の言い訳も同じ。大切な事は、やろう、という気持ち、どうしたらいいのか考える事、そして行動すること」

といって、例えに出したのが上杉鷹山(うえすぎ ようざん)の名言。

「為せば成る、為さねば成らぬ何事も、成らぬは人の為さぬなりけり」

結果がでないのは、やろうという意思が無いから。強い意志を持って行えば必ず実現する、という意味だと説明してもらい、精神論がキライなワタシがなぜかこの言葉には共鳴しました。

そして、どうしたらいいのか悩んでいるときに生まれたのがコレ。

S15/R34 Drift SUSPENSION kit by 3UP 共同開発車高調キットシリーズ

特定の車種やジャンルで活躍しているショップ様に、車高調の開発に協力いただくシリーズ。地元の天理スタミナラーメンが、インスタントカップ麺で販売されていたのを見た事で生まれた発想でした。その一つが3UPさんとのコラボ車高調。

RMA8という名称だった車高調の名称を、RMSに変更しました。RMは倒立ショックの当社内名称を表していますが、Sはスペシャル。

車高調を漫然と、

「車高が下がって、調整できて、そこそこ乗り心地よければいい、とにかく手当たり次第に車種設定増やせばいい」

と作るのではなく、各車種ごと、どのジャンルで使用されるかまでを意識して作った、スペシャルという意味がこめられています。

軽自動車の耐久レース用であったり、ホンダN-ONEカップ認定だったり、ドリフト、サーキットなどそれぞれのジャンルのスペシャリストと一緒に作り上げたりと、まさにスペシャル。だからなかなか追加車種が増えない(笑)。RASTYさんがテストしてくださったFT86用の車高調は、いまだに発売開始に至っておりません(汗)

けれど、一発入魂で作られたRMSシリーズの良さのご理解をいただけるようになってきており、HA23アルトバンの車高調ひとつとっても、「上位入賞するなら必需品」といっていただけるまでになりました。

こうやって見ると、見栄えも地味。でも、表面耐久性のために黒カチオンを選択しており、使っていただいて良さをわかっていただきたい、という中身重視の真っ向勝負!

そして車高調をやめずにいたおかげで、軽トラックやジムニーなどのリフトアップキットの開発がスタートしましたし、面白い事に、ハイゼットやキャリーのローダウンキットのフロントに、全長調整ではなく、昔ながらの全長固定キットを採用したところ、これが評判が良いんです(笑)。

旧車、ネオ旧車の人気がますますヒートアップしているようです。その背景にはノスタルジックな気持ちだけでなく、若いひとたちから見て、クルマがとても魅力的であることもあるでしょう。かっこいいクルマの基本は、やはり、ビシッと決まった車高とホイルとキャンバー!是非、当社製品をご利用ください!