L880コペン アクスルリジッドキット スタビブッシュの復刻

L880コペン、むかしから人気でしたが、最近、リバイバルブーム。

軽自動車ながら、抜群のスポーツルックスに加え、LA400の登場で価格がこなれたことが大きな要因。

なのに…

なのに、申し訳ないことに、現在、L880用パーツすべて廃盤…

中でも、もっとも悔やまれるのが、リアアクスルリジッドキット。

http://silkroad-jp.com/portfolio-2/footwork/footwork_accrigid

軽自動車の大半は、リアがアクスル式。

日常の走行シーンでは良く考えられた方式ですが、スポーツ走行や高速道路では、リアがよじれ、コーナリング、レーンチェンジの際に不快な動きにつながることがあります。

ましてやコペンはスポーツカー。リアアクスルのよじれは、ちょっと問題。

当社のアクスルリジッドキットで、直進性やコーナリング性が改善されますが、ここにきての販売調整(実質廃盤)…

イチ番の理由は、製造原価の高騰。

最後のロット販売時は、販売量が急増。お店からも、

「販売中止は困るなあ… 元々アクスルブッシュのよじれが酷いクルマなのに、中古車だとさらに悪化してるからサ、試乗したときの印象が悪い。説明してこの製品を取り付けるケースが増えているんですよ

さて、会社に戻ると私の愛車ハイゼットカーゴちゃんに、新作テスト品が装着中でした。

何を装着するんでしたっけ?

「おまえ、直進安定性が悪いっていってただろ?」

ええ、だから試作品のアクスルカラーを入れてもらってましたよね。

http://silkroad-jp.com/portfolio-2/footwork/footwork_arc

それと、L235レース用車高調のKYB特注ショック。

あれで、直進性が激変。もうあれで、OKっすよ。

早く量産品を販売したいんですけど。

 

「試作品のカラーを外したら、こんな状態や。ハイゼットカーゴは純正アクスルブッシュが柔らかく、予想以上の暴れっぷりや。入力を面で受けていない。一部が大きくえぐれている。効果はでているが、このままではカラーの耐久性と効能が低下してしまう」

「その替わりに、これを作ってみた」

なんじゃこれりゃ!?

いったい、どこに、どう装着するの!?

「ここ。これで、リアの柔らかいアクスルブッシュとは別に、強化ブッシュをもう一箇所、追加した状態になる」

装着完成を見ると、ウォー!かっちょいい!

関西弁でいうと、「なんかわからんけど、よさそうや!」って感じ(笑)。

で、この後、走ってびっくり。

KYBショック+アクスルカラー以上の操作性と直進安定性の向上!

完全ノーマル状態に、このリジッドプレートのみの装着で、両手離してもまっすぐ走り続ける安定性と、シャープなコーナリングマシンに変貌!

ちょ、チョ待てよ!(キムタク@グランメゾン東京風 あのドラマ超面白いっス、アンチジャニーズなんですが)

ってことは、同じものをコペンでも!?

「それは無理。同じアクスルでも全然構造が違う。でも、同コンセプトで作れないか思案中や。そうすれば、コストも下がる可能性がある」

L880コペンは、L700あたりと同世代の、3世代くらい旧いダイハツシャーシ。見た目は今風ですが、走りに関しては相当なアップデートが必要。

リアは先ほどの説明したような問題があります。そして、フロントにも問題を抱えています。

フロントスタビライザーがテンションロッドの役割も兼任しており、かなり無理のある構造。その対策品であったスタビレステンションキットは、すでに廃盤。

http://silkroad-jp.com/portfolio-2/footwork/footwork_820-i0i

フロントスタビライザーを取っ払って、補強バーとテンションロッドに換えてしまう、”スタビレステンションキット”ですが、マニアック過ぎて廃盤にしました。

同時期に、純正スタビブッシュを強化ゴムに交換する、強化スタビブッシュも廃盤になりました。

最近、コチラの復刻を願う声も増えているようです。

「クルマが古いので、スタビブッシュが死んでいる個体が大半。純正新品に交換するだけでもかなり変わるのですが、元々が構造上、強化品にしたほうが良い車。なんとか復刻できませんか?」

やってやろうじゃないか!こちらは、クルマが旧くなったからこそ、必要となるパーツですからね。

ということで、製造工場と現在交渉中。

 

面白いタイミングで、JAWS山本さんから電話。

「L880コペンのタービンキット、いよいよ今月末くらいに納品できますよ!」

マジッスか… 開発スタートして、一緒に販売しようといったのが、2017年の春。もう3年ほど前。

新商品を作るって本当に大変なんです。時間もお金も労力もたくさん必要。

だからこそ、せっかく生み出した商品を廃盤にはしたくない。だから、復刻への熱烈コールには極力応じたい。

L880コペンには、強い思い入れがあります。

17年前の、2002年発売されたコペン。

営業に出始めた駆け出しのころ、ミックコーポレーションさんから、「クルマ買ったけど、何か作る?」といわれ、大切なクルマを預けていただき、商品開発をする、という経験を初めてしました。営業マンとして信頼いただけた、と感じ、嬉しかった。

乗って帰る途中、ほぼ新車なのに、クルマ酔いしないはずなのに気分が悪くなり、開発に相談したことがきっかけで、サスペンション関係の製品が生まれました。

今、改めて、復刻の要請があったことが嬉しい。

何より、旧くなったクルマを愛しつづける人たちの存在が嬉しい。

 

L880を山岡自動車さまにお借りすることも決まったので、パーツの復刻や新製品開発、ご期待ください!