冒頭の広告、恐ろしい日付です。
今から17年前の平成12年に、広告業者さまにREVスピード誌への広告掲載依頼しているFAXがポロリとでてきました。
ワタシは入社して間もない頃でした。この商品の販売はそれ以前の20年ほど前からのようです。
それまで非合法だった車高調、そもそもダウンサスも、KYBのNEW SRなどの純正形状すら、一般走行での交換はNGだった時代から、20年ほど前に解禁され、そこから現在まで車高調が極身近な、チューニングやドレスアップの入門商品と位置づけまで一気に身近になりました。
それ以前は、当社でもごく一部の本当のレーサーたち、ラリー、ダートトライアル、ジムカーナ、サーキットでの本気の人たち向けの「一般使用不可」とシールを添付しての販売でした。
20年ほど前に入社したとき、ちょうど、車高調が道路交通法上、合法になり、当社はパニック状態でした。というのも車高調のバックオーダーが天文学的な数字で、工場内で組んでいても間に合わず、今だからこそ告白しますが、一部は枯葉舞い散る路上で組み立てをしており、私は完成した車高調キットが数百台、路上にずらっと並んでいる箱の中から、枯葉などのごみを取り出し、ふたをする作業を毎日延々としていたことを、つい昨日のことのように思い出しましす。
当時は、当社はまだまだワゴンに車高調を組むヒトが「バカ?」といわれている時代でした。シルビア、スカイライン、シビックなどの全盛期で、ワゴン用なんて提案したら失笑を買う時代でした。
当時、若かった当社社長が、関東の営業同行した際、一軒家に家族と同居する若者が、自分の部屋代わりにワゴンを利用し始めているという情報を収集し、ワゴンを部屋として認識する若者向けの商品としてワゴン車高調を提案しました。これが大当たり。
ワゴン用車高調を発売同時に、当時の某有名ブランドさんなどがこぞってOEM供給の依頼をいただき、ワゴンのリアラゲッジになぜか水槽を入れて(ありえない…)ナンパしにいくワゴン族が流行る下支えにもなりました。
カロットシリーズという名前で、リアを当時はほとんど存在しなかったエアサスショック(MONROE製)仕様で販売したものも、一世風靡しました。「カロット」という名前を覚えているヒトは変態であり、間違いなく40代以上でしょう。
その同時期くらいから、超々高級な、エンドレスさんなどがレース用として途方も無い金額で販売されているものしか存在しなかった全長調整式の車高調も販売開始しました。これが今残っている資料からみると1999年で、おそらくそれ以前から販売スタートしていたと思います。
当時定価で¥159,800 (当時消費税は確か3%)でしたので、市場に衝撃が走り、こちらもまたシルビアなどのドリフ用、シビックのレーサー用としては恐ろしく売れました。
当社は創業時から長年、KYBさま、TOKICO様にご協力いただきさまざまなOEMショックを製作しております。レースをしていたこともあり、減衰力設定なども相談させていただいたノウハウを活かし、20年ほど前からは一部ショックを自社製品で開発してきました。
その理由の一つは、メーカー様はショックの減衰力や長さを設定する際に独自基準をしっかりともっておられ、当社が希望するサイズや仕様の中にはそれを逸脱するものがあり、製作できないという問題もあったからです。
KYB様に試作してもらったS660用ショックは、もともと厳しいフロントの懐具合もあり、あと少し短くしたいのですが、厳しいようです。こういうことがメーカーとしては車内規定などから難しいのです。
シュピーゲルヘンミ様はお気に入りでしたが…
ですから当社は自社生産のショックアブソーバーと国内メーカー様のOEMショックを同時に仕様に応じて今もなお同時に使っています。
当社は営業マンがショップ様とひざを突き合わせることを主体としており、取引以上にさまざまな情報をいただきます。”今のお客さんは足回りでこんなことでこまっている” ”この車種用の足が無い” ”乗り心地よりタイムを優先したい” ”市販品じゃ車高が思ったほど落ちない” ”スプリングレートを高めにしてほしい” ”減衰は伸びと縮みを両方変更したい” などなどです。
そして特定のレースやイベントに参戦しているお店と相談して開発しているのが、現在のRMSシリーズです。
どの車種も、特定のショップ様、そのクルマのプロフェッショナルとやり取り、テストを重ねて販売しているものです。名前を公表していただけているお店との商品はコラボとして名前を記載しておりますが、そうでないものは、あくまでお店様が望まなかっただけで、しっかりとその道のプロに相談をして製造させていただいており、そのため、ラインナップが非常に狭くなっております。
日産車のドリフト用車高調は、ほぼ全て3UP様に依頼し、実践でも青森の小橋選手、愛知の三好選手、新見選手にも実践投入していただき、成果を挙げています。
http://silkroad-jp.com/portfolio-2/suspension/project-suskit-rms
もちろん完全量産品で、その人たちが実践では専用のスペシャル品を使っているわけではありません。(リアショックの減衰は、3UPさんから購入時にスペシャル仕様といえば、減衰変更してもらい、同じものが販売可能です)。
市販品=実践仕様品 です。
またリアショック開発のテストをCAD CARSさんに手がけていただいた軽自動車のHA23アルト用車高調も、たくさんのお客様に購入いただき、各レースでご活躍いただいていると聞いております(同時に世間では金額が高いとも言われているようですが、軽だからといってシルビアなどとつくりはまったく一緒で、冥土IN奈良県+KYBショックで、こちらからすれば儲けはほぼありません)。
その派生として、さらにレース用に独自の味付けを特化したシュピーゲルさんのWINNERS RUN。
そしてアルトワークスFF車には装着不可能
HB21アルトワークスFR専用の特殊マウント、リアスペシャルモデルはJAWS山本さんから発売いただいております。
どちらもさらにとがった仕様で、それぞれがテストしておられる商品ですので、直接購入しか出来ません。
他のRMS,RMS-Kも同様、適当にショックを組み合わせて作ったものではなく、車高、減衰などは本当に何度もつめなおして最適なものを販売しております。
そして、本当はすでに発売開始してなければならない、FT86,BRZ用の車高調、RASTYの有田社長にようやくOKをもらえたのに、価格面で今なお販売に至っておりません。いくら良い商品だからといって適当な金額での販売はできない、という方針で時間がかかっておりますが、商品性能は相当良いものになっており、なんとか年内販売にはこぎつけたいところです。
その他当社の隠れたベストセラーには、旧車用の車高調製作キットがあります。
http://silkroad-jp.com/portfolio-2/suspension/project-suskit-uni
AE86などの旧車は、フロントがスピンドルになっている車が多く、全長調整が基本不可能で、昔ながらのネジ式車高調が多いのです。その欠点は、車高を大幅に下げる際のストローク不足による底付き。単純に言えば、ダウンサスをいれての底付きと同じです。
全長調整ならストローク確保を下うえにさらに調整シロが増えるのですが、スピンドルがあるために、通常の販売方法では不可能です。スピンドルまで作って販売するとコストがかかりすぎるのです。(一部存在しますが)。
当社では、加工前提の汎用全長調整キットを販売しており、最近ではKYB様のご協力で、フロントストラットなのに、ちゃんとダイヤル調整ネジがアッパーマウント部に来るように設計されており、これが旧車ブームを受けてひそかに売れております。
AE86のリアショックも隠れたベストセラーです。最近のミニバン同様、リアショックとバネが別々になっているこのクルマでは、入れるリアスプリングの長さによってはショックが底付きを起こしたり、バネが遊んだりします。それに対して、当社のリアショックは全長調整なので、リアスプリングの長さに柔軟に調整が可能なのです。
http://silkroad-jp.com/portfolio-2/suspension/sus_1ab-d02
久しぶりに、クソまじめに、ダラダラ長い解説になりましたが、言いたかったことは、買ってください、ってことです(笑)。
ちゃんと考えて作ってます!
もちろん海外製の安いものは、まったくバカにならないくらい非常によく出来ているものが多いです。値段も安いのに、品質も相当レベルアップしております。
けれど、日本製の良いところはお客様の日々変化する仕様や要望に、ドンドンこたえていくことにアリ、しかも当社にたくさんのショップ様が色んなヒントを下さります。そういう意味でも、ぜひ興味をもっていただけるなら、最寄のショップ様にご相談いただければ幸いです。