この数年、需要が一気に高まったスタビリンクロッド。
当社では汎用品、専用品ともに人気商品です。
FT86、BRZをはじめとし、ロードスター、インプレッサなどのスポーツカーのチューニング用はロングセラー。ピロタイプになります。
http://silkroad-jp.com/application/files/3515/0061/8892/170721.pdf
それに対して、この5年くらい、特にローダウン、スタンス、極低といったジャンルがドレスアップで流行りだし、人気が高まっているのがこの汎用タイプ。
当社では長さを4種類、そしてほぼどの国産車にも対応できるカラーをオプションで用意。
http://silkroad-jp.com/html/pdf/slink2.pdf
ピロタイプは国内有名メーカー品を使って製造してます。ですので耐久性は抜群。
汎用タイプはドレスアップ用なので、ピロタイプだとどうしてもハードなイメージがあるので、純正同等品のロッドエンドを某有名メーカーさんから調達して製造しています。
純正同等品は日本国内の車高調メーカーさんだと同じ部品を使っていることが多いほど信頼性が高いのですが、最近のドレスアップ車両は、ただのローダウンではなく、一部にはスポーツカーばりのパフォーマンスを兼ね備え、車高も低くばねレートもサーキット仕様に負けていないものが増えてきました。
また、最近ドレスアップやチューニングが加熱しつつある外車は国産車両とは足回り構造が違うものが多く、一部はサスペンションやアームにかかる負荷が国産車両とは異なるものが多いのです。
そうなると、従来の国産車両向けの純正同等品では耐久性が厳しくなるものも例外とはいえ出てきました。当社としては、「純正同等の品質と強度を保っているのだから、それを逸脱したものは関係無い」といえなくも無いのですが、会社の方針として「より速く、より安全に」と謳っていることもあり、そういうニーズがあるなら対応したいという話になりました。
この流れからとある国内のピロボールメーカーさんが、「共同開発しますか?」とオファーを下さりました。普通、こんな話をこういうメーカー工場にお願いしても、純正アフターの製造量からすれば相手にしてもらえることはほぼありません。ただ、当社の工場セクションの工場長との付き合いが長いことから、設計なども含めて色々工面してくださり、試作品があがってきたのです。
触ってみれば、起動トルクの硬さからもすでにこれは「イイ!」という手ごたえがあります。けれどテストはしなくちゃいけない。今考えうる一番過酷なテストは、外車でかなりのローダウンで、しかもエンジンまでやっている車両… そんなん無いよな…
……
いたゾ! BALANCEさんだ!
あそこにイカれたゴルフのデモカーが2台もあったゾ! そしてテストしてくれるのは、Mr. ZAKI氏だ!
ZAKI氏は、国内の某有名車高調メーカーで20年以上開発の中心部にいて、数々のヒット商品を生み出したサスペンションマイスター! スプリングを巻く機械を大昔、ドイツから日本に持ってきて使い方をイチからマスターした経験もありますし、ショックアブソーバー、車高調などは設計図から最終仕上げまですべて経験し、理解し、自分でもできてしまうヒトです。
その経験をショップ業で活かしたいと思った矢先に、BALANCE AUTOの水島さんと運命の出会いをした人です。水島さんが生前、私にも「ZAKIさんの出会いが人生においてとてつもなくデカイです」といっていたほど。
水島さんを失い、立て続けのイベントで二人分以上の仕事をこなし、忙しそうなZAKIさんにおそるおそる「あの…」とエンドをもちながら近づくと…
「いいものもってルじゃないッスか! フリ角は従来品と変わらないが、起動トルクいい感じだなあ… ちょうどスタビリンクで悩んでいたところです。これ在庫あるんですか?」
やったー!
テストに協力いただけないかとお願いにきたんです。一台分のプロト、お願いしてイイですか?
「もちろん! ゴルフは今までやってきた色んな車の中で、どういうわけかサスペンションのアチコチに負担がスゴイことがデモカーを通して分かっており、対策をしたかったんですよ」
このZAKIさんとともにBALANCEを支えるイッチーさんのハイパワー車両でテストとなりました。
見ただけで怖いです。スタビリンク千切れないだろうな(笑)
生前に水島さんが一番楽しみにしていたイベント、ホイールインパクトが無事終了した直後で落ち着くまもないのに、テストOKしてくれました。
このスズキキザシ、ありえないカッコよさ。水島さんのセンスが存分に活かされています。
https://ameblo.jp/balance-ap/entry-12313835203.html
水島さんとお別れしてからもバランスオートは盛況です。とにかく作業と問い合わせでずっと処理に追われているようです。
恐ろしくデカイホイルがころがってるな…
と、上を見上げると巨大なアメ車がぶら~ん
エアサスの不具合の対応だそうです。
水島さんがZAKIさんに惚れこんだ理由のひとつが、とにかくどんなクルマのどんな足廻りも対応できること。車高調、エアサス、アーム、そして日本車だけでなく外車も。表の水島ワールドとしてのカスタムカー制作のサポート、裏ではさまざまなクルマの足廻りの駆け込み寺。どちらも出来るのがZAKIさん
バランスのブログは今日も面白ネタと作業内容が満載。
水島さんがまだ居るような気がしてしまいます。
ショップの中でもZAKIさんと1階でおしゃべりしてから2階に上がると…
「ひさしぶりっす。やっとシャバにでてこれました」と、病院からもどったら必ずいうセリフを、ちょっと視線を斜めうえにずらし、遠くみながて照れ笑いしているデスク姿が見れそうな気がします。だから今日は2階にはあがりませんでした。
帰り際、どうしてもちょっと涙腺が緩んでしまいます。
「水島さん、みんなスゴイ勢いで頑張ってましたよ~。またきま~す」