スピンドル車高調 旧車/ネオ旧車 with カヤバ(KYB)

サスペンションメーカーを、長年悩まし続けてきたのが”スピンドル式サスペンション”。

AE86が有名ですが、ネオ旧車、旧車ではセダンやスポーツカーなどで幅広く採用されていた方式です。最近流行りのネオ旧車、旧車ではお困りになることが多いことでしょう。

なぜなら、純正スピンドルを使って作ることになるため、純正下取り、もしくは送り込みが原則必要になるからです。(一部スピンドルごと販売というのもありますが)

 

これらの車種については、昔はネジ式車高調がポピュラーでした。しかし、全長調整式が主となった現在、ストロークとバネレートを変化させずに、車高だけを自由にセッティングできるその魅力が周知となると、スピンドル車でも、なんとか全長調整式を装着したいというのが人情。

また、ネジ式は、車高を下げるためにストロークが犠牲になり、乗り心地が悪く、底付きをしているものも多い。一定の車高以上に下げるにはバネが遊ぶことも。

そこで当社は20年ほど前からスピンドルを全長調整式に変換するキットの販売を開始しました。

http://silkroad-jp.com/portfolio-2/ae86/project-suskit-uni

 

 

 

このネジボスを、純正スピンドルのショックを切って、付け替えることで、全長調整式にヘンシ~ン!

 

 

 

 

こうなってしまえば、あとは好きな長さのショックアブソーバーと部品を組み合わせると…

 

 

 

 

立派な全長調整式に生まれ変わるのです。

 

 

 

 

 

 

 

当社の魅力はショックアブソーバーの選択肢が多いこと。フロントのストラット用だけでもこれだけあり、減衰力違いもこれ以外にあります。また、正立式もたくさんあります。

 

 

 

 

また、旧車におススメなのがこのKYB様に製造していただいているショックアブソーバー。減衰ダイヤルが上側なのでダイヤル調整がしやすいのです。ただし、KYB様の社内規定上、作れるショックアブソーバーの長さやスペックには規制があり、また当社工場内での減衰変更ができないので、当社ではKYB様と自社製の組み合わせで、使い分けしています。

 

 

 

AE86のリアは専用ショックを発売中。

ロングセラーです。

http://silkroad-jp.com/portfolio-2/ae86/sus_1ab-d02

 

 

 

こちらはなんと、AE86のリアをコイルオーバーにしたレース用キット。ピロアッパー(鋳物)まで装着されています。

値段は結構しますが、セッティングが非常にしやすいのが特徴。

http://silkroad-jp.com/portfolio-2/ae86/sus_ae86coilover

 

 

当社は創業当時の40年以上前からサスペンションに取り組んできた会社です。当時のラリー、ダートトライアル用に、KYB様とのお付き合いがはじまり、現在に至るまでずっと関係が続いております。私が入社した20年ほど前も、当社のオリジナルの減衰力と長さで作っていただいていたOEMショックアブソーバーが、コンテナでドカンと、納品される日は、必ず腰が壊れていたほどでした。

 

 

 

ただ、20年ほど前から同時に全長調整式をやると決めたことで、当社はショックアブソーバーの自主生産の必要に迫られました。当時は全長超正式はあくまでプロのレース車両の一部に使われていたものであって、市販品としてはほとんど存在せず、価格も50万以上は軽くするものだったのです。

それを、一律¥159,000で量産、発売をしたときは恐ろしい反響でした。当時、ちょうどドリフトブームが異常に盛り上がり始めかけていたことも重なり、製造が追いつかない状態が続いていたことを覚えています。

この頃、雑誌などにも宣伝をしていた時期でした。ネーミングをどうするのか、どのクルマの写真を使うのか、社内ですったもんだしていたことを思い出します。

 

 

自社生産を始めると、KYB様に頼って楽をしていた部分の大変さがどんどん分かってきます。色んな部品の研究、開発をしなくてはいけません。

 

 

 

 

色々細かい部品も大量にストックすることになります。

 

 

 

 

 

けれども、やはり私達がほしかったのは自由度。昔と違ってどんどんお客さまは自分の個性的な車高や減衰力を車高調に求めるようになります。それに対応するには自社で減衰力やショックアブソーバーの長さを自在にできなければならなかったのです。

 

 

 

 

減衰力テスターも長年頑張ってくれています。

 

 

 

 

 

価格で圧倒される車高調が溢れるようになり、何度も社内では論争がおきました。

「もう、いいじゃないか、海外で車高調を丸ごと作ってもらったほうが売りやすい!」

もっともな意見です。

 

 

 

 

そのくせ、結局、

「レースでお客さんのクルマがタイムが出たと喜んでる!」

という話題に大喜びし、今までどおりで頑張ろう、ということの繰り返し。

 

 

そして20年たって、色んなことが出来るようになりました。ショップ様からさまざまなご要望をいただき、走るサーキットに応じた専用スペックの減衰力。

ドレスアップに参戦する方には、それにふさわしい車高。

他のメーカーが発売をしていない車種への対応。

 

 

そして更なる転機が訪れました。ショップ様たちとの共同開発です。各分野の最前線で戦うお客さまの意見を100%かなえたものを、量産化するという計画です。

3UPの三上さんが自ら提案してくれました。

「ぜひやりましょう。良いショックなのに、競技でエンジンやタイヤの進化に味付けを合わせていないことで損をしています! すごく良い脚が出来るはずです!」

 

 

ありがたいと同時に、恐ろしかったです(笑)

マル二年間。ほぼ毎月、多いときには週に一回、テストをした結果報告と、減衰変更などの指示がきます。もう答えはでないんじゃないか、もうここで妥協すればいいんじゃないか、そうおもい続けたある日、

「これです。私自身にとっては非の打ち所の無いものになっています。行きましょう!」

http://silkroad-jp.com/portfolio-2/suspension/project-suskit-rms

 

 

 

といわれてこのモデルがスタートしました。その方法で作られているHA23アルト用もレースで確実にタイムが出ると評価をいただき、名前こそだされていませんが、ロードスターも老舗ショップ様の味付けを再現してあります。現在はRASTY様の厳しい評価を乗り越えたFT86用が量産に向けて始動しています。

スピンドルのはなしからドンドンずれました。実は、また車高調では新たな展開を計画しています。何事もそうですが、「もうこれ以上は無理だろう、新しいアイデアを思いつくのは」とおもってしまうのですが、そうおもったら商品の進化も終わります。

商いは、飽きない。

期待してください。車高調の進化、そして深化、どちらも水面下で計画進行中です。