関西空港の復活

過去25年間で最強の台風21号が関西を襲い、関西空港が壊滅的なダメージを受けたのは、9月4日、一か月前のことです。

以前に10月7日の出発チケットを購入していた私は、「こりゃダメだ、キャンセルになるな」と予感するほどの大ダメージ。まさか、わずか数日後に国内線が復旧をはじめ、10日ほどのちには国際線も稼働するなんて予想していなかったので、改めて回復力の高さに驚き。

ただ、年に何度も関空を利用する私の懸念はマイカーが使えないこと。仕事なので、3~40キロ以上の荷物を伴うことが多く、バスや電車を使うのは相当厳しいのです。ところが、出発直前、タンカーが橋に衝突してジャスト1か月、マイカー通行可能のニュース!おいおい、なんて運がいいんだ、前日に開通!来年5月開通といわれていたのに!

この湾岸線から関空橋へ入るのですが、なんだかドキドキします。ちなみにスマホをホルダーで固定して、スマートウォッチからの撮影で、あまりうまく撮れません。

拍子ぬけ。いつもの片側3車線じゃん。すぐに2車線になるのかな?

オービスがある橋の真ん中は超えても、まだ3車線。もっと渋滞しているかと思ったのに、いつも通りガラガラ。助かった。

ここから車線が減るんですね。

関空へ入るほうが優先なので、2車線。帰るときの道路は1車線の様子。全然混んでない。

噂にはきいていたけれど、反対車線を逆走するので、料金所をいったん裏から通過。不思議な感じ。なかなか料金所の裏なんか見れないですからね。

Uターンしながら料金所を通過。方向感覚が狂います。

またしても、反対車線を走っています。標識が裏向きになっています。気持ち悪い。

ようやくいつもの道にでました。全日空ホテルが見えます。それにしても、使える道路をうまく活かしたもんです。特にトラブルや不安もなく、普通に入れました。

通常の駐車場には預けず、業者に預けます。20年近くずっとお世話になっているパシフィックパーキングさん。

https://kanku-pacific-parking.jp/

空港の駐車場は時期によっては満車に近かったり、駐車場所によっては重い荷物の移動などが大変だったり、スペース探しに時間を費やすこともありますから、こういうサービスは非常に便利。

指定の場所で、クルマを渡し、送迎のハイエースに荷物を載せると出発口まで送ってもらえます。帰りは、到着口に車を回してくれるので、駐車場よりも色んな負担が軽くなりますし、料金もインターネット注文なら5000円で9泊まで預かってくれるので、金額的にも魅力です。

今回の台風で、この業者様も大変だったそうです。色んなことがあったそうです。無事再開してもらって、こちらも大助かり。

心なしか、混雑していません。数か月前まではお祭り並みの人混みでした。今回は、外国人人気が高まる以前の雰囲気です。

私は今回、タイのバンコクへ向かいます。過去はJAL、タイ航空を利用していましたが、格安のエコノミー料金で往復5~7万円。荷物が20キロを超えると超過料金を払わせられることもありました。けれど、最近はスクートというシンガポール航空参加のLCCを利用しています。エコノミーなら2万円代から。そしてLCCでは珍しく、ビジネスクラスの設定があり、5~7万円代で利用できることが多く、しかも40キロまでOK。

台風直後、多くの人が閉じ込められ、物資が不足して大変だった、というのが夢だったかのような普通の状態。ここは4階の出発フロアから1つおりた3階の国際線の人がショッピングや食事をするフロア。

関空慣れしている人は、3階だけでなく、2階の国内線出発フロアも利用します。

3階はどちらかというと外人好みの店が多く、2階は庶民的な店が多いんです。私はここの551が大好きです。安くて早くてうまい。

http://www.551horai.co.jp/

餃子¥200。一般的なものの2倍はある巨大シュウマイは、2個で¥170。

中身がぎっちりつまった満足度抜群の肉まんも¥170。関西しかお店がありませんので、関西圏外から来た人にはお勧め。ちなみにビールよりもハイボールがおすすめ。めちゃくちゃ濃くて量が多いんです。

それにしても、やはり信じられません。たった一か月であのTVで見たとんでもない状況から、何事もなかったかのような状態、いつもの私の知っている関空に完璧に戻っています。

滑走路だって全部元通り。確か地下施設があって、そこも相当浸水したはず。利用している私には、まったく平常通り。

黄色のボディが特徴のスクートに乗り込みます。

ビジネスクラスも結構満席。大半のお客さんが外国人。こういうLCCの活躍が日本のインバウンド人気の立役者でしょう。日本は諸外国からアジアでは一番遠い国。つまり航空料金の高さがゆえに、日本が観光国として人気があまりなかった理由。逆に私が向かうバンコクは、日本が比較にならないほどの観光大国。それはヨーロッパなどから近いので、航空料金が安いからなのです。

なんとなく、クールジャパン運動だとか、小泉さんや安倍さんのおかげのようなイメージがありますが、少なくとも私はそれよりも、移動料金が安くなったことが一番の理由だろうと思っています。

ひと世代前の古いタイプのビジネスクラスとはいえ、通常の航空会社のエコノミー料金。幸せです。

8インチタブレットでだれにも邪魔されず、アニメ鑑賞。30時間分ぐらいの動画を詰め込んできています。20年前には想像もできなかった快適さ。長旅も問題なし。

アマゾンで購入した電子コミックも、小さなスマホに50冊近く入っています。雑誌なら2~3冊持ち込むのが限度。

離陸です。夕方6時ですでに日没。それにしても見事復活。

いきなり夕食タイム。

LCCのビジネスなので、無料でもらえるごはんは普通の航空会社のエコノミー程度ですけど、十分ありがたし!ええ、赤ワインです。幸せ。

雲の上の夕焼け。

これが拝めたのも、関空の復活のおかげ。ちょっと残念に感じているのは、関空の被害についてはかなり厳しい意見がネットで当初飛び交ってたこと。

「災害の対応が不十分だ、そもそも海の上につくるのが間違いだ」

でも、成田もそうでしたが、普通に地上につくれば、騒音問題や立ち退きのトラブルが何十年も続く。かといって不便な場所につくればアクセスが悪いから客足が鈍ると評論される。

問題が起きたときに、日本ではすぐに、「根本的にダメ」的な、サジ投げ的なものの言い方が多いように思うのです。誰が悪い、何が悪い、といったことの分析も大事かもしれませんが、それよりも今どうすれば良いのか、今後どうすれば良いのか、ということのほうが大切だと思うのです。また、最高を求めるあまり、ベストを求めてしまい、前より少しでも改善されたことを尊ぶことがなく、ベストでないなら、やめちまえ、的な意見も多いように思うのです。私はベストでなく、ベター、つまり常に改善し、進化していく考え方のほうが良いと思うのです。

ベストをいきなり求めたら、だれも新しい事には挑戦できません。完璧なものをいきなり求めたら、何もスタートできません。

関空が海の上の飛行場として、予想不能な自然を相手に色んなケースを乗り越えて進化してくれれば、それがノウハウとなり、飛行場建設の幅が広がるチャンスになるとも思えるのです。失敗やトラブルを汚点としてとらえがちな日本人の性質は、こういった予想外の災害の時に必ず、全否定的な意見として飛び交います。

今回、関空の復活を目の当たりにした私は、素直にすごいな、と感動しました。100点じゃなくてもいい。30点のスタートでも、努力して進化して50点、70点、80点と伸びることにこそ、意味があるのではないか、そう感じました。人命がかかっていることはわかるが、じゃあ、地震に対する備えはいったいどこまでやればいいんだろう、予想を超えてくるのが自然じゃないのかと思うのです。

と、何やら神妙なことを書いていますが…え?言い訳だろって?… 営業のくせに普段からしょっちゅう、注文忘れと手配忘れしてるだろ、完璧とかそんなレベルじゃないって?…いや、私もこれから進化なんですよ!…アラフィフで手遅れっだって?そんなこと言わないでくださいョ…

って、60歳になっても言い訳しているかも…(苦笑)

さて、バンコクに入ったら、ちょっと気合入れて頑張りますよ!仕事!