よもやま話 遮断機破壊 少し分かる気が…

遮断機破壊のニュース、当然、切断した男性には非難轟々。

もちろん、切断行為は許されるものではありません。

でもね、一方的に攻めるのはどうかと思うんです。なぜ、鉄道会社にも非があるという話はほとんどないんでしょうか?

ということで、当社の製品の話でもない、あくまでワタシ個人のよもやま話です。独り言だとご理解ください。

 

30分、踏み切りがあかない、なんて異常です。しかもその理由や見通しを教えてもらえない。一部報道には、10分だったという話もありますが、10分でも異常です。

普段の生活上での10分はあっという間です。けれど、クルマに座って、何もしない10分、その待ち時間が10分なのか、30分なのか、1時間なのか教えてもらえない状態では、数分でもとてつもなく長く感じます。

ちなみに、日本一長い信号で6分30秒だそうです。これでも、初めて体験したら、普通は呆れるでしょう。

https://trafficnews.jp/post/57411

その上、踏み切りの先頭で停止していると、不思議なもので、何か自分が責任を負うような感じがする場合もあります。

もう一点、千葉の船橋あたりは道が複雑で、その要因のひとつに鉄道と踏み切りの存在があります。恐らく普段からこういった踏み切りに対する不満が募っていても不思議ではありません。実際に問題のあった場所を見ると、これはなかなかやっかいな状況。

年に3~5万キロという距離を全国走り回っていると、知らない場所で必ずGOOGLE MAPでは線路をまずチェックします。そしてストリートビューで、ちゃんと立体交差になっているかチェックします。過去何度もそういう場所で苦い目にあっています。営業マンや仕事で運転していると、10分、20分のロスは結構痛いものです。ましてやお客さんと約束していたら最悪。遅れる電話をしようにも、どれくらい遅れるかわからないんですから。

鉄道会社に対する怒りとして、踏み切りが起こす交通渋滞への配慮を感じられないこと。たとえば、トラブルの多い踏み切りには電光掲示板を取り付けて、

「ただいま事故処理中。再開予定は〇〇分」

なんて案内を置くことは、立体交差にするよりもはるかに簡単なはず。この掲示板があれば、それを写真にとって、会社や取引先にも見せられます。実際、電車が遅延したら、遅延証明書は発行されるのですから。

また、ネットを使って、ホームページからそういった状況を「障害情報」などとしてどの踏み切りでどういう理由で発生しているかを常時見れるようにすることも簡単だと思うのです。

加えて、鉄道会社も安全性の規定がどうなっているのか公表して欲しいものです。不思議な光景として、駅のすぐすばの踏み切りだと、電車が踏み切りを通り過ぎた直後に駅に停車すると、どういうわけか踏み切りを閉じたままにしているのです。電車がバックするなんてありえないんだから、通り過ぎたら遮断機は開けるべきです。

開かずの踏み切りなんていうのも、そういう調整一つでかなり改善されると思うのです。

それにしてもテレビの一方的な正義づらは怖いと思います。問題というのは大抵複雑なものです。色んな角度から問題を分析して欲しいと思うのです。それにテレビは鉄道会社からも何らかの形で広告収入を得ている「お得意さま」。こんなものの見方をする私はひねくれ者かもしれませんが。

とりあえず、大切なことは、鉄道会社も、踏み切りを通行する人も、皆がお互いスムーズに生活できること。日本人の素晴らしい特色として、我慢強く社会のルールを守る、という事があります。けれども、それって裏返せば非常に盲目的でもあると思うのです。そういう観点からだと、むしろ切断した人の気持ちはわからなくもない。ただ、できれば鉄道会社に電話して、その怒りをぶつけ、状況説明を求めるほうが建設的だとはおもいますが。

むしろ、とにかくひたすら待ち続けていた人たちは、個人的には不思議。こんな理不尽なことがおきたら、もう少しなんらかの、切断以外の方法で行動を起こす人がいなかったのかな、とは思うのです。(いたらゴメンナサイ)

誰もがジッと我慢して待っていたのはさすが忍耐強い、ルールを遵守する日本人!と思うと同時に、少し、違和感も覚えます。飛躍し過ぎかもしれませんが、とにかく理不尽なことも、ただ耐えて待つ、っていうのは、第2次世界大戦で皆が一つの方向につき進んだ戦争と同じ原理では?と思うと、具体行動はアウトですが、切断した男性の感覚はなんとなく腑に落ちるのです。。(実際はそう単純な話ではないですが)

コレを期に、もう少し鉄道会社には努力してもらって、踏み切りによるお年寄りの悲惨な事故も減らして欲しいし、何より便利な鉄道と、人や乗り物のための道路が、うまく共存する話になって欲しいと、クルマに関わる仕事をする人間として、切に願います。