ワタシ、営業マンなのですが、久しぶりに車高調を組んでます。
JAWS山本さんのHB21用スペシャル車高調。在庫の量産品に、スペシャルパーツの組み込みが発生する仕様だから。
いつもは、社内のヒトが組んでくれるのですが、久しぶりにやってみたくなりました。
完成品を組み替えるだけなので簡単。プラモデルのように組み立てるだけ。工具もほとんど不要。
ブラケットをショックに通します。
当社は、全長調整車高調のストラット車には、20年ほど前からブラケット側でもキャンバー調整ができるようになっています。
ブラケットのロックを入れて、スプリングを受ける皿を入れて、直巻スプリングを乗せていきます。
今度はスプリングの上側を固定するアッパーシートを入れます。
ピロアッパーを装着したら、フロントは完成。超簡単。
特注リアショックは超短く、ブッシュはブラケットの側面にオフセット溶接。フロントピロアッパーも既製品とは違うキャンバー、キャスター仕様。減衰力も特別オーダー品。HB21アルトワークス専用品として、かなり研究されて作りこまれています。
JAWSさん専用品は、当社は販売不可。JAWSさんにお問い合わせください。
車高調より、箱の組み立てのほうが難解だった(笑)
入社時、デキが悪かったので、商品を覚えるために工場で長期間、色んな組み立て作業をしていました。営業になって10年、正直、モクモクと工場で組み立てている仕事のほうが好き。
無事出荷。
さて、山本さんに報告すると、
「ついでにHA22のピロアッパー送ってください」
ピロアッパーは在庫してません、ワンオフだから2週間ッス。
「え?そうでしたっけ?どうせ、すぐ作れるでしょ?」
まあ、普通そう思いますよね。材料を適当に組み立てるだけだろって。
けれど、当社は、ピロアッパーを、注文受けてから、ゼロから作るんです。
ピロアッパー制作専用マシン、ピロオ君が一台ずつ、丁寧に切削してくれるところから始ります。
基台一枚を作るのにデータをセットして、完成するまでに15分ほどかかります。
もちろんこれで完成ではありません。この後、
バリとり→サイズ検査→外注先のアルマイト工場に発送→返却後の検品→ピロボール、ケース、ボルトナット類の組み立て→梱包。
2週間はどうしても欲しい。これで1セット、定価¥24,000~
自動車アッパーマウント用に最適化されたNMB(ミネビア)製のピロボールも高コスト… 安いのもあるんですけどねェ。
4~50年前から現代までの国産スポーツカー、セダン、軽、ミニバン、そして外車の膨大なデータがあり、一台分ずつで在庫しても、数百台。
また、一部の特殊なショップ様からの、厚みが違うもの、キャンバー、キャスター角が異なるものも対応しています(一般的には受けていません、営業訪問先の特殊なお取引先のみ)。
非効率ですが、このやり方でないと柔軟な対応ができないんです。
工場に不足した部品をとりに行くと…
あ!これは、ジムニーのローダウンキットの試作品!!!!!!!!!!!!!
待ってました!
前後、全長調整式の12段調整。車高は5~6センチダウンを狙っています。
プロトタイプは一年前、JAWS山本さんに装着走行してもらっており、そのフィードバックを活かし、最終試作品が完成。
ドリフトにも使えますが、専用品ではなく、普段乗りからミニサーキットまで対応できる設定。当社のショックアブソーバーは12~14段ですが、最弱なら純正より柔らかく、最強にすれば、20キロクラスのバネも対応できる幅があります。
当社の製造工場であるセクションには、相変わらず色んな部材があります。けれど、コストダウンのための大量生産は、10年ほど前にやめました。
大量生産のメリットはコスト。当社だって安く提供したい!
でも、日本のクルマ文化は随分進化しました。スポーツカーだけが対象だった時代から、今は、どんなクルマだって個性的に楽しみたい時代。しかも、同じクルマでも、車高も乗り方も千差万別。
できるだけ色んな市場のニーズに応えたい、となれば、大量生産ではなく、少量多品種に転換する必要がありました。そのため、価格面では安くするには限界があります。
当社は20年前からカタログモデルの車高調は価格据え置き状態。でも、近年大人気の海外製と比べると、どうしても高額に見えてしまう。
それでも、「こんなものが欲しかった」という一言が欲しくて、当社のヘンタイクルマニアたちが工夫しながら、いずれは、少量多品種を超えて、お客様一人ひとりのための製品を生み出せる会社になる、という夢に向かって努力しております。
なが~い、言い訳となりましたが、山本さん、ピロアッパーの納期、ご理解お願いします(笑)。
それと、ジムニーのローダウンキットのテスト、よろしくです!
来月、11月24日のJAWS山本のK-CARのドリフト大会時にお伺いします!
(審査員は勘弁してください、プレッシャーがハンパ無い…)