S321V ハイゼットカーゴ スタビライザー ボルトオンキット

「TANABEさんから来たゾ!」

超嬉しそうに開発担当者が、スタビライザーを握り締めてやって来ました!

サスペンション業界の老舗、TANABEさまはスプリング製造能力をお持ちで、ソレを活かしてスタビライザーも製造可能。

「装着用のブラケットも、完成してるゾ!」

そう、元々スタビの設定が無いハイゼットカーゴは、スタビだけでは装着出来ません。こういうアダプターは当社の得意分野。

取り付け開始!

わずか10分…!?

「出来た!」

スタビライザーが無いクルマに、無理やり装着するんだから、どんな大がかりな作業になるのかと思いきや、あっという間。

見た目も自然で、まるで純正。なおかつボルトオン!

試作品なので、位置関係の変更はしますが、実走できるレベル。

開発者と工場長が、量産時にさらに簡素化する方法を話し合い。

社内で、立場が違う人間同士、問題や提案を現場ですぐに話しあい、意思決定を迅速にしています。

当社では、意思決定を早くするために、各種会議を、水、金、土曜日に開催。

中でも土曜日は重要。

営業、業務、経理、開発、製造、発送業務の部署代表が集まり、新商品の案を出し合います。時には他の会社の方をお招きします。

”会議”ってあまり良いイメージありません。ダラダラと長かったり、せっかくアイデア出したのに、「ちゃんと売れるのか?」とエライさんに凄まれるイヤな印象。

当社は、どんなにくだらないアイデアも、まず、商品化する前提で話し合います。

工場は製造原価。業務と出荷チームは在庫スペースと発送コスト。営業マンは初回の販売数量の予測。経理は予算の確認。開発者は製造手法。

それぞれの部門のプロですから「もし販売したら?」に対する過去の経験の推測とはいえ、具体的な数字が出ます。

その数字に基づき、シュミレーションすると、「無理だろ?」と思えたアイデアが現実的だったり、「絶対売れる」と思ったのものがダメだったり。

1つの商品のシュミレーションは2~30分。精神論はゼロ。会議に際して正確な見積りや、書類の資料提出なんてやってたら、新商品はドンドン遅くなります。スピード重視。

話が脱線しました。

とにかく、試作品が完成!早速試乗!

乗ってびっくり。とにかく旋廻時の切れ味が抜群!ダルさ、不安定さが無くなりました。

モチロン、発売中の以下の2点も大きく貢献してくれています。

アクスルリジッドプレート

http://www.silkroad-jp.com/home/portfolio-2/footwork/footwork_axrigidp

KYB 14段調整スポーツショック

http://www.silkroad-jp.com/home/portfolio-2/suspension/sus_s321-race

効能についてはKazushi Rex Etoさまの動画は必見!

ハイゼットカーゴユーザーは、絶対チャンネル登録したほうが良いッス!ワタシしました!

ただし、これらは主に直進安定性、そして、レーンチェンジ時や高速道路での風圧のフラツキ対策。

右左折の旋廻時に、クルマが左右に不安定に傾いたり、旋廻後も姿勢がふらつく”お釣り”の発生は防ぐものではありませんでした。今回、スタビ装着で、右左折開始時から、旋廻終了後も安定した姿勢を維持。ロールが大幅に減少。

「気ンもちイイ!」

当社で一番商品に厳しい営業マンも試乗に出発。

なんかおっかねえ…(笑)「オマエの目利きは甘い!」っていわれそう…

冷静な営業マンU氏が珍しく興奮気味。

「これ、めちゃくちゃ面白い車になったな!簡単に言えば、サクシードや!サクシードに乗っている気分や!」

あー、なるほど、説明ウマイな。それが一番しっくり来る。20年近く前の古い設計の軽バンが、サクシードの走行性能を手に入れたような感覚。

「軽バンって、操縦性がアバウトで、路地で側溝ギリギリ攻めると、『落ちるんじゃないか』って不安がよぎる。対して、こいつは、キワキワを減速すらせずに安心してスッと走り抜けられる程、ハンドリングの正確性が高い。釣り場所確保に、峠道ぶっ飛ばす人間には最高のマシンや!」

残念なのは、とりあえず2WD用ということ。

4WDは確認する車両が無いんです。しばらく探してみます。

最近、軽バン、軽トラックが一つのブームを築きつつあります。

その理由の一つがわかってきました。

それは「弄り甲斐」。

昔の日本車は、高級車やスポーツカーですら、純正は小さなホイルで、ブタの尻尾のようなマフラー、握りこぶしがたくさん入りそうな高い車高。ボディ剛性も低かったり、シートは平面ですべりまくる。

それを一つずつ、自分の選んだパーツで交換してあげるたびに、色んな性能向上が体感でき、自分色のクルマに染め上がっていくプロセスが楽しかったんです。

もちろん最新のスーパースポーツが進化の証であり、魅力的であることに疑いはありません。

けれど、高級車やスーパースポーツでない普通の車でさえ、近年は非常に完成度が高い。

ヘタに弄ると性能ダウンもあるほどで、カスタムやチューニングは楽しみづらくなってきました。

旧車、ネオ旧車の人気、

年々盛り上がる軽自動車のレース、

そしてジムニーの人気の裏には、そういったユーザーの心情が反映されいてるのかもしれません。

おかげさまで、従来のスポーツカー、ミニバンに加えて、旧車、ネオ旧車、働くクルマ、SUV、ローダウンにリフトアップと、当社が対応すべき車種とパーツの種類がドンドン増えていく… もちろん大歓迎!

と、かっこよく言ってみましたが… いや、現場は大変…

そして、このアイデアマンがどんどん新商品案をぶち込んでくださる…(汗)

でも、開発した商品がうまくいったときは、脳内麻薬が噴出すんです。仕事というのは、お金のためですが、それだけじゃない、と感じる瞬間。

日本では冷ややかな視線を浴びがちな、アフターパーツ業界。「何の役にも立たない無駄」というイメージもあるようですが、無駄なものをすべて排除したら、人間は飯食って、寝て、生殖活動するだけの存在。無駄なことこそ、人間の文化であり本質。動物とは一線を画す部分。

深刻なコロナ問題で、命の安全を強く意識してしまう今こそ、「より速く、より安全に。そしてより愉しく」なるパーツの開発販売にますます精進すべきと考えています。

そして、ワタシはスタビライザー装着したハイゼットカーゴちゃんにて、今日から九州!

インプレション動画、お楽しみに!

2件のコメント

  1. 超楽しみです! 確認用の4WD車両が無いということであれば、お持ちしますよ!

    1. つじのさま

      嬉しいお言葉!

      大変長い時間かかってしまいました… 申し訳ありません。
      本体を作ってくださるTANABE様にも無理を申し上げました。

      え…4WDを…
      4WDは関西方面ではなかなか無くて困っておりました。
      正直、とてもありがたい申し出…
      もしかして大阪、関西の方面でしょうか?

      4WDは物理的には製造できそうなのですが、ドライブシャフトが存在するため、ソレを避けると、スタビライザーの位置がかなり下になります。
      実際装着してみたら、純正車高でも地面の突起物にひっかからないかの不安があります(最低地上高をみたさないケース)。

      一旦、2WDでドライブシャフトがある前提で作ってみて、私の2WDで位置に不具合があればあきらめる可能性もあります。
      けれど、4WDのお問い合わせも事実あるので、一度トライしてみていけそうだったら、いよいよ4WD車両を探すことになりそうです。

      関西にいると、4WDがなかなか無いのが苦労です(笑)

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