本日は久しぶりにバランスオートさんを訪問。
3月以降、当社はコロナ対策で営業活動の自粛をいまだに続行中。
遠距離出張はNG。近隣の得意先でさえ、必要な用事があったときのみの訪問。
でも、引きこもり続けていると、さすがに情報が枯渇してきました。
今後の開発や展開を考えるとき、頼りになるバランスオート代表、山崎さんに会いにいきました。
元々、誰もが知っている国内巨大サスペンションメーカーで長い間、開発の長だったヒト。
ショップとしての立場だけでなく、当社同様、製造メーカーの事情や立場を理解してもらえる人物。
「メーカーは大変な時代だね。お客様のニーズが細分化。新製品をどんどんリリースしなきゃいけない」
「でも、製造側にすれば『新商品は予想が付かないトラブルが発生する』から、消極的になるよね」
図星。新製品はリスクが高い。完璧な商品を最初から開発は非常に困難。
自動車メーカーならリコール、スマホやPCならアップデートで対応。アフターパーツは対応が難しい。
「シルクロードさんの良い所は、そこから逃げないこと」
なるほど。逆をいえば、当社が保守的になったら終わり、なんですね。覚悟できました。
でも、『製造側は新しいことをやりたがらない』というのは、ご自身のことを棚に上げています。
大手サスペンションメーカー時代、とんでもないコンセプトの車高調を発表し、世間をアッといわせた張本人。
今回、訪問したもう一つの理由は、FT86RIOモデル。
ブログで見ていて、気になって仕方がなかったデモカー。
不思議なんです。カスタムカーにありがちなゴテゴテ感が無いどころか、ほとんど純正にしか見えない。
そのくせ迫力満点。
異常なまでにシンプル。
あえて言うなら、ポルシェがFT86を製造したらこうなったかもしれない、そんな雰囲気。
圧巻なのはリア。
ハイパフォーマンススポーツカーは、”すべてリアが美しい”、という方程式そのもの。
オジサマ連中に言わせれば、”バックシャン”。
「これ、ワンオフなんですけど、量産販売するか悩んでます」
剛性が落ちやすいハッチバック車には効果絶大なパーツ。
しかも、コレ、超カッコいい!
驚くべきは、自分で設計してしまっていること。僕たち製造メーカーの出番がありません。
凄いというか、迷惑レベル、業者泣かせ(笑)
バランスオートの凄いところは、単なるドレスアップ、カスタムショップではないところ。
見た目重視だと思って舐めていると、視界から一瞬で消え去る性能の付与も得意。
左右のシートは、エンパイヤ自動車が試験販売を開始した、”車検対応スパルコR100”SKY。
ワンポイントのSPARCOロゴがオシャレ過ぎます。
他界された息子さまがとても気に入っていたデモカー。
誕生日に渡すために作り上げていた車両だったそうです。
外部からみれば、雑誌で華々しく掲載され、イベントでカッコイイ車両をたくさん並べていると、
「いいね、毎日好きなことを、楽しそうにきままにやって、それが商売になるなんて」
と思われることもあるかもしれません。
でも、12年前にプレハブ小屋で産声を上げた時から。ここに至るまでの数え切れない困難と苦労。バランスさんとお付き合いのある方は皆、知っておられます。イチ業者の私も壮絶な状況を見てきました。
雨の日も、嵐の日も、耐え切れないつらいことがあっても、クルマ創りの手を止めない。
きらびやかなイメージの裏で続く、壮絶な努力と忍耐の12年間。
”好きだから”だけでは到底できません。それならとっくの昔に廃業されているでしょう。
そんなバランスオートさんだからこそ依頼させて欲しいことがあります。
2024年にデモカーをお借りしたいんです。
「4年後じゃないですか!? どういうこと?」
シルクロード50周年なんです。その時、展示したいと思ったのがバランスさんのデモカー。
http://www.silkroad-jp.com/home/topic/40th-anniversary-talk
40周年を担当した関係で、4年後の50周年イベントも担当を命じられました。
コロナワクチンが開発され、状況が落ち着き始めているころだといわれています。タイミングはイイ。
「わかりました。グウの音も出ないようなやつを4年後に準備しておきましょう」
やったー!
「それはさておき、小言が120個くらいあるんです。説明するので座ってください!」
ほなさいならー!(逃亡)
当社の裏庭で会長が色んな野菜を育てています。
トマトは勝手に生えて、勝手に育ちません。
美しく色づき実るまでに、毎日水を撒き、害虫をとりはらい、雑草を抜き、つるが倒れないように添え木する。
たった数ヶ月で育つ野菜にも莫大な手間がかかります。
「今日は疲れているからいいか」と放置すればたちまち枯れます。
10年、20年、30年と会社を育て続けるのは想像を絶するものだと、理解できる年齢になりました。
同時に「育てる対象」=「会社と仕事」がある事自体、とても有り難いこともわかってきました。
とはいえ、書類作業はダメ。
苦手。
山ほど溜まってるわ…