DA16t スーパーキャリイ Xリミテッド 5型
(ベースのキャリイは7型)(2024年4月~)
納車から2か月あまり、開発については悩み多きクルマということを痛感
というのも特別仕様だけあって専用パーツがてんこ盛り
カスタム車として完成度が高く余計なことをするのは逆効果の恐れ
ふと思い出したのが年始オートサロンでのスズキの展示車両”MOUNTAIN TRIL”
コンセプト車両のテイストを実車に反映させるなら違和感が少ないと考えました
MOUNTAIN TRAILで最も感銘を受けたのがフロントパイピング
流行のカンガルーバーは個人的にはデカすぎるし野暮ったくなる印象
やりすぎ感の強いものは正直やりたくなかった
42.7φパイプの試作品を見て思わず「いいジャン!」
ただ、もう少しインパクト強めも見てみたい
ということで50φの試作が完成後、比較してどちらにするか決めることに
材質はマフラーで使用されているアルスター材
アルミコーティングされたパイプで非常にさびにくい
当初は黒に塗装するつもりでしたがこの表面むき出しがカッコいいので悩み中
リアも42.7φに続いて50φを準備中
ファッションではなく、本当に足をかけて登れる強度で設計
運転席側にも足をかけられるサイドステップを開発中
なお、開発担当は当社から5分の提携マフラー工場さま
パイピングの曲げセンス抜群!
最初から完成度の高いクルマなのでこれ以上やるとゴテゴテしちゃう
そう思っていたのですが…
先日、試作品が完成したエブリイ用のフロントパネルを見て「!?」
これ、キャリイに装着したらどうなるんだろう?
もちろんサイズは合わないけど、なんだか可能性を感じる!
画像を加工してビックリ!
これ、すごくイイじゃない!!
ということでエブリイに続いてキャリイでもフェイスパネル開発スタート
ABS樹脂、真空成型によってシンデレラフィット
両面テープで貼るだけ、塗装不要
今月、12月にはシエラが納車予定
ローダウンジムニーに続き、ローダウンシエラを外装を含めて開発予定
ハイエースも足をかけるサイドバーとビッグローターキットの開発開始
どちらもホイルありきの開発なのでアノ人に相談せねば
MIDマルカサービス大阪の突撃隊長
シエラ用の新作ホイールの相談
ハイエースのビッグローターキット試作のためのサイズ相談をしていたのですが…
「あー、すいません、お客さんから電話だ~」
あれ?
漏れ聞こえた声に聞き覚えがあるゾ
和歌山のタイヤマンM-TECHの社長さんだ
17年前、私が営業マンになって担当させてもらいました
業界外から転入の私はクルマもパーツもチンプンカンプンで営業訪問は地獄の日々
呆れられたり、叱られたりの連続
その中で、気さくに接して笑かしてくれたM-TECHさんは私のオアシスでした
埼玉の3UPさんもそんな私を受け入れてくれました
現役有名プロドライバーのアドバイスまでしている三上さん
日本人女性初のD-1ドライバーとなった岡崎さん
「小河さん、以前はクルマやパーツの話の時は死んだ魚の目でしたよね(笑)」
面白くないんだもん
「注文の電話すら『え~ッ、面倒だからイヤだ』っていうし」
そんなことありましたっけね…(滝汗)
クルマ屋の息子だからクルマ好きとは限らない
特に幼少期、普通の家庭が羨ましかった
母が送り迎えでやってくるクルマはどれも狭く音もうるさい
(どうやら初代サバンナRX-7だったようです)
他の同級生が遊園地やプールに連れて行ってもらっているのに…
休みの日はどろだらけのダートラレース会場ばかり
だからクルマに全く興味は持てなかった
けれどそこに集まってくる人たちは大好きでした
年齢も、出身も、職業も、性別、社会的立場も異なった人たち
普通の生活では出会うことの無い人たちが集まり一つのクルマ文化を生み出す
チューニングやカスタムへの興味は薄くともそんなクルマ文化の雰囲気は大好き
私は競技すらしたことがありません
けれど50年近く経った今も在籍する創業期からのメンバー
そしてレース経験やカスタム知識が豊富な人たちがたくさんいるので心強い
外部にも50年のお付き合い、キノクニさん、カワイさんがおられます
他にも真空成型、マフラー、内装類のスペシャリストなど心強い提携先があります
海外にも25年を超える心強い家族とも呼べる人たちの存在
アメリカ、台湾、タイランド、韓国、中国
だからといっていつまでも「興味ない」「知らない」ではいけない
17年、慣れ親しんだ営業職を降りて製造を理解するために週3日の工場勤務
そして老化を実感させられる日々(汗)
この小さいゴム栓をブラケットの穴に入れるだけで悪戦苦闘
見かねた工場長が「おい、貸してみろ!」
いやいや、あんたも四苦八苦しとるがな(笑)
お互いに老眼ですな
当社の人気商品の一つ、ラテラルロッドの製造なんて簡単だと思っていました
会議では「ラインナップ拡大!」「納期短縮!」と気軽に言ってましたが…
ネジのマスキング作業が地味にたいへん
ネジも通りの悪いものはネジの仕上げ直しをしないといけない
やすりで根気よく隙間をほじくるのは手首が腱鞘炎になるほど
梱包前に何度も汚れを拭いてチェック
袋への入れる方向、テープのまき方もマニュアル通りにしないといけない
方向を間違っただけで入れ直し
商品は梱包前と梱包後に撮影するのが義務
一つの商品で10カット以上撮影する場所が決められています
間違いなく数量が入っているか、付属品は抜けていないか、傷が無いか
画像で一発証明できるように
こういった機械は一生触らせてもらえないでしょう
そういうことが分かっただけでも大収穫
商品にはアイデア構想から量産までたくさんの人がかかわっています
それを頭だけでなく心の底からわかることはとても重要
自分ひとりの力なんて本当にちっぽけだとよくわかります
提携工場、取引先、そして社員やパートの方々が居てこそ
一つだけ困った事があります
今まで一日中運転しているか、パソコンの前で座っているだけでした
けれど工場勤務だとずっとカラダを動かし続けるから異常に腹が減る
体重計乗るのがコワい