カワイ製作所 シートレールのさらなる安全性向上への取り組み

過去、何度か紹介させていただいていますが、カワイ製作所さんはシルクロードからわずか30分のご近所さん。相談役でもあり起業された川居様は、初代シルクロードの営業マン(40年も前の話ですが)でもありましたから、当社の社員は先輩として、商品の相談や、人生相談などもしてもらっているようです(笑)

http://www.kawaiworks.com/

この看板から分かる通り、昨年40周年を迎えた老舗です。当社の40周年対談時にも、近い年式同士として、カワイ製作所 × キノクニエンタープライズ × シルクロードの記念対談をさせていただきました。司会をさせていただきましたが、面白くて腹を抱えて笑う話から、経営のシビアな話し、車業界の変化など、40年の重みを感じたものでした。

http://silkroad-jp.com/silkroad/40th-anniversary-talk

さて、今日もコーヒーをいただこうと訪問すると、川居相談役は険しい表情で分厚い書類とにらめっこしています。

どうしたんですか?

「おう、ちょうど先日の筑波試験場での破壊検査の結果をまとめていたところや。」

あれ? レカロシートへのシートレールの車検対応の書類はすでに試験も含めて完成で、車検対応書類を発行していますよね。

「陸運局から、新たな基準の改定の連絡があったんや。最近、高速道路であおり運転とかあったやろ? 多分そういうことも踏まえてとは思うけれど、今までになかった『後方衝突強度』を証明しないといけないとなったんや」

うわ~、資料作成も大変だけど、筑波の破壊試験、費用タイヘンだ~

「それから他にも細かい部分の追加があってな、筑波での人形を使った破壊試験や今回の後方衝突実験でも、確かに費用がかかっているけれど、それとは別に、社内に特別な検査機械も設置しないといけないんや。」

見せてもらったけれど、もうナニをどうしないといけないのか、どんな機械をいれるのかはワタシにはチンプンカンプン。

それにしても、レカロの車検対応の書類を発行するようになってからは更に注文需要が増えてしまい、数年前には大きなレーザー機械を購入したり、他にも色んな工夫をして増産体制に費用がかかっていたはず。

「レーザー設備もそれなりの費用がかかったけど、今度の強度試験機は、設置費用などこみで、〇〇〇〇万円ほどいるなあ」

うげえ、大変…

「手間も時間もお金もかかるから、大変や。もちろん、売り側として車検対応にしたいというのもあるけど、それ以前にお客さんの安全に関わる部品やから、お金をかけて、商品の安全性はドンドン高めておくのは当然のこと。だから、思い切って陸運局から通達されている以上に強度面を出せるように、商品の強度強化とその証明に力を注ぐつもりや」

40年かけて、会社がドンドン大きくなっていくので、その都度、棟をブロックのように追加した結果、ここから見える5つの屋根が全部工場。後ろにも倉庫としてコンテナが数台。それでももうパンク寸前。

そりゃそうです。日本車、外車、今まで型取りしてきたすべての車種のレールのジグがほんの一部でこれ。何百車種という対応力は、古くなったクルマも、売れ行きが悪いマイナー車ですべて揃えているからこそ。そして、レカロだけでなく、当社のマイナーなオリジナルシート、ブリッド、スパルコ、コブラ、海外もの、純正のレカロなど、およそワタシが知る限り以上のブランドのシートにも対応しているのです。その上、本業はシートレールだけでなく、各種補強パーツ、牽引フックとあるのですから、ジグだけでも恐ろしい量です。

レーザー機を含めて、ほぼすべての工作機械が社内にあるので、商品のほぼすべての工程がここで行われています。中に入ると分かりますが、外見からは想像もつかない、迷宮のような広さです。でも、自社生産だからこその対応力と、品質維持と向上ができるのです。こればかりは、安い海外製が多少品質が向上したといっても、追いつけるものではありません。

当社も、サスペンションアームの構造変更事前申請の書類発行を対応しています。

http://silkroad-jp.com/portfolio-2/footwork/foot_arm

事前審査済の書類発行にいたるまでには、破壊試験をしたり、陸運局にいって強度を厳しくチェックされたりとやはりタイヘンです。

けれど、こうやって自社で安全性を確かめながら、強度アップに取り組み、厳しい陸運局のチェックにも認めてもらい、構造変更対応書類まで発行していると、数年前までは海外製の安いアーム類に押され、ほとんど売れなくなった時期もあったのに、最近は売れ行きが好調です。見た目のインパクトや驚くような値段の安さが無くとも、ちゃんと作っていけば、お客さんは理解してくれるのだと非常に嬉しく感じています。

さて、以前も紹介させていただきましたが、カワイ製作所のシートレールにはカワイのシリアルナンバー入りのステッカーが貼ってあります。

検査官によっては、正規のレカロシートのステッカーの確認と、カワイのステッカーの確認だけで車検が通る場合もありますが、時には、強度を証明する書類を要求されることもあり、もし、その場に書類がなければ、再審査になってしまいます。

なので、シートレール購入時に同封されているこの葉書+¥1,000で、書類を購入しておくほうが安心です。

ちなみに裏面

商品届いたときは、早く部品装着したくて、こういうものは「ポイ」しちゃう気持ちは分かります。けれど、どんなに遅くても3年、早ければ2年以内には車検が来るのはわかっているのですから、安いものですから、すぐに購入するか、車検証入れにこの葉書を入れておくべきです。

大量の書類を発行し、郵送するので、書類到着には1週間は見ておくべきです。シルクロードでも書類発行は一応1週間は見ておいてもらっています。ギリギリになって慌てるのはやめたほうが良いです。

なお、これは当社のアームでもそうですし、このレールも、それ以外の車検対応とされているものでも、「100%」というのは謳えません。なぜなら、陸運局の現場の検査官の判断もあるからです。実際、某有名ワークス系(つまりクルマメーカー直結)のマフラーでも、車検NGになるケースもあります。また、今回のように基準や計算方法が変わることもありえるのです。

ただし、当社やカワイ製作所のように、公の検査機関での試験結果をもとに、地元の陸運局と打ち合わせし、認定していただいたものは、よほどの場合で無い限りダメになるケースはありません(でも100%は謳えません)

クルマのカスタムやチューニングは楽しいものですし、シートにいたっては快適性に加えて、腰痛持ちのかたには救いともいえるパーツです。また、背の高いヒト、低いヒト、足が長いヒト、短いヒト、いろんなヒトがいますので、そこに合わせるためにはシートレールが重要になってきます。

けれど、同時にその強度は安全性にも影響するものです。購入の際は、やはりこういった裏側での見えにくい地味な取り組みをしている会社の商品の購入をおススメします。もちろんシルクロードも商品の安全性、強度向上、保安基準への対応には今までも、これからもカワイ製作所に負けず、いっそう努力していきます!