地元関西の老舗凄腕チューナー、キャドカーズさまからキャンバープレートHA36用についてありがたい情報提供。
http://www.cadcars.info/index.html
「シルクさんの3度タイプを、調整用シムと組み合わせて組み込むケースが増えてるよ」
当社製はある程度車高をさげた時に3度くらいになるように設定しています。
(*車高によってもキャンバー角が多少変化)
1~2度位のタイプは数社から発売済みだったので、ユーザー様の選択肢を増やす狙いの3度でした。
3度のデフォルト設定からさらにキャンバー角とトーを補正するために用意したIWATAシムは優れもの。
ただし、タイヤサイズ、ホイルサイズ、車高等をすべて理解して調整しながらの装着が必要でハードルが高い。冒頭のプロショップさまレベルなら使いこなせるのですが…
http://silkroad-jp.com/home/portfolio-2/footwork/footwork_rearcamberkit
幅広いユーザーに利用していただけるよう、わかりやすいセットタイプを準備することになりました。
2度仕様、1.5度仕様などを計画中。
久しぶりにキャドさんとお話させていただき、改めて痛感したことがあります。チューニングパーツは取り付けまで含めて一つの商品であるということ。
同じ商品でも取り付ける人の技量、知識、経験で驚くほど性能が変わります。DIYももちろんアリですが、膨大な台数の車両をこなしているショップさまの経験値は、お金に換算すれば莫大。製品を作っている当社以上に製品を理解されています。
キャドカーズさんには現在発売中の、L235レース用車高調でも開発協力いただきました。
今回はキャンバープレートの改定案をいただきました。当社で技術的に作れるようであれば、新設定としてリリースできるかもしれません。非常にオモシロイ内容。
HA36に続き発売開始した、N-BOX(JF1)、N-ONE(JG1)、N-WGN(JH1)用もご好評いただいております。
http://silkroad-jp.com/home/portfolio-2/footwork/footwork_rearcamberkit
キャンバープレートの発売はかなり後発でした。
人気商品とはわかっていましたが、安全面で長年躊躇していました。
単純に角度をつけるなら、安価なワッシャーを挟むという手法が昔からありました。
しかし、ボルトが斜めに取り付くため荷重を面ではなく、点で受けることになってしまい、構造を理解している人ほど不安と隣り合わせのパーツ。
せめて極力負担のかかりにくいものを提供しよう、ということで、球面ワッシャーを利用し極力ボルトが正常に近い状態で挿入されるようにしました。
数年前、キャンバープレートの開発を提案したところ社内で大反対。ワタシ以外のレース経験者はこの部分の危険性を良く理解していたようです。
営業マンの心情としては、売れている商品を指をくわえてみてるだけはツライ。何度も会議でお願いし続けた結果、当時業界では初となる(当社調べ)球面ワッシャー方式にたどり着きました。
ところがリリース直後、予想以上に売れませんでした。
やっちまったな…と落ち込んでいたら、数ヶ月後、プロショップ数社さまから
「良く考えたよね。これならサーキットユーザーに薦められるョ。」
とお褒めの言葉をいただいたころから徐々に売れるようになりました。
今回のNシリーズ用は車高を下げた状態だと5度ほどになります。
天邪鬼な当社は、1~3度用は各メーカーから幅広い選択肢がすでにあるため、設定の無い5度を狙いました。
こちらもHA36用と同じく、3~5度の間で変化できる追加オプションの調整シムを準備中です。
今年発売される新型N-ONEには期待大。
待望のマニュアル設定がいよいよ登場です。
といいながらも、「うげー、また開発しなきゃいけない車両が増えた…面倒くせぇ」というのも本音。
開発車両探し、商品の企画、開発、量産ってほんとに大変。その上、最低でも開発費と時間をペイするところまで売れなければ、営業マンとしての責任が発生します。
でも、その苦労はレース毎に車両をアップデートし続けているショップさまも同様。
タイムと順位ではっきりと答えが出てしまうシビアな世界。
ある意味当社の商品開発より大変。
ケンミンショーで紹介された、青年会議所の先輩が経営されるだんご庄さんも、まったく同じものを造り続けているようにみえますが、142年も昔の味が、生クリームたっぷりのケーキに慣れた現代人に合うわけがありません。
142年間、生き残った理由は、やはり日々のお客様の反応に対する細やかなアップデートの積み重ね。
このシンプルなお団子一粒に、142年分の情報と技術が詰め込まれています。
当社も、46年間、作ってきたものはあまり変わっていないように思います。
けれど、その中身や品質は同じパーツでも随分と進化しています。
Always Updated。
50年、100年と商売を続ければ、当然、色んな事件や災害はおきます。
ダートラやラリーでも、平らで真っ直ぐな道だけではありません。
穴ぼこだらけの道、コーナー、アップダウン等、速度が落ちてミスしがちなところを、いかに0.1秒でも速く前にすすめるのかの工夫と努力が最終結果に大きく影響します。
コロナ問題も悪路のコーナー真っ只中のようなもの。そこで不平不満をこぼすのか、コーナーの先を見ながら前を向いて出来る限りのことをするのでは、最後に大きく結果が変わると思っています。
3UP三上さんがRB25DETエキマニのテスト品の共同開発で、七転八倒中。
「参りました…」
普段は温厚な三上さんも、無数のハードルにストレス爆発。
「でもね、ちょうど良かったです。コロナのせいで釣り、サーキット、外出を控えている今だからこそ、時間をかけてどっしり開発できるってもんです」
いつかは終わるコロナ問題。
国も、会社も、個人も、危機のときに何をしていたかで後に真価が問われるような気がしています。
え? ワタシ? とりあえず朝方までFF7リメイクをやり過ぎて寝不足っス…
明日からがんばるゾッっと。