台湾の魅力は「人」と「B級グルメ」です。
個人的に世界各国を仕事で回らせていただきましたが、世界で一番、人が優しい国です。
昭和生まれの私に、子供のころ、日中は家のカギをかけなかった時代の日本人を思い出させるのが台湾の人たちです。今の日本人が忘れてしまった優しさ、温かさがそのまま活きているような感じがするのです。ちょっと何かで困っていると声をかけてくれます。
日本人が親切で治安が良いといわれますが、日本人の私が台湾に行くと、日本人よりももっと親切で治安が良いと感じます。
さて、台湾で仕事より大事なのはB級グルメ!
観光ツアーで台湾に行っている人は本当のおいしいものをしらない人が多いと思います。というのも、シルクロードには社長の20年来の友人である陳さんがいるから、日本人を含めた観光客が行くことのない地元台湾料理を楽しめるからです。台湾では観光で定番となっている「青葉」「梅子」といったレストランがありますが、ごめんなさい、あれは入門程度に私には思えます。高いですし。それと、テレビでよく紹介されている夜市グルメも悪くはありませんが、やっぱりう~ん、そこまでかなあと思ってしまいます。
あくまで個人の主観ですが(台湾訪問回数60回以上、20年程度ですが)。
●牛肉麺(にゅうろうめん)
はじめて食べるときは、見た目で「う~ん」となってしまいます。やたらと赤や黒っぽい濃そうな出汁に、グロテスクで硬そうにみえる肉がのせられています。
恐る恐る一口食べたときの「!!」は忘れられません。ダシがうまい!塩などの調味料の味はせず、お肉を中心としたうまみの塊でできたスープで、塩分が薄いのでとても食べやすいのです。日本のラーメンが胃もたれしそうな濃さで塩分高めのもが多いものとは異なり、すっきりした味わいかつ、うまみが強く、破壊力があります。
お肉もふかふか。そして太めのおもちのような麺が、もちもちして、とてもおいしい。
台湾の庶民が愛する料理で、街中どこにでもあります。うまいところを教えてくれと聞くと、みんな一生懸命おしえてくれます。
●鼎泰豊(ディンタイフォン) 小龍包(しょうろんぽう)本店
小龍包はこのお店に行くまでもいろいろ日本で食べたことがありました。日本の某有名中華街でも何度も食べていました。全部、今まで食べたのはニセ●ノ!?
小龍包って肉まんのちょっと小さくて汁でてくるやつだろ、って認識をしていた人は、過去の小龍包の記憶を抹消したくなるほど、「これが小龍包なんだ」ということを、ここに初めて来たときに実感することになります。
ここは観光ツアーでも連れて行ってもらうメジャーなところです。普通、メジャーなチェーン店や、観光で連れていかれるところは「有名だけど大したことがない」ものが多いものですが、ここは別格。
常に恐ろしい人だかりです
でも、列に並ばなくても良いように順番を決めるシステムがしっかりしていて不快ではありません。本店の少し先には世界でもトップクラスに高いTAIPEI101が見えるので、待ち時間も楽しいのです。
ニューヨークタイムズか世界10大レストランでなんと1位に選んだのがここです。ランチの飲茶なら1000円台で楽しめるのに、名だたる高級有名レストランを差し置いての1位です。
2013年のThe Daily Mealが選ぶアジアのトップ100レストランでも、日本のミシュラン三ツ星レストランが最高9位の中(もちろん有名すし屋さんなど非常に値段が高いお店ばかり)、鼎泰豊はやはりアジアNO1に輝いています。
でもあえてB級グルメと呼ばせてもらいます。コストパフォーマンスがとんでもないのです。三ツ星をノックアウトするB級グルメ、恐るべしです。
日本でも有名デパートでは各地に出店しているので、行ったこともある人は多いのではないでしょうか?
しかし、やはり台北本店は違います。何が違うというと、小龍包の皮の薄さが圧倒的に違うのです。あの熱い、麻薬のようなスープを最高に薄い皮で包んだ小籠包を口の中で爆破させ、ビールで流し込む快感はどんな高級料理もかないません。
おすすめは台湾卑酒(タイワンビーチョ=ビール)の「生」です。台湾では瓶ビールが基本ですが、酒類が豊富で、「生」はかなりおいしい。苦味があまりなく、甘みが少しあり、のどごしが良く、ビールが好きでない人でも楽しめ、小籠包との相性は凶器レベルです。
チャーハンも恐ろしくうまい。シンプルながら、日本でもあまり出会うことのないほどのパラパラ、うまみは数倍。なのに、塩分はほとんどなく、こちらもどんどん食べてしまいます。
そしてやはりそこには台湾ビール。
それ以外にもおすすめは山盛りあります。
空心菜の炒め、A菜炒め(エア菜)、キュウリの甘辛和え、小菜、そして干し豆腐の和え物です。干し豆腐はいろんな料理で使われていますが、これが絶品。豆腐味の食感がチーズという感じのものです。
行ったことのない人は、台湾に行かなくてもよいので、日本国内にある支店に行ってみることをお勧めします。日本の支店でも十分衝撃を受けること間違いなし。
●屋台料理
日本でいう居酒屋のようなものです。日本で言う屋台というよりは小さな店舗での居酒屋のようなものです。台湾人の友人の陳さんから教えてもらった良い店の見分け方は、ビールだそうです。
瓶ビールの中には、18日間限定ビールというものがあります。これは保存期間が18日しか無いビールです。18日後には廃棄しないといけないので、これが置かれている店は、客が相当で入りする店に限定されているとのことです。つまり人気店にしか置いていないのです。
ラベルが金色が特徴で、よくみると「18」と数字が入っています。台湾の居酒屋でビールが良く出る店には、キャンペーンギャルがいることもあり、会話も楽しいです。今回はなかなか肉付きの良い、会話の楽しいお嬢さんでした。
テーブルいっぱいに頼むのが幸せです
どこで食べても絶対はずさないのはチャーハン、汁焼きそば、そして、卵焼き。素朴なのに、とまらない…
締めには、トマトと豆腐の卵とじスープが最高。
すごくあっさりで、体内が清められて、暖められたような感じになります。
●火鍋(ほーこー)
中華圏ではメジャーな鍋料理。火鍋というのは普通に「鍋」という意味で辛くはありません。
有名なのは麻辣火鍋(まーらーほーこー)で、半分に鍋を仕切って、赤い辛いだしと普通のだしを楽しむものです。でも、おすすめは台湾伝統の辛くないほうです。
私たちは歴史が古い行きつけのお店に通っています。もう20年以上通っています。50年以上地元で愛されている名店です。
帝一火鍋
だめです。これが完成すると…
川居相談役、山本さん、当社の社長、陳さん、そして私、全員無言です。20分くらいは無言でした…
麻薬でもはいってるんではなかろうかという味です。
日本人は最初、見た目でダメな人もいるかもしれませんが、上品で高級店を好む川居相談役も、最初夫婦でこの店に入って時は絶句していましたが、ものの五分、恐る恐る一口をたべてから、毎回この店は訪台時には100%よるほどの大ファンです。
おすすめの台湾ですが、わたしたちが台湾を愛するのはやはり陳さんの存在です。会社ぐるみ、家族ぐるみの付き合いがもう20年ほど続いています。
今回、はじめて紹介した山本さんが、私たち関西便とはことなる九州便だったので、待ち時間が結構あったのですが、本人も大丈夫ですよということで、空港で別れたはずが、あとから
「陳さんが戻ってきて、結局数時間、あちこち付き合ってくれたんです」と一枚の写真を送ってくれました。台湾人を代表するような優しい陳さんのこの笑顔を見たくて台湾に行ってるんだなと思います。
さあ、明日から仕事!