サーキット会場でも、イベント会場でも、はたまたDIYでのメンテでも、車高が低い車はジャッキが大抵入りません。
っていうか、最近のクルマはフロントバンパーがノーマルからすでにワイド&ローで、車検対応のダウンサスを入れただけでも外車と同様、ジャッキ入れるのが困難、もしくはバンパーを傷つけてしまいそうな感じです。
低床、シャコタン対応といわれているジャッキもありますが、高額だったり、車高がそれ以上に低かったり、またそういうジャッキは持ち運びはサイズや重量的にきついものが多いです。原始的ですがタイヤスロープと安くて軽いジャッキの組み合わせがベスト。
ところが、従来のタイヤスロープはアルミやスチール製が大半。製造ロットや強度の問題などを考慮すると、自然とそうなってしまいます。が、アルミ製には以下のデメリットがあります。
〇夏場や冬場は熱くなりすぎたり、冷たくなりすぎて触るのがつらい。
〇 長ければ長いほど、車高の低い車に対応しやすいが、その分、クルマに積むときに邪魔になる。
〇重い(持ち運びがつらい)
〇汚れたらなんとなく汚いし、汚れを落としにくい(重いから面倒にもなる)
〇車内に適当に投げ込んでおくと、内装をアチコチ傷つけたり、ボディに当たるとクルマがへこみ、人間にも当たると危険。
〇乗ろうとすると、スロープがすべって逃げていく
企画会議で、サーキットやイベント会場でタイヤスロープが必要という声が出てきている中、同じものを作っても仕方ないよね~と言っていると、当社の社長がとんでもないことを言い出しました。
「プラスチックで作ったらいいじゃないか」
は? 無理でしょ? 一撃で壊れるでしょ。
「近所に俺の友達の社長がSHA〇Pの仕事を受けている工場がある。開発にも関わるほど技術が高いから相談してみたらいい。形状さえうまくやれば、耐荷重は十分クリアできるはず」
の一言で始まりました。結果以下の形状で完成。
http://silkroad-jp.com/portfolio-2/tool/acc_slope
さすがプロです。大手企業の開発に関わっておられるだけあって、スロープの内側も骨組みを張り巡らしたような形状にすることで、強度を出しつつ、軽量化しています。
片側の耐荷重は800kg。左右で1.6トン。十二分の強度です。
長さも1.2メーターになりますから、相当車高が低くても対応できるうえ、分割組み立て式なので、持ち運びのときはコンパクトな箱に収納できます。汚れにも強く、汚れを落としやすい。夏の暑さ、冬の寒さにも影響は受けにくいのです。便利な機能で、最低地上高を瞬時に確認できる機能も付いています。
これが分割状態。非常にコンパクト。
http://silkroad-jp.com/portfolio-2/tool/acc_slope
合体させて、左右分並べるとこうなります。
よく見ると、乗り上げ始め部分に10cmのしたじきのような平面部分があり、これのおかげでスロープがすべって逃げることがほとんどありません。この薄さはプラスチック製だから再現できました。(アルミで厳しいし、やってしまうと刃物のようになって危険)
この商品の実質の開発担当の工場長。
片手で軽々。
「社長の発想がシャープですね」(笑)
この箱に収納してしまえば、車のスペースをほとんど奪うことなく、実質全長1.2メーターのスロープ左右を積むことができ、重量増もほとんどありません。
色は3色。
黒、緑、ピンクの3色。
この商品はプラスチックのインジェクションという方式で、大量生産することでコストが落ちました。
MADE IN JAPAN、奈良県で、定価¥4,800(税別)。ちなみに中国製のコピー品がありますからご注意ください。この値段ならぜひ、安心の日本製を選んでいただきたいものです。セクション、シルクロード製。もしくは当社と関係のあるショップ様からご購入いただくと安心です。
しかし、盲点が一つ… プラスチックのインジェクションの型代ってアルミの塊を削り出して作るそうです… 結果、立派な乗用車の新車を購入できるほどの型代が… ロングセラーとなり、長年販売してコツコツ型代を償却してきましたが、これからもご購入いただければ助かります(笑)。