KATAYAMAさん(ブログ読者様) ご提案 JB23用フェンダー

「こんなメールきてましたョ」

と業務主任から一通のメールを見せてもらいました。KATAYAMAさんという方からでした。

 

 

 

「度々拝見させていただいております。アルトフェンダーエクステンションのタイプで、ジムニーJB23用検討していただけないでしょうか?」

で始まる文章でした。

このシルクロードのブログ担当のワタシ、実は大のSNS嫌い。営業マンでありながら、引きこもり気味の、ゲームアニメオタクで、しかもヒト付き合い嫌い(ムチャクチャ)。

その上、SNSが日常となった現代でも、LINE、FACEBOOK、TWITTER、INSTAなどすべて「個人情報を抜かれる」と妄想している頭の固い人間。もちろん日常、ヒトと関わる頻度が増えるSNSそのものが嫌い。

幸い、業務主任がシルクロードのFACEBOOK担当で、このブログもFBに転送してくれており、以前より幅広くの方に読んでいただけるようになりましたが、FACEBOOKアカウントを持たぬワタシは、コメント確認すら出来ません。

かといってこのブログ自体にコメントしようとしても、承認が必要とかで、読んでくださっている方々もおそらく書き込む気がしないでしょう。

 

 

 

つまり一方通行的に情報発信しているブログ。そこに、今回、わざわざ当社のメールアドレスを探しあて、メッセージを送ってくださったようで、そのお気持ちが、そして読んでくださっている一般の方がいることが本当に嬉しかった。(業界人向けの内容に偏っておりますので)。

さて、ご提案のJB23用の車検対応のフェンダーエクステンション。それ自体の企画はアルトワークスと同時期にありました。純正でもともと装着されているフェンダーカバーのようなものは、ボルトオンで脱着可能になっており、これと入れ替えるものを作ろうとしました。

 

 

しかし、他社さんなどが車検対応フェンダーとして同コンセプト商品を発売開始されており、「ぬー、厳しいかも~」といって断念しておりました。

また、片側9cmという範囲内でのデザインじゃ、主流の3インチUPクラスのヒトには受けないだろうし、かといって車検非対応品は当社のコンセプトからは外れてしまう。しかもJAWS山本さんところでこんなカッコいいフェンダーがFRPでボルトオンでしかも安くてびっくり。

 

 

でも、ワタシの勉強不足でした。ジムニーは穴が開くほどクルマを確認しましたが、シエラは完全ノータッチ。

今回のKATAYAMAさんのご提案の中に、「シエラ風」してはどうかということで、慌ててスズキのホームページをみてびっくり。ウォー! これ、アルトワークス用のうちのフェンダーとクリソツやないかい!!!

http://www.suzuki.co.jp/car/jimny_sierra/styling/?data=b

 

なるほど。この形状はアフターではありそうでない。今狙っているジムニー用±1インチ直巻き車高調整キット(上げ下げ約1インチを直巻スプリングで調整できるもの)のコンセプトにも似合そうです。片側9mmでもこの形状ならかなりワイルド。

難しいのはフロントバンパーにかかる部分だなあ。ジムニーはショートバンパーにしている人多いからなァ。

 

 

とにかく大変参考になりました。個人的に今すぐかかりたいくらいのネタです。躊躇する理由は、来年夏予定の新型ジムニー。こいつのフェンダー制作の予算が予定に入っているのです。そうなると、カネがネエ(笑)。フェンダー4箇所、ワンオフモデルを作って、量産型を作ると、だいたいジムニー一台を新車で買うほどのお金が必要です。アルトワークスも1年間、販売したものはほとんど型代償却で消えました。

これは営業成績を上げるしかない!頑張って、予算分けてもらえるように、頑張ってみます。とても良いご提案、ありがとうございました。

また、ブレーキシステムの記事も読んでくださっているとのことでご報告。

今、どのサイズのホイルまでいけるか確認中です。

流石に純正鋳物の鉄ホイルはダメでした。あれは内側に肉が盛られているからです。この写真のやつはなんだろ、わからないけど、すんなり入っていました。

 

 

 

純正と同サイズ16インチのアルミホイルは確認した数種類はOKでした。16インチのまま、ストッピングパワーを上げてやれば、競技などでも有利になれるそうです。また一般の人でも、17インチ以上にしたり、ヒッチメンバーで色んなものを引っ張って制動力ダウンしているクルマにも必要になるはずです。

15インチアルミも、肉が薄ければ装着可能性があり、確認中。

 

純正キャリパー移動アダプターは完成しているのですが、専用のビッグローターが来月まで上がってきません。なので、前もってホイルサイズ確認に、ローターが大きくなる部分をレーザでぬき、純正ローターにはめて、サイズ確認用のやっつけ試作品を作ったのです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

この輪っか分が、純正ローターより大きくなる部分です。早く走行可能なテストサンプルが上がってきて、実際にノーマルブレーキと乗り比べをしたいですね。ワクワクが止まりません。

ジムニーというのは現行モデル単体で20年近いモデルであり、その前の世代からすれば大変な歴史を持つ車。日本全国のプロショップさんたちが、色んな競技や遊び方を提案してきた車であり、当社としてはそれをリスペクトすると同時に、「今さら関わってもなあ、入る余地はないだろう」と思い込んでいました。

けれど、あるショップさんで言われました。「ジムニーはブレーキがプアなんだよ。パッド交換じゃ気休めで、本当に制動力あげるならキャリパー交換しかないんだけどさ、何十万もするんだよ」と。

ビッグローターキットだった3~5万円で販売できますよ、と提案すると、「無理無理、構造上無理だよ」と一蹴。

ジムニーをメインでやっている方々も構造上不可能だと口を揃えていることが気になり、当社会議で相談。

「確かに困難な構造。でも不可能ぢゃない」の一言でやることになりました。

この商品、発売すれば、「な~んだ、こんな方法かよ~」とコロンブスの卵になると思います。ビッグローターキットはシルビアやAE86といったドリフトやサーキットのショップ様が過去から色んなバリエーションをやっており、当社も同じ商品を手がけてきたことが、今回の開発の大きなヒントになりました。でも、事実、ジムニー用は今まで無かった。

 

 

 

専門家だからこそ出来ることは多い、けれど、突拍子も無い方向からの提案というのは、実は他のジャンルのほうが長けていることが多い。それは思い込みやしがらみ、固定概念から開放されるからこそ。コレを皮切りに、当社が培ってきたジムニーとは異なるジャンルでの経験、技術、知識をぶつけていきます。

そして、今回のKATAYAMAさんの目線、提案というのもこの業界が長いワタシの思い込みに「はっ」と気付きを与えてくれるものでした。

期待に沿えるよう、頑張ります! (売り上げ悪くて予算下りなかったら、気長に待ってください)