シルクロードは、歴史上存在する「絹の道」から名付けられており、名前の通り、いまだに営業マンが全国津々浦々を自走で走り廻っています。営業業務から見えてくるのは、日本の地域性。
関西のイメージは皆さん色々お持ちでしょう。私も色々ありますが、この業界において外せないものの中に、「ホンダ車が強い」「軽自動車レースが強い」というものがあります。そして、今日の訪問先はまさにその2社。
ホンダ車の専門ブランドとして日本国内はもとより世界的にも有名なのは、大阪府茨木市にあるJ’S RACING。創業者の梅本会長が若いので意外に思うのですが、実はもう30年以上になるレースショップ&メーカー。老舗なのです。梅本さんはドイツのニュルブリンクの24時間耐久にも、SUPER耐久などのビッグレースに参戦し、自ら戦うバリバリの現役レースドライバー。だからJ’Sのパーツは色褪せないのでしょう。以下の記事には「梅本淳一」で名前も載っていました。
http://www.as-web.jp/sports-car/126463/2
https://www.jsracing.co.jp/js2/index.asp
ピットは大抵、満車状態。駐車場もパンパン。お店が繁盛するのは嬉しいですが、駐車スペースに困るんですよね、車の営業マンは(笑)
30年以上前にはじめてJ’Sさんを担当した営業マンは、「大昔の川沿いにあった店は、とても小さいところだった」といっておりました。それが今や世界的に有名なブランドに。同じ関西の業界人としては、とても嬉しいこと。
店内は色んな商品やグッズだらけ。来客も多いですが、最近は特に外国人のお客さんが多い。そして驚きなのは、事務所に居るメンバーは梅本会長はじめ、ほぼ全員が英語を流暢に話せてしまうこと。
FK8新型シビックタイプRは以前から2台体制で商品開発されていましたが、隣には見慣れぬカラーリングのS660が。確か、去年、レースで大破したのはウワサにきいていましたが、また仕上げてきたんでしょうか。S耐参戦などのレース活動をしながら、ショップ業をし、メーカーとしてパーツの開発販売をし、海外にまで展開… スタッフさんの数も多いですが、一人ひとりの作業量はそれ以上に多くて大変だと思います。が、何より皆さんそれぞれ何かしらの特殊技能を持った人たちばかりですから、人材に恵まれていることも、この会社の強み。
そして去年、横浜にJ’S RACING YOKOHAMAを出展されました。ホンダの車をワクワクさせてくれる専門店として、これからもとても楽しみです。
https://www.facebook.com/JS-Racing-Yokohama-834470363371239/
関西といえば、ホンダ車同様、やはりはずせないのは、K-CAR。日本のK-CARは最近になって、世界からも注目を集めています。日本の自動車制度が生み出したリトルモンスター。世界にはあまり類の無い、日本の特殊な自動車事情で、5ナンバー、3ナンバー、軽自動車枠などが設定されたこと、馬力規制やエンジンサイズ枠の押さえつけられた環境の中で鍛えられたことから生まれたモンスターの一つが、世界的に有名になったランエボ、インプレッサといった2Lターボのモンスター。軽自動車もそんな規制から生まれた特殊な車両。
そんなK-CARの中でもダイハツを得意とすることで有名なのがPOWER HOUSE D.T.M.
毎年、神社の中を疾走して一番福をあらそうことで有名なえびす神社(西宮神社)がある、兵庫県西宮市にあります。
ここもJ’S RACING同様、レースショップ&パーツメーカー。そして郡山社長はこの業界で働きだして50年以上、70歳を超えてなお、日々の欠かさぬウエイトリフティングにより、金剛ボディを纏ったウルトラモンスター(笑)。こんな70歳見たことありません。40代後半のワタシも、このヒトと相撲をしても絶対負けると思います。背も高いマッチョです。
でも見た目とは裏腹に繊細。たくさんの名パーツを生み出してきたのは繊細な技術と、設計力。訪問するたびに、セールスにいっている私より、いつも新しい商品を紹介されてしまいます(笑)。アイデアの宝庫です。
年季の入った看板から分かるとおり30年以上続く老舗。ましてや郡山社長は、元々、ハヤシレーシングの出身。ハヤシレーシング出身者には数社の現在の大手メーカーの社長がおられる、名ブランド。郡山社長の各メーカーさんとのパイプはその在籍時に築かれたもので、DTMの開発力の強みです。何より、社長自身が溶接、切削加工、プレスなどほとんどすべての技術をもっているために、欲しいものを自分ですべて作れてしまうことが一番の強み。
これ、全部社長の手作り…
滅茶苦茶カッコイイです。
エンジンマウントも作っちゃいます…
タービンキットも、足らない部品は自分で作って揃えてしまいます…
ボルトオンターボまでやってしまう…
ショップに行けば分かりますが、上記商品の材料なんかもアチコチにおいてあります。これこそ究極のメイドインジャパン。商品の安心感は間違いありません。そして、その心強い味方が、息子さんのユシユキ氏(2018.2.26にご指摘いただきました、打ち間違いです→「ヨシユキ氏」。今回も含め、たいしたアクセスも無いワタシのマイナーブログの、しかも長文の中身でこういうチェックが入ることは珍しく、しかも話題になっているとのことで、ヨシユキ氏が心強いファンをたくさんお持ちということの証、大変失礼いたしました)。元自衛官で、社長ゆずりのマッスル&バイリンガル(英語話せます)&レーサー。そして、社長のの繊細さの更に上を行くこだわりと細かさと器用さがあります。(パクチー好きでもあります)
個人的にはいつも駐車場においてあるこのエッセが好きです。シンプルですが存在感があります。
この、一切の妥協と、手を抜くことができない、堅物職人親子が作るものは、すべてシンプルかつ、利にかなった、完璧な機能部品で、このエッセもその雰囲気をよく出しています。恐らく、丁寧に作られていて、予定通りのタイムを確実に出す雰囲気です。
ホンダ車とK-CAR、どちらももちろん全国的に人気だし、他にもたくさんすばらしいショップやメーカーさんがおられます。でも、同じ関西の会社で、訪問させていただいている贔屓分を差し引いても、掛け値なしに上記ブランドは専門店として最高の商品とサービスをお客さまに提供しておられます。
老舗というと安心感と同時に、古臭く、悪く言えば偉そうにしているイメージですが、本日紹介させていただいたどちらも老舗であり、経験値豊富で安心ではありながら、むしろどんどん新しいものに挑戦していて、何より皆さん優しくて、オモロー(やはり関西人ですから)です。
さて、来週後半は、同じくドリフト車両の老舗専門ショップの3UP三上さんが埼玉からやってきます。三上さんもこの業界の人間アルアルで、電車に30年近く乗ったことが無いそうで、埼玉から奈良県まで電車で無事到着するのか、珍道中になるのか楽しみです、ふふふ。