HA36V/HA36S アルト/ワークス/RS用 オーバーフェンダー(=エクステンション)

発売から一年と4ヶ月、新型アルトワークス用のフェンダーエクステンション(オーバーフェンダーともいえる)に関する当ブログでの過去の記事のアクセスが多いことが、気になっておりました。

HKS九州サービスさまのデモカーにも装着いただいております(ありがとうございます!)。それもデモカー用だから安くしろ、なんてことはいわず、しれっと普通に購入して装着していただいていたようです。つねにマックスパワーをださないと気がすまない竜円社長ですから、こいつも当然モンスターなマシン。

http://www.hks-kyusyu.co.jp/

しかも巨大ウイング付ですから、フェンダーも超ワイルドに見えます。が、ご存知の通り、これは指定部品の規定にのっとった車検対応品。

過去の記事のアクセスをよく見ると、「指定部品」についての外部サイトのリンクがありますが、そちらが多くクリックされています。つまり、「こんなもの、本当に車検通るのかよ!?」っていう疑問をおもちだからのアクセスだと理解いたしました。

この商品開発のきっかけとなったのは、このオトコ、JAWS山本さんです。

http://www.jaws-yamamoto.com/

アルトやワークスが出たばかりの頃でした。

「新型ワークス、原則5.5Jしか入らんとです。新発売された専用の6Jのホイルは高い。それに、サーキットいく人はやっぱり6.5Jをはめたいだろうし、旧規格用で使われていた安いものがたくさん選べるから、本当はそのサイズをはめたいですよね。でもハミタイしちゃうのはまずいし。まあスズキは新規格になってからだいたいそうなんですけど」

こんなこと言っている本人はいまだに新型アルトワークス、一切やってません(笑)K6A街道まっしぐら。

「車検に通るようにするのは簡単なんですよ。フェンダーにゴムモールを片側9mmのものを両面テープで貼ってそこに収まればいいんですよ。でもカッコ悪いんです

え?そうなの、知らなかった…

ということで、当社の各車種のアームの構造変更対応書類を、陸自と打ち合わせて発行している当社のお茶の水博士に相談しました。

 

「その通りや。指定部品っていうのがあって、国交省が、『安全や公害の防止に支障をきたさない』と判断したものは、その部品を交換してもお咎めしないということで、原則を守れば車検において簡素化(=ほぼ車検OK)と認めるといってるもので、フェンダーもそこに含まれているよ」

http://www.aiseishin.jp/qa/shitei.pdf#search=%27%E6%8C%87%E5%AE%9A%E9%83%A8%E5%93%81%E3%81%A8%E3%81%AF%27

目からうろこ… ダメだと思ってた…



「この資料に『フェンダー』とあるから、指定部品に含まれていることが確認できるやろ?」

なるほど。



「次は幅やな。軽自動車は全幅±2cmとなっているから、片側が9mm以下ならOKということや」

ほう、軽自動車ってよく新規格で枠一杯の大きさだから、ちょっとでもワイドになるのはご法度と思い込んでいたけど、ちゃんとこういう条件があって、可能なんだ!



「これもかなり重要やぞ。よく読まないと勘違いしてしまう。『溶接またはリベット’以外’』の方法で取り付け、となっている。簡単にいえば、リベットや溶接はNGってこと」

え!? オーバーフェンダーってイメージ的に、とれないようにがっちり装着しないと認められないって感じにおもっていたけど? 違うんだ! むしろ簡易的に装着して、後からはずせるようになっていないとダメってことか! なるほど。

要約すると

①片側9mm以内のもの

②両面テープやその他簡易的にとりつけられるもの

であれば、車検OKということです。もちろん、元の純正ボディがなんらかの不具合で車検証よりも大きくなっていたり、当該商品以外で規定に反するものが装着されていたりすれば別の話ですが、この商品そのものは条件を満たしていれば、書類等も無く、そのまま通過します。

なお、指定部品は、新規登録、つまりナンバーが無い状態の新車や、中古車で車検が一旦切れた状態のものに装着したまま新規ラインに行くと、アウトです。この商品を含んだ状態で車幅を計測して登録してしまうので、ナンバーを取得後の装着でないといけません。

これはそういうルールなので、どうしようもありませんが、これも簡単にいえば、ナンバー取得してから装着すれば問題の無いことです。違法でも当然無く、これが国が定めたルールということです。なお、ルーフキャリアや純正と長さの違うバンパーなども同じことで、新規ラインに入る場合は要注意ということです。


さて、ここからが大変。まずデザインです。ハードパーツがメインである当社ではエアロはやっておらず、ディフューザーといった機能部品がメイン。趣味が昇華し仕事というよりは変態の域に達しつつあるマッドI氏に今度は依頼しました。

サさっと書いてくれたというデザインが非常に良かった! これ、バカ売れ確定!

の、はずですが、二次元の絵が三次元に作り変えるのは、まったく違うことだと後から認識させられます。フロントのバンパー部分のエンド部分の形状は、この一枚のデザイン画だと途中で切り落としですが、真空整形工場からのアドバイスは、バンパー一番下までつなげてはどうかというものでした…が…欲張りな私は、フロントバンパー交換しているお客様にも装着して欲しいと、途中でフェンダーをカットした状態を依頼したところ…

じゃじゃーん!

通称「もみあげちゃん」(苦笑)。これを装着したときに自分のセンスの無さを再確認しました… ということで、この後も何度も変更を重ね、デザイン画のイメージに近づけつつ、現実的に修正が必要な部分を煮詰めていき…

これが仕上がったときには滅茶苦茶感動しました。

http://silkroad-jp.com/portfolio-2/ha36s/ext_fex_ha36s

車検対応、取り付け簡単(上級者は1時間ほど)、シボ黒、マットブラックなら塗装さえ不要、送料も梱包サイズが160サイズなので普通送料。税別定価、¥39,800-。

これは、車検を調べてくれたお茶の水博士、デザイン担当の狂犬I氏、我慢強く試作を繰り返してくれた真空整形工場さま、そして情報をくれた全国のショップ様と、色んなヒトの力があって生まれた商品です。

その後の確認で、理論上OKでしたが実際に当社のクルマで車検を確認。

アルトワークス (HA36) オーバーフェンダー NAに装着 & 車検に行ってみました

また、バリエーションをふやすということで、現在も数量は限定ですがマットブラックを発売開始!

トータルチューンワークスさん x HA36 フェンダー 新色 (TOTAL TUNE WORKS)

そして問い合わせが結構多かったNA専用フェンダーは、シュピーゲル様から発売となり、当社も取り扱いをさせていただきます。

HA36V アルトNAバン用 オーバーフェンダー BY シュピーゲル

そして新規格としてリアウイングにも同様のコンセプトで塗装不要、車検対応、取り付け簡単のものがまもなくリリースです。

HA36 リアウイング 塗装、加工不要の被せタイプ + フェンダー新色

当社の起業した代表がモットーとしているのは、「より速く、より安全に」です。価格競争の波にもまれて正直、苦戦している商品たちも数多く居ます。けれど、お客様からのご意見をヒントに、自分たちで考えて、苦労して、こうやって一つ一つの商品に思いをこめて作っていくことがそのモットーへの答えだと思っています。

次は新型ジムニーも予定しております。やりたい車ならもっとあります、コペンに現行ジムニー、FT86に、新型ロードスター。なんせ、型代が大変なんですよ(笑)。 夢をかなえるにはカネが必要だと、40を過ぎて実感してきました…