エンジントルクダンパー 強化エンジンマウント どんな効能が?

ダイハツ専門店として全国的に有名なパワーハウスDTMさん。

http://powerhousedtm.com/

ダイハツ車のみならず、数々の軽自動車パーツのオリジナル品を提供しているメーカーですが、どんなに忙しくてもショップ業を辞めないのは、実践、現場が商品開発の宝箱だと知っている郡山社長の信念。

同じものはどこにも無い、完全ユニークな名パーツの宝庫のDTMさんにおいて、私がとても気になっている商品の一つが強化エンジンマウント。

10~20年前こそ、この業界では人気パーツでしたが、最近はあまり聞かなくなった部品。特にエンジンマウントは装着したって外見は一切かわりませんから、やはりコアなパーツです。でも、DTMさんでは特に最近、この強化エンジンマウントが大人気で、製造が追いつかないこともあるようです。

パクチー大好き、新婚ホヤホヤのヨシユキ氏に、愛妻弁当を食べるタイミングを狙って質問。いまどきなぜ?とお伺いしてみました。知らないことだらけの私は、営業マンのクセに、他のショップでわからないことがあると、いつも電話相談室になっていただいている、知識と雑学のものしり博士です。

「特に最近の軽自動車にいえることですが、エンジンのオン、オフ時に、ビックリするくらいエンジンが揺れるんです。もちろん揺れるものなのですが、最近の軽自動車はあまりにもヒドイ。例えば、これはHA36エンジンマウントですが…」

「柔らかい上に、バカでっかいスグリまであるんです。で、なぜ純正メーカーがこんなことをするのか調べたところ、乗り心地や振動の吸収に加えて、最近は衝突安全の基準が厳しくなり、正面衝突をした際にエンジンが特定の方向に逃げるようにするためだといわれています。エンジンマウントはまさにエンジンとボディを繋いでる部品ですから、十分にありえる話です」

なるほどねえ。

「エンジン内部では大きな爆発が起きているわけですから、その揺れや振動がダイレクトに車内に響くのは当然よろしく無いですが、あまりユルユルだと、今度はエンジンのパワーの伝達ロス、レスポンスの低下、車種によってはミッションの入りが悪くなります。」

「当社では究極のレース用にウレタンもありますが、ストリート用に振動などが控えめな強化ゴムタイプも用意しています。」

なるほど。そういうことだったんですね。安全衝突の対策で、ある意味最近のクルマは更に柔らかくなっている車種も増えている可能性があるんですねぇ。勉強になりました。

ただ、当社のカラーとしてはエンジンマウントはハードすぎる。お客様自身での装着が非常に厳しい、ハードルが高い商品。でも、レース屋さんが必ず装着するほどに、この地味なパーツは効力が十分にあるということなのですから、それをもっと多くのお客さんに広めることが、当社の立ち位置。そのコンセプトで生まれたのが、エンジントルクダンパーです。

http://silkroad-jp.com/portfolio-2/reinforcement/rein_etd

純正のエンジンマウントを交換せず、エンジンとボディを繋ぎとめることにより、純正マウントのサポートとして強化エンジンマウントに匹敵する効能があります。なおかつ、取り付け作業が非常に簡単。

昔、構造上、エンジンの揺れが酷く、それがマニュアルミッションの操作ミスを、どのクルマよりもおきやすかったことで有名なFD3S。ドラッグレース全盛期には、その対策として、一本の鉄棒をエンジンとボディに直接溶接するようなツワモノがごろごろしていました。

でも、これはあまりにも荒っぽい。ボディがいずれ壊れてしまいます。それなら当社の得意なショックアブソーバーを入れることで、ボディへのダメージを抑えつつ、エンジンの揺れを押さえよう!ということで開発された商品です。

当時、商品開発会議で、ショックアブソーバーではエンジンの熱で中のオイルが即死するとあ、皆がきらめかけていたときに、社長の「ゴムを入れたらいいやないか!」という一声で生まれた商品。まさか自分たちがアブソバーを生み出すとは思いもつかず、一瞬皆がキョトンとした場面を、今も明確に覚えています。 なお、現在は、さらに熱に強い強化スプリングに改良されています。

今まで色んな実用新案や、意匠登録、特許などを申請してきましたが、そういう申請をスタートするきっかけになったのがこの商品でした。

初期こそ爆発的に売れたものの、発売してからすぐに台湾製の安いコピー品が日本にドンドン輸入され、当社製はあっという間に干されました(笑)

でも、この数年前からまた注文が増えだしています。

《FT86用》

すぐに理由は分かりました。

「これ、装着してすぐに音が鳴るんですが」

「ちょっと走ったら折れたんですが」

「装着できないんですが」

と、当社製品だと思って、ネットで購入されたお客様から問い合わせがちょくちょくあり、すべて当社製品ではない、コピー品だったのです。また、イギリスからも注文が入りだし、その際に、「これが間違いなくシルクロード製である証明書を発行して欲しい」といわれました。理由は、イギリスではランエボに装着しているヒトが多かったものの、異音や破損のトラブルが続出。理由を突き止め、当社製にたどり着いたという話でした。

《HA36アルトワークス用》

また、海外製のコピー品は、当社が発売当初のFD3S、シルビア、EKシビックなど大量に売れていた車種は発売していたものの、その後、色んなスポーツカーや軽自動車が発売され、選択できるクルマが増えて、大量生産向きではない、少量多品種を求められだすと、利益が出ず、在庫を抱えることを嫌い、当社がドンドン増やすラインナップについていけなくなったようです。

《EA11Rカプチーノ》

こんな笑い話があります。台湾で毎年開催されているアフターパーツ展示会で、完全にコピー品のトルクダンパーを見つけ、値段を聞くと非常に安くて魅力的だったのです。しかも、当社がラインナップとして持っていないBMW用を作っており、うちの社長も、「安いから、逆にこれを販売してもいいんじゃない?」となり、売ってもらおうとすると、

「コレはパテントがついている商品だからね、コピーしないでくださいョ!契約書にサイン必要ですよ!」

と注意されたことを思い出します。社長に通訳すべきか、その瞬間とても悩まされました。いや、そのパテントうちのですけど(笑)。実は、日本だけでなく、台湾などにも申請済みだったのですが、社長は「いたちごっこだし、別にいいよ。うちが他所から『お前よりオレが先に作った』という喧嘩を避けるために申請しただけ。他所がやってもイチイチつっこまなくていいよ」

と、まあ、もう10年以上前の懐かしい思い出ですが、商品は現役! 特に最近は売れ行きが戻ってきて感謝しております。特に色を特注指定できることも人気復活に繋がったようです。

でも、当初これだけ用意したのは間違いでした… 工場から「勘弁してくれ!」と叱られており、現在HPでは一部の色は廃盤にさせていただきました。一本ずつアルマイトに出すと、恐ろしい請求書が上がってくるんデス…

強化エンジンマウントが持つ機能に加えてエンジンルームもカッコよくしてくれるこの商品、かなり手前味噌ですが、よい商品だと思います。

現在ラインナップはかなり増えていますが、乗用車が元々多く、最近は軽自動車をどうやって増やすか悩んでいるところ。何せスペースが狭いから。

で、今月からエンジントルクダンパーの型取りに入るのはホンダ、S660。これは、シュピーゲルさん、44Gさん、シルクロードの3社合同作業です。型取りベース車両は、シュピーゲルのヘンミ部長の個人所有車。快く貸し出してくれることになったのです。

http://www.spiegel.co.jp/

そしてそれを今月末、私と、なぜか44Gのヨシタクさんで珍道中を経て引き取りすることになっています。

http://s660-44g.ocnk.net/

その状況もアップしますので、是非笑ってやってください(この3人だと確実になにかトラブルが起きますから)。プロジェクト660、まもなく開始!