手前味噌になりますが、当社は業界でまだまだネジ式車高調しか市販品がなかった時代、20年近く前に、業界ではほぼ最初に一般向けの全長調整式車高調(RMA8シリーズ)の販売を開始し、車高調そのものが存在しなかったワゴン車用の車高調(カロットワゴン車高調)のラインナップを揃え、しかも一部車種にはリアのみですがエアサスも市販した歴史があります。
40代くらいのユーザーさんなら「ああ、あったなあ」と思い出してもらえることも多いでしょう。
有名大手さんでは大量生産するためにどうしてもそういう新しい試みはワンテンポ遅れるので、当社は意図的に、隙間商品、マイナー車種、最新の流行りの味付けに即対応するよう努力しています。
実は車高調自体そのものを手掛けたのはもう30年以上前です。当社は創業当時からKYB様とは社長がラリーをやっていたこともあり、親密にさせていただいており、自社オリジナルショックアブソーバーとは別に、KYBさまからも長年オリジナルショックをOEM供給してもらってきました。
←現在KYB様に依頼開発中のS660用フロントスペシャルストラット
←SPIEGELヘンミさまの感想は
「これ、全長調整じゃないけど、ゴイゴイスー!!
乗り心地良いのに、結構下げてるのに、コーナーも粘ります!リアはなぜないの?」
答え:リアの開発費が無いんですよ(泣)カネよこせ。
さて、もう5年ほど前でしょうか、車高調について大きな決断をしたのは。
海外からの安い車高調が大量に販売されるようになり、時代の流れも、なんでもいいから車高調ほしいという時代が終わったと感じ、数百車種のカタログモデルをすべて廃止を決めました。海外の安い車高調との価格競争をやめて、本当に車が好きな人たち向けに、本物を提供しよう。新型がでたら片っ端から型取りして、適当にテストして、とにかく早く売ろう、というコンセプトはもうやめようと決めました。
たった数行で説明しましたが、車高調の売り上げは少し落ちてきていたとはいえメイン商材であり、今まで当たり前のように新型が出るたび、に型取り⇒在庫⇒ちらしをもって案内販売、という流れが20年以上続いていたのを、「やめる」というのは自分の腕を引きちぎるような苦しみでした。
数ヶ月にわたる議論を経て(ここで流れるのはやはりNHKプロフェッショナルのスガシカオの名曲でしょう♪)、一旦、当社の全てのカタログモデルの車高調の販売と在庫をやめました。
その代わりに何をすべきかということでたどり着いたのは、コラボモデルでした。
現在RMSシリーズとして販売しています。
http://silkroad-jp.com/portfolio-2/suspension
当社は全国の営業先に、仲良くしていただいているたくさんのショップさまがおられます。そこには当然、サーキット、ドリフト、ワンメイクレース、タイムアタック、ドレスアップコンテスト、ストリートなどの色んなジャンルにおいて、トップクラスで争っているプロフェッショナルぞろいです。
そのプロフェッショナルたちに、当社の車高調をそのジャンルの最高級の仕様になるよう指導してもらい、それを量産販売することに決めたのです。最近、よく販売されている有名ラーメン屋さんのカップラーメンと同じ考えです。
簡単に聞こえますが、簡単ではありません。(ここでもスガシカオ♪)
まずは、当社とコラボネームで販売してもらえるかどうかが重要です。名前を出したく無い、協力したくない、といわれたらお終いです。
OKがでても、今度はテストです。当社も当然お願いするので無償で車高調を何度も作り直すわけですが、テストするショップさんの負担はもっと大変です。クルマを用意し、サーキットやドリフトならば移動、走行費用、ガソリン代、タイヤ代、何よりショップ社長さまが大切なご自身の商売のための時間を殺してテストするのです。
一番最初にそれをやってくださった3UPさんは、2年…、2年と言うとてつもなく長い時間をかけてくれました。1ヶ月に数度テストすることもあったのですから、とんでもなコストです。
詳しい経緯がみれますが、毎日更新されているので、車高調開発日誌を発掘するのは大変かも。
2年… 正直、担当の私が一年目でもう精神的にはギブアップでした(スガシカオ♪)
「これでOKです」の言葉を聞いたときは、全身の力が抜けました。けれど、そこまでお互いに全力を注いだ車高調はその甲斐あって、青森の小橋選手、名古屋の三好選手、同じく新見選手、そして破壊王、3UP岡崎さんが実践で、今なお使ってくださるほどです。
三上さんに教えられたのは、やはり最前線のクルマはどんどん進化していること。タイヤの性能、アームの取り付け、車のパワー、セッティングそのものがどんどん進化しているのだから、ショックアブソーバーも進化させないといけないということでした。
それはドリフトだけでなく、他のジャンルも同じことです。このコンセプトから当社のRMSシリーズの方向性が決まり、現在では
●RMS 日産 全車種 (3UP 三上さん)
●RMS スズキ アルトワークス ((R)ショックテスター CAD CARS 石川社長)
●RMS ダイハツ エッセ (前後全長調整モデル CAD CARS 石川社長)
●RMS セダン シリーズ (社名は内緒ですが、三重県 イベントの鬼ショップさん)
●RMS ロードスター シリーズ (社名は内緒ですが、関西の老舗ロードスター専門店)
●RMS スズキ ドリフト仕様 (山本さん ただし、現時点ではJAWS専売モデル)
HB21S用のスペシャルショックとバネ+キャスター仕様アッパーです。かなり特殊です。
●RMS スズキ レース仕様 WINNERS RUN
(SPIEGELさん ただし、現時点ではSPEIGEL専売モデル)
●RMS HA36 レース用
●RMS FT86 BRZ タイムアタック+ストリート用
(RASTYさん 販売は今年の夏~秋)
すべて、各分野のスペシャリストがとことんダメ出しして作ったモデルであり、自信作です。
これからもどんどんショップさんと良いものを作っていきますので、どうぞよろしくお願いします。