サニートラック、FT86専門店のイーカスタムさん。
どちらの車種も、ベストセラーがエキマニ。人気の秘密は、ポピュラーなステンだけでなく、流行のチタン、そして価格が魅力なスチールまであり、選択肢が多いことです。
先日、新たにND5RCロードスターに参入すると決定されました。
やはりエキマニメインのようです。
先日、いきなり、
「タックイン99さんってお付き合いあるでしょ? 連れて行って。 ロードスター専門店のエキマニを色々みて勉強してるけど、タックインさんのマニはずば抜けて超カッコイイ! 専門家で老舗だからアドバイスも欲しい」
同業に参入しますって宣言するようなもんだから、殴られても知らんよ、と説明しましたが、どうしてもというので恐る恐るたずねると…
心の広い貴多社長は、「エエヨ、ええよ、気にせんといて」と初対面のイーカスタム社長のズケズケとした質問にも丁寧に答えてくださりました。余裕があるとはこのこと。
その後、わずか数日後、いきなりこんな画像が送られてきました。
「この車はFT86同様、触媒が2つ入ってるので、片方をはずした場合の馬力計測を始めています」とのこと。
とにかくやると決めたら妥協をしないイーカスタム社長です。試作品を作る前に、エキマニの触媒がパワーダウンにどれくらい影響しているのかを見極めたいようです。
4~5万ほどする純正を、別途購入していきなりぶった切る…
わざわざくりぬいた触媒のケースを元にもどし、再溶接。
完成… だそうです…
シャシ台をお持ちなので、パワーチェックは自由自在。ノーマルも計測しながら、試作品もドンドン計測していきます。
乗った感じではレスポンスがあがったようですが、実馬力計測と高速テストは後日になるようで、また結果を教えてもらったらレポートします。
ところで、そのシャシ台については面白い話を教えてもらいました。
「パワー計測って、決まりがないんだよ。けれど計測の方法や状況でずいぶんと変っちゃうんだよ。たとえば、計測時に、フロントバンパーに向けてファンを回すか回さないでFT86でも10馬力ぐらい変ってしまうし、冬の寒い日の計測か、夏の暑い日かでも全然違う。」
「そういうこともふまえて、グラフ上で数値がすごく出ている『ふり』を数値設定などでもすることはできてしまうんだよ。でも、自分がお客さんの立場なら、グラフの数値よりも、実際に試乗して『ううぉ~~』とパワ-アップを体感できないと意味がないと思っているんだよ。そうじゃないと、口コミも悪くなって、結局買うヒトが減っていってしまう。だから、面倒だけど、どこまで本当にパワーが出せるかを、毎回確認しながら作りこんでます」
今回のND5RCのエキマニも相当つくり込んでいくようなので、発売が楽しみです。
とりあえず、純正に近いタイプ、そして広いエンジンスペースを活かした、ロング等長タイプの2形状で、材質はステンとスチールで早速4種類。そこにチタンも考えてみようとのことです。
当社もわずかですがND5RCパーツは販売しています。
特に車高調、ダウンサスを購入の際は必需品となる光軸調整ステー、AFSステーです。
http://silkroad-jp.com/portfolio-2/footwork/footwork_als
最近の車にはリアに荷物を載せた際に、後ろ下がりになってライトが上向きにならないよう、光軸を自動調整する機構が備わっています。ところがこれはリアのみに装着されているため、車高を前後で下げても、同じように「車が尻下がりになっている」と判断され、ライトが通常より下を向いてしまいます。
そうなると夜の視認性が悪くなります。車のコンピューターリセットや、専門知識のあるヒトなどが調整することもできますが、面倒な場合、たった¥2,500で解決するこの商品は便利です。
今回のイーカスタムさんの動きを見て、当社ではいよいよアーム製作に入る予定です。ND5RCは実はすでにデータは持っているのですが、売れないだろうということでお蔵入りさせていました。しかし市場にはさほどメーカーが販売している形跡はなく、何より当社では無償で強度検討書類を添付しており、車検時に非合法となってしまうアーム部分については、構造変更通知書を¥3,000で発行しております。
これがあれば、車検時には書類を持っていくだけでOKになります(装着されたアームに対してであり、構造変更となります)。
そもそも、アームは相当な強度が求められている部品です。国土交通省でも交換が原則許されている指定部品に車高調は入っていても、アームは指定外とされています。つまり交換すべきでないといわれているのです。
当社は20年以上前にサスペンションアームを販売するにあたって、強度面を憂慮し、地元の工業試験場に相談をし、純正以上の強度が確保されているかのテストを依頼してきました。そして、強度が担保されている証として、大半のアーム類にその証明書類を無償で今なお添付しております。これを添付している日本のメーカーはキャロッセ様をはじめ数社ありますが、やはりそこは同じ業界でのメーカーとしての良心だと思います。
海外製のものは強度がピンきりです。強度があるものもあるでしょう、しかし満たしていないものも多い。そして証明書がなければ、どれが良いかは判別しようがないのです。
しかも、合法でそのアームを装着し車検を通過するには、構造変更を経る必要がありますが、そもそも書類発行にあたっては基本的に強度証明をした計算書類が必要ですが、破壊試験をしていない商品の強度を証明するのは生半可なことではなく、実際には書類のみ発行できるところもあるようですが、価格も当社の10倍するものもあるようです。
このように、強度検討書添付の販売からさらに踏み込んで、構造変更書類を有償で発行するようになったのは3UPの三上さんの意見でした。
「ドリフト車両だから違法で良い、という時代ではないんですよ。アームも装着した状態で構造変更を受けて車検を通過させた車両を製作しています。シルクロードさんとしては手間が増えるでしょうけれど、やってみませんか?」
「ハッ」とさせられた一言でした。昔から作って販売を続けているからこそ、麻痺していたのかもしれません。
とはいっても、いざ始めようとすれば、簡単なことではありません。しかもそれではっきり言って利益が増えるわけでなく、むしろ手間ばかりがかかるのですが、当社には色んな人材が居ます。
このMR.I氏は元工業専門学校出身でダートラ競技出身、そしてシルクロードの創業期からの在籍で、営業マンも製造工場主任も経験があり、車にも数字にも強いことで構造変更通知書の発行にこぎつけたのです。
手前味噌になりましたが、当社もマツダ車のアームが少ないですから、コレを機に参入予定です。また、ND5RCの一つ手前のNCECロードスターも、最近ではアーム要望が出ているそうですから、開発にはいります!
ショップさんが頑張って開発をしている姿が当社の開発魂に火をつけることは結構多いんです。というか、ショップさまに色んなヒントをいただいて新商品が生まれています!