新型ジムニー、JB64が話題をかっさらっていますし、当社もJB23を開発しながら、互換性の多いJB64を意識しています。
でも、私はXBEEも大好きです。実車をみればわかりますが、当初想像していた「ちょっと大きいハスラー」ではありません。完全別物。新型スイフトをSUVにしたといほうがすんなり来ます。オフロード車というよりは、スポーツカー。実際、1Lターボのエンジン、速すぎてビビります。
そんなXBEEの1.5インチアップキットは、2WD、4WDともに完成。量産待ちの段階です。今日は、2WDの開発車両を提供してくれたイーカスタムさんを訪問。
「いらっしゃ~い。この数日タイヘンやったわ」
え?地震の影響?
「ちゃうちゃう、ホームページのサーバーが不具合で金、土、日の長期メンテに加え、月曜日も再開できず、ホームページもメールも死んでたんで、お客さんが『イーカスタムやばい!?」と思ってしまったのか、じゃんじゃん電話鳴ってなあ」
ご愁傷様(笑)
「でも、ありがたいことに、廃業で商品なくなるんじゃないかと不安に思ったのか、電話の大半が注文になったわ(笑)」
結果オーライ。さて、お借りしていたリフトアップ済みのXBEEの部品の調子を確認。
完全スクエアの新型ジムニーはカッコいいけど、スーポーティーであるべきSUVはやはりスポーツカーに似たこのフォルムが、これまたイイ! スポーツ(S)、ユーティリティー(U)、ヴィークル(V)、実用性とスポーツ性を兼ね、近年大人気のジャンル。
この業界で働く私も、40歳を超え、50歳が見えてくると、車高ダウンは色々抵抗があります。世間体というんでしょうか。超リフトアップも同様、ご近所の目がちょっと… とはいえ、ノーマルはイヤ。そんな私は「チョイ上げ」というのは年齢的にもしっくり来ます。
ただ、この数年、チョイ上げは1インチキット、25~30mm程度のものが主流でした。特にコイルスプリング、アップサスでは取り付けや構造上、1インチが限界。ダウンサスと同じです。ダウンサスも30mmを超えると乗り心地が急激に悪化しますし、底付きなどでクルマへのダーメジもありえます。
当社もリフトアップキットは、ハスラーなどは1インチで対応していましたが、今回、XBEEをリフトアップして気付いたんです。
ボディが大きなXBEEでは、1インチ程度ではリフトアップしてあることがわかりにくいんです。
なので、急遽、車検対応になるギリギリの40mmアップ、おおよそ1.5インチを狙うことにしたのです。
国交省から交換が認められているショックアブソーバーとスプリングでのリフトアップは40mmまでは手続き不要で車検対応。でも、そこを超えると、記載変更の手続きが発生するので、そのギリギリ。
当社はコイルスプリングではなく、業界では珍しいスペーサー式を採用しています。リアはこのグルグルスペーサー。リアアジャスターと呼ばれるものを、純正スプリングにいれることでリフトアップ。しかもネジ式なので高さ微調整までできます。アップスプリングでは出来ないこの機能があれば、前後姿勢なんかも好みに調整出来ます。
フロントはこういったスペーサーをはさみこみます。
今回、上げ幅を決めるときに、開発者がこんなスライス上のものを入れているの偶然目撃して、私はとっさに「このまま製品にしてほしい!」といいました。なぜなら、これを足したり、へらしたりすれば、フロントも車高を調整できるじゃないですか!?
これは私が調子にのって、スーパーましまし仕様をお願いしたところです。開発者は呆れています。
「クルマのストロークとか計算する人間には思いつかない発想やな、無茶言うなあ」
でも、実際走ってみると、むしろノーマルより私には快適に!もちろん、異音もないし、何の問題もありません。実際、ハスラーやエブリにも同じキットを販売していますが、装着した方の感想は皆さん、
「脚がしゃきっとしました。コーナーが粘る。純正の不快なネガティブな意味で柔らかい部分が殺されて、良い部分が活かされているような感じです。」
とのこと。
こうして、今回、思い切って1.5インチ仕様で開発しました。4WDも同等コンセプトですが、部品は異なります。4WDはラテラルロッド車なので、調整式ラテラルロッドも準備しております。
リフトアップスプリングとはまったく異なる調整機能がついて、1インチではなく、1.5インチで、なおかつ当該商品そのものは車検には一切抵触しません。安心。これで、予定定価はなんとか3万円前後で収める予定!
それにしても、イーカスタムさん、いつになったらND5RC、新型ロードスターのエキマニ発売するんですか!? 問い合わせ多いんですよね。
「やっぱり商品の開発ってタイヘンやな~。うちも、サニトラ、FT86ときて、今回のND5RCロードスターは、数年ぶりの大型新商品。久しぶりにサンプル作りしたけど、イチからモノを作るって、改めてキツイな。お金も時間もエネルギーも体力もとてつもなく奪われる。シルクロードはそれが本業とはいえ、良くもそんなに頻繁に新商品つくるな~」
今回のイーカスタムのエキマニ開発を横でみてましたが、そっちもトンでもなく大変そうでしたョ。
まあ、当社の場合は私が作るわけではないんですが(笑)、改めてシルクロードの工場である㈱セクションのスタッフの能力に感謝です。私のような口先だけの営業マンが、気分とノリで提案したものを、ゼロから形にしているセクションのスタッフさんたちの苦労は計り知れません。しかもサンプルができたら「もっと安く!」って言うだけ。ヒドイもんです。
ようやくXBEEのリフトアップキットがロールアウト! 非常に良く考えて作りこまれた商品です! 売れてくれると嬉しいです。