車高調設定が無いクルマ vs. バランスオート

久しぶりの関西営業。今日はバランスオートさん。

https://ja-jp.facebook.com/BalanceAutoPartsWarehouse/

メカニックのイッチーさんがフル回転。

コロナエクシヴ!

このクルマ用の車高調なんて、市場にほとんどないし、あってもこんなバッチリ車高が決まるものは無いよね…

「ええ、ザキさんが設計した車高調ッス」

メチャクチャかっこいい!

エアサス取り付けのアコード。こちらも、タイヤホイルのツラ具合と、車高のバランスが絶妙!

ええっッと… 名前分かりませんが、アメ車?イカツイ&カッコイイ。

まさか… こんなクルマ用の車高調なんか無いはず…

「エエ、自分で採寸して設計した車高調、入れて下げてますよ」

いつの間に… 職人、山崎さん、通称ザキさん。気配を消していたのか…

元々、当社と同じ、サスペンション、車高調を製造する側に居たヒト。

それも日本のサスペンションメーカーとして、誰もが知る有名ブランド。設計や製造ラインの立ち上げに関わっていたヒトが、ショップを経営しているのです。

目の前にクルマがあれば、車高調の設計図を描いてしまえます。

そんなのズルイ!(笑)

ゲーム制作会社のプログラマーが、ガチのランキング争いするゲームプレーヤーでもあるようなもんジャン!

でも、だからこそ、設定の無いマイナー車、希少車、外車まで対応出来てしまうし、イベントで上位入賞するヒトが門を叩くのでしょう。

「最近はエアサスの再ブームが来てますね」

「色んなメーカーのエアサスを取り扱いさせて頂いた経験から、オリジナルのエアサスをワンオフ対応しようと思っています。こいつの特徴はエアバッグが薄い事により、直巻スプリングと同軸に入れて、車検に対応させていることです」

というか、作業待ちのホイル、エアサス、車高調が山盛り。

既存の販売されている車高調やアーム類だって、装着時のちょっとしたヒト手間、小改造、セッティングで、同じものを装着しても、完成度が大きく変わります。

アッパーマウントにキャンバー調整機能が無ければ、調整式を作って交換。

 

キャンバーの調整量が足り無い場合は、自分で設計したネガキャンアッパーマウントを装着。

 

市販のエアサスをピロアッパー仕様にするなんて朝飯前。

だからなのでしょう、マイナー車で車高調に困っているユーザーだけでなく、日本全国からクルマ造りの依頼が耐えないのです。

こういった、アルミ鋳物の純正アーム加工だってやってしまいます。

あまり自分のことは話さない山崎さん、なぜ、安泰だったサスペンションメーカーでの設計士としての仕事を捨ててまで、ショップ業に転職したのかは、はっきりと教えてもらったことはありません。

少なくとも、その存在は、当社にとって刺激。

メーカー側とショップ側、両方経験したヒトがどういうクルマ作りをするのか、どういう商品を販売するのかは、興味深い。

私たちメーカー側は、商品開発の際には、どうしても販売数量やコストという条件に、影響や制約を受けます。良い商品だと思っても、作れなかったもの、販売できなかったものは多数あります。

そういう製造側の制約から解き放たれて、目の前のユーザー様が喜んでくれるような、トータルでのクルマ造りをしたいと、決意されたのかもしれません。

この超カッコイイ、ゴルフ、山崎さんが作ったデモカーですが、お客様が購入されたので旅立っていったそうです。個人的に大好きだったクルマ。

バランスオートはその名前の通り、クルマのバランスを最適化することを考えたショップ。ゴテゴテとパーツを付け足すのではなく、量産車両のデザインや性能に欠けている部分を補う事で、魅力あるクルマを造りだすという、和のテイストに繋がるコンセプトのショップ。アメリカンカスタムから始まった会社ですが、根幹には和の考えが根ざしています。バランスが手がけたクルマは、一見、派手に見えるけれど、ゴテゴテとしていません。

当社はバランスさんのお手伝い的な立ち位置。製品ではなく、当社や同業者様が持っている材料を購入して、モノづくりをされています。

「あ、そういえば、御社のパーツで気になったことが20箇所ほどあるんやけど…」

出たよ、技術者、職人の悪いクセ、怖エー!捕まったらお説教はじまるゾー!

逃げろー!

 

ということで、しばらく関西で仕事が続きます。