ドリフトジムニー by JAWS山本 次回走行会では3UPが乱入!?

新型JB64ジムニーがとてつもなく注目を浴びていますが、JB23ジムニーもさらに盛り上がりを見せています!そんな中で、JAWS山本さんと開発を進めていた、JB23ドリフト車高調が、とうとうサーキットデビューしました!

かなりの反響があったようです!車高調を完成させて送り込んだのは、本番2日前…良くここまで持ってこれたもんだ…スゲエ。

思い返せば、ローダウンジムニーの構想の始まりは、3UPさんとの話し会いでした。シルビア、スカイラインでドリフトを長年続けてきた3UPの三上さんの悩みは、遊び車、ドリフト競技車としてのシルビアをはじめとするドリフト競技の将来。

http://www.e-3up.com/

ドリフト車のチューニング、セッティング、そしてオリジナルパーツでは定評があり、三上さん自身はもとより、岡崎さんはD1のレディース初代チャンピオン。ドリフトの最盛期を知るヒトが、この数年ずっと懸念していたのはそのことでした。

「ドリフトは進化し続けていますし、世界的な競技となり、競技そのものは今も輝いていますが、若い人たちがこぞって入門できるようなお手軽なものではなくなりました。車体も高額、純正パーツも高額、クルマも痛んできて、修理からはじめないといけない。それなりのレベルの大会だと、高額なタイヤが数周で交換するほどのハイパワーと切れ角。ラリーという競技がたどっている方向に近いように感じています」

こんな会話を互いに毎月、5年間近く続け、新たな車を探し続けていく中で、Z33、外車、FT86と上がってきた候補の一つがJB23ジムニー。そして数年前に山本さんと三上さんを引き合わせた結果、見学することになったJAWS山本さんの走行会が決定的でした。

タイヤやガソリン代のコストが安く、手軽に参戦して楽しめるこの大会で、ドリフトがマイナーだった頃の興奮、そしてギャラリーの多さと盛り上がりを見たことが大きく影響したようで、この後すぐにアルトワークスを購入して、JAWS山本FRキットで色々試行錯誤を開始。

ただ、旧アルトワークスの玉数の少なさは、シルビアに匹敵するほどと気付きいたそうです。JAWS山本さんも以前から同じことを考えていたようです。チューニングしやすいK6Aエンジン搭載した、玉数の多いクルマ、となると…

二人がほぼ同時に出した結論は、

「ジムニーでいくゾ!とりあえず、シルクロードでドリフト用車高調作って!」

また、そんなことを簡単に言う…

この頃はまだジムニーはリフトアップが主流。二人にマンマと乗せられて車高調を作り、売れずに、在庫のFUJIマウンテンを築けば、社長に殺されるのはワタシ… 悩んでいるところに追い討ちをかけるように、シュピーゲルさんからの相談。

「ジムニーで湾岸線で高速クルージングを楽しんでいる凄い人たちがいるんですよ。そんな人たちが、ローダウン目的ではなく、走行性能を上げるための硬い脚が欲しいそうです。作れますか?」

すでにリフトアップ以外のジムニーを楽しんでいる人たちもいるんだな~、凄いな~と思いました。三上さんや山本さんが言っていたこともあながち悪くは無いかも…聞けばシュピーゲルさんでも、以前ローダウン車高調を販売していた、というので、見せてもらおうとすると…

「まだ時代が早かったんでしょうね、売り切ってやめました」

おいおいおいおいおい!データゼロじゃん!型取車両無いし!

JAWS山本さんでも、昔からシャコタンジムニーは作って遊んでいたそうです。下げることはさほど難しくは無いけれど、走行性能をしっかり出せるようにするのは難しいとのことでした。

ジムニーは一般的なクルマの足廻りと異なります。ショックとバネが別体だから、定番の全長調整式のコイルオーバーができない。直巻きスプリングも使えない。硬くするだけならKYBで純正形状の特注ショック4本と、純正形状の硬いバネを巻けばいいけれど、車高も減衰も調整もできないのに軽く10万半ば。といって、売れるかどうか分からない未知数の商品のために、車両購入するわけにもいかない…断念。

そんなある日、チャンスが来ました。車両の協力を京都のAUTO FACTORYさんが申し出てくれたのです!長期借りてもいい、という破格のチャンス!実践テストはJAWS山本さんが請け負ってくれるということが確定し、開発に入れました。本当に感謝。数ヶ月かけて開発されたのが、直巻きを置くアダプタータイプ。

直巻に拘ったのは、バネレートが基本的にすぐマックスで発生するから、挙動の変化をつかみやすく、レースやドリフト向きという判断。削りだし樹脂のこの白いアダプターで直巻きスプリングを受けられるようにしました。

直巻スプリングと全長調整式ショック。これが、ジムニーの、サーキット、ドリフト用としては、最強形態だと思います。ありそうでなかったコンセプト。ただ、リアショックの減衰をもう少し変更しないとドリフトとしては問題アリなので、これから煮詰めていきます。

問題はコスト。軽自動車の車高調は各メーカーから豊富に発売されていますが、基本ストリートでのほどよいダウンを狙ったものが大半。軽自動車の本気のレース用というのは、一部メーカーの特注品が大半。価格もそれに見合ったものです。当社は以前からRMS-Kシリーズで、軽自動車がレースで使える本気の脚をKYB製のOEMショックなども加えながら、できるだけ低価格で提供させていただいてきました。

http://silkroad-jp.com/portfolio-2/suspension/rms-k-sp

その集大成として作った車高調は、HONDAのN-ONEオーナーズカップに正式採用いただきました。

http://www.n-one-owners-cup.jp/

ただ、さすがに今回の直巻式は、定価20万円近くなりそうなのです。直巻きに拘らなければ、もう少し下げられそうで、今後、新型のローダウンキット開発も視野に、JAWS山本さんやAUTO FACOTRYさんのクルマとにらめっこしながら進めていきます。

すでに出回っている情報では、TEIN、RSR、HKS、タナベなど、サスペンションメーカーの多くがJB64ジムニーの車高調に参入することがほぼ決定しているようです(あくまで個人的な調べ)。

そしてローダウンジムニーの設定も一部では予定されているようです。JB64でローダウンが流行れば、おのずとJB23にも流用できますから、その流れが来るのは間違いないでしょう。当社もウカウカしていられません。

けれど、当社はただのローダウンではありません。戦うローダウン車高調も設定します。お手軽なローダウン、お手軽なリフトアップも開発中ですが、尖がった、競技レベルでのものもJAWS山本車両とともに開発を続けていきます。

さて、JAWS山本さんの事務所にいくと… 事務員のてっちゃんがポツンと1人… あれ?山本さんは?

「ちょっと教えられないです…」

は?なんで?というか、このクルマは山本さんのじゃないの?

「お客さんのです」

スコップかっこいい!今、ちょうど新型ジムニー用で作ってるんですよね!

「うちも、スコップつくったんですよ!」

ええ…(汗) 確かにスコップですね。どこで見つけてきたんだ…こんなもん。

いや、だから、そんなことより、山本さんは…?

「じゃじゃ~ん!ドリフト天国に掲載された、先日のドリフト大会の記事です~」

ええ…ああ…はい… 

だから、山本さんは一体、どこなんですか!?

話をどんどんはぐらかされているゾ。ちゃんと教えて!

「ホームページ見ましたか?ダメですよ、突然来ても」

これか!これを見たから変なうわさが流れてるのか!重病だとか、逃げたとか、死んだとか(笑) 

とりあえず今日は撤退しますけど、来月のドリフト最終戦はどうなるんですか?ドリフトジムニーの車高調の確認をしたいんですケド!?

「はい、それは大丈夫です!大会ありますよ。今回は三上さんたちも来るんでしょ?」

じゃあ、山本さんとあえるのはココだな。そうなんです、今回は、3UP三上さんと岡崎さんが2年ぶりに審査委員で登場&出場です。

元異業種のサラリーマンだったワタシは、シルクロードの営業マンのクセにクルマの競技に興味が無いのですが、JAWS山本のK-CARドリフト大会は、一日見ていても飽きません。超楽しみ!

時間と移動が許すなら、一度見学するだけでも楽しいですよ。ドライバーだけでなく、子どもからおじいちゃんまで色んな年齢層の人がいます。関係の無い一般ギャラリーも最近は増えていますしね。福岡に来たなら、世界一焼き鳥屋の多いクルメ市で、B級グルメ巡りできますし。

ということで、来月のレポートお楽しみに!

さて、明日で九州出張も最終日。